ヴィーガン食品OEM|動物性不使用でも差別化できる商品開発とおすすめメーカー3選

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目次

動物性食品を使用しない「ヴィーガン食品」は、環境意識やアレルギー配慮、健康志向の高まりを背景に、国内外で着実に市場が拡大しています。特にプラントベースの加工食品は、ヴィーガンに限らず、一般層への浸透も進んでおり、OEMを活用したブランド展開の注目度が上がっています。

本記事では、ヴィーガン食品OEMの基本から、メリット・デメリット、依頼の流れ、費用感、メーカー選定のポイントまでを網羅的に解説。さらに、小ロットから対応できる実績豊富なOEMメーカーを3社厳選して紹介します。

ヴィーガン食品OEMとは?

ヴィーガン食品OEMとは、肉・魚・乳製品・卵・蜂蜜などの動物由来原料を使用せず、植物性のみの原料で構成された食品を、自社ブランドとしてOEMメーカーに製造委託することを指します。

対象製品の一例:

  • プラントベースミート(大豆ミート、えんどう豆たんぱく等)
  • ヴィーガンチーズ・ヨーグルト
  • ヴィーガンスイーツ(乳・卵不使用の焼き菓子など)
  • グルテンフリーヴィーガンパン・バー
  • 冷凍惣菜・スープ・パウチ商品

OEMを活用することで、製造ノウハウやライン整備が必要なヴィーガン商品でも、開発・販売に集中しながら商品化できます。

ヴィーガン食品OEMのメリット・デメリット

メリット

  • 開発コストを抑えて商品化できる:原料の取り扱いや製造ライン管理が必要なヴィーガン食品でも、自社で製造設備を持たずに済むためリスクを抑えられます。
  • 専門ノウハウを活用できる:動物性原料の置き換え技術や、味・食感を再現する知見を持つメーカーに依頼できるのがOEMの強みです。
  • 輸出・インバウンドにも対応できる設計が可能:ハラル・ベジタリアン・アレルギー対応といった複合ニーズに合わせて設計でき、海外販路にも適応可能です。

デメリット

  • 完全な動物性不使用の管理が難しい場合もある:製造ラインの共有により、微量混入リスクがゼロでない場合も。表記や製造証明の対応を確認する必要があります。
  • 素材コストが高くなりやすい:豆類たんぱくやナッツ・オーガニック素材など、動物性代替品は高価で、商品単価が上がりやすい傾向にあります。
  • 販売ターゲットが限定されやすい:「ヴィーガンであること」だけでは一般層に届かないため、ストーリーや味での差別化が必須です。

依頼の流れ

ヴィーガン食品のOEM依頼は、以下のような流れで進みます。

  • 企画段階でOEMメーカーに製品の目的・仕様・販売戦略を相談
  • 動物性不使用に加えて、アレルゲン・グルテン・オーガニックなどの条件を整理
  • 試作品をもとに、味・栄養設計・表示内容の調整を繰り返す
  • 見積もり・ロット数・納期などを決定し、契約締結
  • 本製造・納品(必要に応じて包装資材や証明書も対応)

表示内容(ヴィーガン対応・アレルゲン等)に関しては、法令や商流に応じてOEMメーカーと連携しながら進める必要があります。

費用の目安

製品ジャンルにより大きく異なりますが、ヴィーガン食品OEMにかかる一般的な費用感は以下の通りです。

  • 試作費用:2〜8万円/1品目(2〜3回を想定)
  • 製造単価:120〜600円/個(原料や形状により大幅に変動)
  • パッケージ資材費:15〜60円/個(印刷や小ロット対応で増減)
  • 最小ロット:500〜3,000個程度(製品・設備により異なる)

※添加物不使用・グルテンフリー・冷凍対応などの要件を加えるとコストは上がります。

ヴィーガン食品OEMメーカーの選び方

  • 動物性原料を一切使用していない製造実績があるか
  • 製造ラインの専用性(または洗浄対応・証明書発行可否)
  • たんぱく源(大豆、えんどう豆、アーモンドなど)の選択肢が豊富か
  • 添加物不使用やグルテンフリーなど、併用設計にも対応できるか
  • 包装資材や輸出対応、ヴィーガンマーク表示への理解があるか

特にヴィーガン表記を明記したい場合は、使用原料証明や製造ラインの混入管理証明が取れるかどうかを確認しましょう。

おすすめのOEMメーカー3選

AKEBONO株式会社(長野県)

信州大学発ベンチャーとして立ち上がった企業で、米粉パンやスイーツ、パスタまで、グルテンフリーかつヴィーガン対応の食品OEMを展開。小ロットや明朗な費用体系、国産素材へのこだわりが特長です。

  • 対応ジャンル:米粉パン、焼き菓子、冷凍麺、ヴィーガン焼成菓子など
  • 特長:
    • グルテンフリー × ヴィーガン対応に強み
    • 小ロット&高付加価値商品のOEMに対応
    • 明朗な価格提示、試作支援あり
    • 信州大学認定ベンチャー企業(研究開発力あり)

株式会社マイセンファインフード(福井県)

エクストルーダー技術に強みを持ち、アレルゲンフリー・ヴィーガン・ベジタリアンに対応した大豆ミート・グルテンフリースナックなどの製造に対応。冷凍・常温・レトルトまで、幅広い加工技術を備えた高機能OEMメーカー。

  • 対応ジャンル:大豆ミート食品、グルテンフリー製品、ヴィーガンレトルト、スナックなど
  • 特長:
    • 特定原材料28品目不使用などアレルギー対応に強い
    • エクストルーダー加工技術で高食感を実現
    • 冷凍・レトルト・乾燥など多様な保存形態に対応
    • ヴィーガン&低添加物の両立可能

株式会社サプリスタンダード(茨城県)

健康食品・プロテイン製品のOEMに特化し、ヴィーガン対応のバー・クッキー・プロテインパウダーの製造に対応。2021年創業ながら、小ロット・スピード対応・価格対応力に定評があり、スタートアップやD2Cブランドとの協業も多い。

  • 対応ジャンル:ヴィーガンプロテインバー、クッキー、サプリメント、パウダー
  • 特長:
    • ヴィーガン設計可能なプロテイン製品に対応
    • 低価格・小ロットからOEM可能
    • パッケージデザインやD2C向けブランディング支援にも対応
    • 実績豊富でスピード感ある開発が可能

失敗しないためのポイント

  • 動物性原料完全不使用の証明が取れる体制か確認
  • 小ロット時の単価上昇を事前に見積もりで把握
  • 販売先の条件(海外輸出、オーガニック認証等)に合致する体制か確認
  • 「ヴィーガン=優しい」だけでなく、「おいしい・栄養・使いやすい」も設計段階から意識する
  • 試作段階で味・食感・パッケージまで一括チェック

ヴィーガン食品OEMで拡がるブランドの可能性

ヴィーガン食品は、一部のライフスタイル選択を超え、**「誰でも取り入れられる新しい日常食」**として注目されています。OEMを活用すれば、製造のハードルを下げつつ、高品質で差別化されたヴィーガン製品を自社ブランドで展開できます。

本記事で紹介した3社は、どれもヴィーガン対応に強みを持ち、コンセプト設計から商品化までを丁寧にサポートしてくれるパートナーです。販路やターゲットに合わせて、まずは相談からスタートしてみてください。

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