食品OEMで海外輸出を目指す方法と認証取得
日本の食品OEM商品を海外に輸出するチャンス
「Made in Japan」の食品は、海外市場で高い評価を受けています。日本食ブームは世界的に定着し、海外の日本食レストランの数は2013年の約5.5万店から2023年には約18.7万店に増加しました。レストランだけでなく、現地のスーパーやECサイトでも日本の食品に対する需要は拡大しています。
この流れを受けて、OEM商品を海外に輸出したいと考える企業が増えています。自社ブランドの食品を海外展開するハードルは高そうに見えますが、OEMの仕組みを活用すれば、製造設備を持たない企業でも海外向け商品を開発・販売できます。
ただし、食品の海外輸出には国内販売とは異なるハードルがいくつかあります。輸出先の規制対応、認証取得、パッケージの多言語対応、物流の構築など、事前に準備すべきことを整理していきましょう。
輸出先の規制調査が最初のステップ
国ごとに異なる食品規制
食品の輸入規制は国によって大きく異なります。使用可能な添加物、残留農薬の基準値、アレルゲン表示のルール、栄養成分表示の形式など、日本国内のルールとは別の基準を満たす必要があります。
例えば、米国向けにはFDA(米国食品医薬品局)の基準を満たす必要があり、EU向けにはEUの食品安全規制に準拠しなければなりません。東南アジア各国もそれぞれの規制があり、一律のアプローチでは対応できません。
JETROの活用
JETRO(日本貿易振興機構)は、各国の食品輸入規制に関する情報提供を行っています。国別の規制概要、必要な書類、手続きの流れなどをまとめた資料を公開しており、輸出検討の初期段階で非常に役立ちます。
JETROの海外事務所では、現地の規制に精通したスタッフが相談に応じてくれるケースもあります。無料の相談サービスも用意されているため、積極的に活用しましょう。
海外輸出に必要な主な認証
HACCP認証
HACCP(危害分析重要管理点)は、国際的に認められた食品安全管理の手法です。多くの国で食品の輸入条件としてHACCP対応が求められます。日本国内でも2021年からHACCPに沿った衛生管理が義務化されていますが、海外向けにはより厳格な認証(ISO 22000やFSSC 22000など)が求められるケースがあります。
OEM工場を選ぶ際は、どのレベルのHACCP認証を取得しているかを確認してください。ISO 22000やFSSC 22000を取得している工場であれば、主要な輸出先への対応がスムーズです。
ハラール認証
イスラム圏への輸出や、イスラム教徒の多いマレーシア、インドネシアなどへの展開を考える場合、ハラール認証の取得が事実上必須です。ハラール認証は、原材料の段階から製造工程、保管、輸送に至るまで、イスラム法に適合していることを証明するものです。
日本国内にもハラール認証機関は複数ありますが、輸出先国が認める認証機関で取得する必要があります。マレーシアのJAKIM、インドネシアのBPJPHなど、各国の公認機関が発行する認証が求められるケースもあるため、輸出先を決めてから認証戦略を立てましょう。
コーシャ認証
北米やイスラエルへの輸出、またはユダヤ人コミュニティ向けの商品では、コーシャ認証が販売促進に有効です。コーシャはユダヤ教の食事規定に基づく認証で、健康意識の高い非ユダヤ教徒の消費者にもアピールできるため、マーケティング上のメリットもあります。
オーガニック認証
有機食品を輸出する場合、輸出先の国のオーガニック認証を取得する必要があります。米国向けにはUSDA Organic、EU向けにはEU Organic、中国向けには中国有機認証が求められます。日本の有機JASと相互認証が結ばれている国もあるため、対象国を確認しておきましょう。
海外向けパッケージ対応のポイント
多言語表示の設計
輸出先の公用語での食品表示が必要です。英語はもちろん、中国語(簡体字・繁体字)、韓国語、タイ語、アラビア語など、ターゲット市場に合わせた言語対応が求められます。
パッケージデザインの段階から多言語表示のスペースを確保しておくことが重要です。後から表示を追加しようとすると、デザインのバランスが崩れたり、法定表示のスペースが足りなくなったりします。
現地の表示規制への対応
栄養成分表示の形式は国によって異なります。例えば、米国向けには「Nutrition Facts」パネルの形式で表示する必要があり、EU向けには「Nutritional Declaration」の形式が求められます。カロリーの単位(kcalとkJ)、表示する栄養素の項目、1食あたりの量の定義なども国ごとに異なります。
バーコード・JAN/EAN/UPCの対応
海外で流通させるためには、輸出先で使われているバーコード体系に対応する必要があります。米国・カナダ向けにはUPCコード、その他の国向けにはEANコード(日本のJANコードと互換)が一般的です。
海外輸出の物流設計
輸送手段の選択
食品の海外輸送は、船便と航空便の2つが基本です。常温品であれば船便が一般的で、コストを抑えられます。ただし、アジア圏でも1〜2週間、欧米向けでは3〜4週間程度のリードタイムがかかります。
冷蔵・冷凍品は、リーファーコンテナ(温度管理可能なコンテナ)を使った船便、または航空便での輸送となります。コストは大幅に上がりますが、高付加価値商品であれば十分にペイできるケースもあります。
賞味期限の設計
輸出品は輸送に時間がかかるため、国内販売品よりも長い賞味期限が求められます。目安として、輸送期間の3倍以上の賞味期限を確保しておくのが望ましいです。レトルト食品や缶詰、乾燥食品など、長期保存が可能な商品形態を選ぶのも一つの戦略です。
通関手続きと書類準備
食品を輸出する際には、輸出申告書、原産地証明書、衛生証明書(必要な場合)、成分分析書などの書類が必要です。通関手続きに不慣れな場合は、通関業者(フォワーダー)に依頼するのが安全です。
海外展開の販路開拓
海外バイヤーとの商談機会
国内で開催される食品展示会(FOODEX JAPANなど)には、海外バイヤーも多数来場します。海外向けの商品を持って出展し、バイヤーとの商談機会を作りましょう。JETROが主催するバイヤー招聘事業やオンライン商談会も活用できます。
越境EC
実店舗での販売をスキップして、越境ECから海外展開を始めるアプローチも有効です。Amazon.com、Tmall Global(天猫国際)、Shopee、Lazadaなどのプラットフォームを活用すれば、比較的低リスクで海外市場のテストマーケティングが可能です。
まとめ:食品OEM×海外輸出は準備が9割
食品OEM商品の海外輸出は、正しい準備と計画があれば十分に実現可能です。規制調査、認証取得、パッケージ対応、物流設計の各ステップを着実に進めることが成功の条件です。
海外展開を見据えた食品OEMの製造パートナーをお探しの方は、foodoem.jpで輸出対応可能な工場を検索してみてください。
よくある質問
Q1: 食品輸出にはどのくらいの準備期間が必要ですか?
A1: 輸出先の規制調査から初回出荷までに、少なくとも6ヶ月〜1年程度の準備期間を見込んでおくのが現実的です。認証取得に時間がかかるケース(ハラール認証で3〜6ヶ月など)もあるため、早めに動き始めることが重要です。
Q2: 小ロットでも海外輸出は可能ですか?
A2: 可能ですが、輸送コストの効率を考えると一定のロットが望ましいです。船便の場合、最小単位はパレット単位が一般的で、コンテナ1本分(20フィートコンテナで約10トン)を埋めるのが理想です。越境ECで個別配送する場合は、国際宅配便(EMS、DHL、FedExなど)でも対応可能です。
Q3: 補助金や助成金を活用して輸出コストを抑えられますか?
A3: はい、いくつかの制度が利用可能です。JETROの「新輸出大国コンソーシアム」は無料で輸出支援を受けられるプログラムです。また、中小企業庁の補助金や各都道府県の産業振興助成金でも、海外展開に使える制度があります。条件や申請時期は年度によって異なるため、定期的に情報をチェックしましょう。


