冷凍食品OEMメーカー比較|小ロット対応・費用・製造の流れを徹底解説

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目次

冷凍食品OEMとは?

共働き世帯の増加による時短食への関心や、健康志向の高まりで冷凍野菜のニーズ増などの後押しにより「冷凍食品」が今、再評価されています。最新の急速冷凍技術によって「美味しさ・栄養・鮮度」を保てるようになり、家庭用だけでなく、外食・中食産業でも需要が拡大中です。特に、オリジナル商品を開発したい飲食店や小売企業にとって、低リスクで商品化が可能な「冷凍食品OEM」が注目されています。

本記事では、冷凍食品OEMの仕組みから、メリット・デメリット、費用の目安、メーカー選びのコツまで詳しく解説します。

冷凍食品OEMとは?

冷凍食品OEM(Original Equipment Manufacturing)とは、自社で製造設備を持たない企業が、冷凍食品の製造を外部の専門工場に委託する仕組みです。レシピやパッケージデザインなどの商品企画は依頼主が行い、製造・加工・急速冷凍・包装・保管・出荷といった工程はOEMメーカーが担います。

例えば、全国のコンビニで本格的な料理を手軽に楽しめる冷凍食品はその一例です。近年では、刺身などの生鮮食品も冷凍技術の進化によって高品質なまま流通できるようになってきました。また、全国の選ばれたパン屋の焼きたてパンを冷凍保存し、定期便として自宅に届けるサービスなども登場しており、冷凍食品の活用の幅はさらに広がりを見せています。

キナミのパン定期便

コンビニ刺身

冷凍食品OEMのメリット・デメリット

冷凍食品OEMは、自社で設備を持たずに商品を展開できるため、新規参入や小規模事業者にとっても非常に魅力的な手段です。一方で、外注ならではのリスクや制約もあるため、事前にメリット・デメリットをしっかり理解しておくことが重要です。

メリット

冷凍食品OEMを活用することで、商品開発のスピードを上げつつ、リスクを抑えたスモールスタートが可能になります。特に、設備投資を避けたい企業にとっては大きな利点です。

  • 初期投資が不要:製造機械や工場を持つ必要がなく、資金負担を抑えてスタートできる
  • 品質管理の手間を削減:HACCPなどの衛生基準や管理体制はOEMメーカー側が対応
  • 専門技術を活用できる:冷凍・調理・包装など、高度な加工技術を取り入れやすい

デメリット

一方で、製造を外部に委託する以上、すべてを自社の思い通りにコントロールするのは難しくなります。品質やスケジュールの調整には注意が必要です。

  • 品質や味がメーカー依存になる:同じレシピでも製造者によって仕上がりに差が出ることがある
  • 最小ロットや製造単価の交渉が必要:希望する数量や価格に対応できるメーカーを探す必要がある
  • 柔軟なスケジュール対応が難しい場合も:繁忙期には製造スケジュールに制約が出ることがある

冷凍食品OEMの依頼の流れと費用の目安

実際にOEMを依頼する際には、どのようなステップで進めていけばよいのでしょうか? ここでは、冷凍食品OEMの基本的な流れと、各工程にかかる費用感をご紹介します。

ステップ内容
1. 商品企画レシピ・パッケージ案の設計。市場ターゲットや販路もあわせて検討。
2. メーカー選定得意分野・対応ロット・価格帯などを比較しながら、OEM先に問い合わせ。
3. 試作サンプル製造に進む。費用は数万円〜10万円程度が一般的。
4. 製造契約試作品に満足できたら契約締結。製造数量や納期、支払い条件などを取り決め。
5. 製造・納品本製造スタート。MOQ(最小発注数)は100〜3,000食/ロットが多く見られます。

冷凍食品OEMメーカーの選び方

OEMを成功させるカギは、パートナー選びにあります。ただ価格が安いという理由だけで決めるのではなく、自社のコンセプトや商品ジャンルに合った製造実績やサポート体制を持つメーカーを選定することが重要です。

以下のポイントを確認して、複数社を比較検討しましょう:

  • 類似ジャンルの製造実績があるか
  • HACCPやFSSCなどの衛生認証を取得しているか
  • 試作や企画提案にも柔軟に対応してくれるか
  • 小ロット対応が可能か
  • 冷凍保管〜出荷まで一貫対応できる体制があるか
  • 製造ラインの空き状況やリードタイムの柔軟性も確認すること:スケジュール調整が難しい場合、販売開始が大幅に遅れるリスクがあります

よくある失敗例/h3

冷凍食品OEMでよくある失敗の一つが、「価格の安さ」や「小ロット対応」という一点だけでメーカーを選んでしまい、後になって品質や対応力に不満が出るケースです。例えば、試作時は良好だったのに量産時に味や見た目が安定しなかったり、製造スケジュールが希望通りに組めず販売計画に支障が出たりする事例が多く見られます。長期的なパートナーシップを前提に、対応力・柔軟性・実績をバランスよく見極めることが、OEM成功のカギとなります。

失敗しないための5つのポイント

冷凍食品OEMを成功させるためには、製造だけでなく、その前後の準備や見極めも重要です。以下の5つのポイントを押さえておくことで、後悔のないOEM開発を進めることができます。

1. 試作の段階で味・食感・再現性を細かく確認する
「試作時は良かったのに、量産で味がブレた」という声は少なくありません。調理工程の再現性や冷凍後の食感まで、サンプル時点で徹底チェックを。

2. 製造ロットと在庫量を明確に計画する
最小ロット(MOQ)が想定より多く、在庫を抱えてしまうリスクも。販路・売上見込みに応じた数量計画と、在庫保管の体制も事前に確認を。

3. パッケージは輸送・販売チャネルに適した設計にする
冷凍庫での保管効率やEC向けの梱包性、ギフト対応など、販売チャネルに合わせてパッケージの形状や材質を設計しておくと失敗が少なくなります。

4. 表示やアレルゲン対応は最初にすり合わせておく
食品表示やアレルゲン・栄養成分の表示義務は、業種や販売地域によって異なります。後から修正になると追加コストが発生するため、初期段階で設計するのがベストです。

5. 複数のメーカーに相談し、相見積もりを取る
1社だけで判断すると、価格や対応力の比較ができず、条件面で妥協が必要になる場合があります。初回は最低でも2〜3社に相談し、総合的に判断することをおすすめします。

おすすめのOEMメーカー3選

レトルト食品OEMを検討する際は、製造実績・対応品目・小ロット可否・提案力など、複数の観点でメーカーを比較することが重要です。ここでは、全国でも特に柔軟な対応力と専門性を備えたOEMメーカーを3社ご紹介します。いずれも、初めてOEMに取り組む企業にも安心して相談できる体制が整っています。

  1. 株式会社キュリアス(惣菜・カレー・ソース類など100食から可能)
  2. マルヒ食品株式会社(OEM・PB商品開発だけでなく、原料調達から可能)
  3. ごと株式会社(レトルト食品や冷凍食品を幅広く対応)

まずは無料相談からスタートしよう

冷凍食品OEMは、飲食店の看板メニューを商品化したい方、小売・EC事業者としてオリジナルブランドを立ち上げたい方、6次産業化に挑戦する生産者まで、あらゆる立場の事業者にとってチャンスを広げる選択肢です。製造設備や冷凍技術がなくても、専門メーカーと組むことで「低リスク・短期間」で商品開発を実現できます。

しかし、失敗しないためには「小ロットに対応しているか」「レシピの再現性があるか」「物流まで任せられるか」といった複数の観点からメーカーを比較し、自社の方針と合致するパートナーを見極めることが不可欠です。

初めての方は、まずは1社に絞らず複数のOEMメーカーへ資料請求や無料相談を行い、条件や相性を確認することから始めてみましょう。自社だけでは実現できなかったビジネスの可能性が、大きく広がるかもしれません。

まとめ|まずは無料相談してみよう

冷凍食品OEMは、飲食店や小売企業が短期間・低リスクで商品開発できる強力な手段です。初めての方は「小ロット対応可能か?」「費用感が合うか?」という視点で、複数社に打診し比較してみることが重要です。

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