クラフト食品ブームとOEM製造|小規模生産の方法

目次

クラフト食品ブームが生んだ新しいOEM需要

クラフトビール、クラフトチョコレート、クラフトジン、クラフトコーラ。「クラフト」と名のつく食品・飲料が、ここ数年で爆発的に増えました。大量生産では実現できない個性的な味わいと、作り手のストーリーが見える商品を求める消費者が確実に増えています。

このクラフト食品ブームは、食品OEMの世界にも新しい需要を生み出しています。自分たちのブランドでクラフト食品を出したいが、製造設備を持つのはリスクが高い。そんな事業者が、小規模生産に対応できるOEM工場を探すケースが増えているのです。

「OEMで作ったクラフト食品は本物か」という議論はありますが、重要なのは商品のコンセプトと品質です。自分たちが考えた独自レシピを、技術力のある工場に委託して製品化する。このアプローチは、クラフト食品の価値を損なうものではありません。

クラフト食品OEMで人気のカテゴリ

クラフトチョコレート・スイーツ

Bean to Barチョコレートに代表されるクラフトチョコレート市場は、年々拡大しています。カカオの産地や品種にこだわったシングルオリジンチョコレート、日本の素材を組み合わせたフレーバーチョコレートなど、差別化の切り口は豊富です。

チョコレートOEMでは、テンパリング(温度調整)の技術力が品質を大きく左右します。小ロットでも丁寧なテンパリングができる工場を選ぶことが重要です。

クラフト調味料

クラフト醤油、クラフト味噌、クラフトソース、クラフトドレッシングなど、調味料のクラフト化も進んでいます。地域の素材を使った独自配合の調味料は、ギフト需要やセレクトショップでの販売に適しています。

調味料は賞味期限が比較的長く、常温保存できるものが多いため、在庫リスクが低いのもメリットです。小ロット(500〜1,000本程度)から対応する工場も多く、参入障壁が比較的低いカテゴリです。

クラフト飲料

クラフトコーラ、クラフトジンジャーエール、クラフトレモネード、クラフトコンブチャなど、ノンアルコール飲料のクラフト化が急速に広がっています。健康志向と個性を求める消費者ニーズにマッチし、特にD2Cブランドでの展開が活発です。

飲料OEMでは、充填(ボトリング)設備を持つ工場との連携が必須です。瓶、缶、ペットボトル、紙パックなど、容器の選択肢も商品コンセプトに合わせて検討しましょう。

クラフトグラノーラ・シリアル

手づくり感のあるグラノーラやミューズリーは、健康志向の消費者に人気のカテゴリです。オーガニック素材、スーパーフード、地域の農産物などを組み合わせたオリジナルレシピのグラノーラは、OEM製造との相性が良いです。

小規模生産でクラフト感を保つOEM製造のポイント

最小ロットの交渉

クラフト食品の命はロットの小ささです。大量生産すると「クラフト感」が薄れてしまいますし、在庫リスクも高まります。OEM工場との交渉では、最小ロットを可能な限り小さくすることを目指しましょう。

一般的に、中小規模の食品工場は大手よりも小ロット対応に柔軟です。最小ロット300〜500個から受けてくれる工場もあります。ただし、小ロットになるほど1個あたりのコストは上がるため、販売価格とのバランスを見極めることが大切です。

手作業工程の組み込み

クラフト食品に「手づくり感」を持たせるために、製造工程の一部に手作業を組み込む方法があります。例えば、チョコレートの仕上げトッピングを手作業で行う、瓶詰めのラベル貼りを手貼りにする、個包装の封入を人の手で行うなど、機械化できる部分とあえて手作業にする部分を切り分けます。

このアプローチは製造コストが上がりますが、「ひとつひとつ手作業で」というストーリーは消費者に響きます。クラフト食品では、効率よりも丁寧さが価値になるのです。

オリジナルレシピの保護

クラフト食品の核心はオリジナルレシピにあります。OEM工場にレシピを開示する際は、秘密保持契約(NDA)を必ず締結しましょう。また、レシピの全体像を1つの工場に開示するのではなく、一部の工程を自社で行うことでレシピの流出リスクを下げる方法もあります。

クラフト食品OEMの製造パートナーの見つけ方

小規模・手作り対応の工場を探す

foodoem.jpなどのマッチングサービスでは、「小ロット対応」をフィルターに絞り込むことができます。大手工場よりも、地域密着型の中小工場やシェアキッチン併設型の施設が、クラフト食品OEMには向いている傾向があります。

共同キッチン・シェアファクトリーの活用

最近は、食品製造の設備を時間単位で借りられる共同キッチンやシェアファクトリーが増えています。自分たちで製造作業を行いつつ、設備は共有するというモデルです。厳密にはOEMではありませんが、初期投資を抑えてクラフト食品を製造する手段として有効です。

その後、販売量が増えてきたタイミングでOEM工場に移行するという段階的なアプローチも検討に値します。

職人気質の工場との直接コンタクト

クラフト食品OEMでは、工場の「作り手としての姿勢」が重要です。味へのこだわり、素材選びのセンス、丁寧な製造姿勢など、数字に表れない部分での相性が大きく影響します。展示会やSNSで気になる工場を見つけたら、直接コンタクトを取ってみましょう。

クラフト食品OEMの販路戦略

EC・D2C販売

クラフト食品は、ブランドのストーリーを直接消費者に伝えられるEC(D2C)販売と相性が抜群です。自社ECサイト、Shopify、BASE、STORESなどのプラットフォームを活用し、SNSと連動したマーケティングで顧客を獲得します。

セレクトショップ・専門店への卸売

感度の高い消費者が集まるセレクトショップやこだわりの食料品店は、クラフト食品の販路として有力です。商品のストーリーやデザインに共感してもらえれば、棚を確保しやすいのがこのチャネルの特徴です。

マルシェ・ポップアップ出店

ファーマーズマーケットや食のイベントへの出店は、直接消費者の反応を見られる貴重な機会です。小ロットで製造したクラフト食品をマルシェで販売し、フィードバックを得てから本格展開するアプローチは、リスクを抑えた市場テストとして有効です。

クラフト食品OEMの費用感

クラフト食品のOEM費用は、通常の食品OEMよりも1個あたりのコストが高くなる傾向にあります。小ロットであること、手作業工程が入ること、こだわりの原材料を使うことが主な要因です。

クラフトチョコレートの場合、50g程度のタブレット1枚あたりの製造原価は200〜500円程度。クラフト調味料は1本(200ml程度)あたり150〜400円程度。クラフト飲料は1本(250ml程度)あたり100〜300円程度が目安です。

これに包装資材費、デザイン費、物流費を加えた上で、小売価格を設定します。クラフト食品は価格弾力性が低い(多少高くても買ってもらえる)カテゴリなので、適正な利益を確保できる価格設定を心がけましょう。

まとめ:クラフト食品OEMは「小さく始めて、大きく育てる」

クラフト食品OEMの魅力は、小さな規模から独自ブランドの商品を世に出せることです。手づくり感と個性を大切にしながら、信頼できる製造パートナーと組むことで、品質の高いクラフト食品を効率的に生産できます。

クラフト食品OEMに興味がある方は、foodoem.jpで小ロット対応の製造パートナーを探してみてください。

よくある質問

Q1: OEMで作った商品を「手づくり」と表示しても問題ないですか?

A1: 「手づくり」表示には注意が必要です。完全に機械化された製造ラインで作った商品に「手づくり」と表示すると、景品表示法上の優良誤認に該当する可能性があります。製造工程の一部に手作業が含まれている場合は、具体的にどの工程が手作業かを説明できるようにしておきましょう。

Q2: クラフト食品OEMの最小ロットはどのくらいですか?

A2: 商品カテゴリと工場によって異なりますが、調味料であれば300〜500本、菓子類は500〜1,000個、飲料は1,000〜2,000本程度から対応してくれるケースがあります。シェアキッチンを利用する場合は、さらに小さなロットで製造することも可能です。

Q3: クラフト食品のOEM製造でオーガニック認証は取得できますか?

A3: OEM工場が有機JAS認証を取得している場合は、その工場で製造した商品に「有機」「オーガニック」の表示をつけることが可能です。認証取得には審査と費用がかかるため、最初からオーガニック認証を持つ工場を選ぶのが効率的です。認証を持つ工場はまだ限られているため、早めに候補先をリストアップしておきましょう。

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この記事を書いた人

株式会社Agriture 代表取締役/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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