食品OEMの食品表示法基礎|ラベル作成の必須事項
食品OEMでなぜ食品表示が重要なのか
食品OEMで商品を開発する際、多くの担当者が味や原材料にこだわる一方で、食品表示の準備を後回しにしがちです。しかし、食品表示は法律で定められた義務であり、不備があれば回収騒動や行政処分につながるリスクがあります。
食品表示法は2015年に施行され、それまでJAS法、食品衛生法、健康増進法にまたがっていた表示ルールを一元化した法律です。すべての加工食品に適用され、OEM商品も例外ではありません。
特にOEM商品の場合、「表示責任者は誰か」「製造者と販売者の関係をどう表記するか」など、通常の自社製造品にはない表示上の論点が発生します。こうした点を正確に理解しておくことが、トラブル防止の第一歩です。
食品表示ラベルに必須の記載項目
加工食品の表示ラベルには、以下の項目を記載する義務があります。
名称
商品の内容を適切に表す一般的な名称を記載します。「チョコレートケーキ」「ポテトチップス」など、その食品がどのようなものかが分かる名称です。商品名(ブランド名)ではなく、一般的な名称を使う点に注意してください。
原材料名
使用しているすべての原材料を、重量の多い順に記載します。食品添加物とそれ以外の原材料は、スラッシュ(/)や改行で区別して表記します。複合原材料(調味料など)は、その構成原材料も記載するのが原則です。ただし、全体に占める割合が5%未満の複合原材料は「その他」とまとめることもできます。
内容量
g、kg、ml、L、個数など、適切な単位で内容量を記載します。固形量と液汁が混在する場合は、固形量の表記も求められるケースがあります。
消費期限または賞味期限
品質劣化が早い食品は「消費期限」、比較的長期保存できる食品は「賞味期限」を記載します。年月日での表記が基本ですが、賞味期限が3ヶ月を超える場合は年月のみの表記も可能です。
保存方法
「直射日光を避け、常温で保存」「10℃以下で保存」など、具体的な保存条件を記載します。常温保存の場合でも、保存方法の表示は省略できないのが原則です。
製造者・販売者の表示
OEM商品特有の注意点がこの項目です。表示方法は主に3つのパターンがあります。
1つ目は「製造者」として工場の名称と住所を記載するパターン。2つ目は「販売者」として自社(発注元)の名称・住所を記載し、製造所固有記号を付記するパターン。3つ目は「販売者」と「製造所」の両方を記載するパターンです。
製造所固有記号を使用する場合は、あらかじめ消費者庁のデータベースに届け出が必要です。2つ以上の製造所で同一商品を製造する場合に限って使用でき、1つの工場のみで製造する場合は原則として製造所固有記号は使えません。
アレルゲン表示のルール
アレルゲン表示は、消費者の健康に直結する極めて重要な項目です。
表示義務のある特定原材料(8品目)
えび、かに、くるみ、小麦、そば、卵、乳、落花生の8品目は、表示が法律で義務づけられています。2025年4月からくるみが義務表示に加わったため、従来の7品目から8品目に変更されています。
これらの原材料を使用している場合はもちろん、製造過程でのコンタミネーション(交差接触)の可能性がある場合も、注意喚起表示を検討する必要があります。
表示推奨の特定原材料に準ずるもの(20品目)
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、カシューナッツ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンの20品目は、表示が推奨されています。法的義務ではありませんが、消費者の安全のために積極的に表示することが望ましいです。
表示方法
アレルゲンの表示方法には、個別表示と一括表示の2種類があります。個別表示は各原材料名の後ろに括弧書きでアレルゲンを記載する方法、一括表示は原材料名の最後にまとめて記載する方法です。どちらの方法を採用するかは商品ごとに判断しますが、消費者にとって分かりやすい表示を心がけましょう。
栄養成分表示の義務化
2020年4月から、すべての加工食品に栄養成分表示が義務化されています。
必須の表示項目
熱量(カロリー)、タンパク質、脂質、炭水化物、食塩相当量の5項目は、この順番で表示する必要があります。表示値は、分析値か計算値(原材料の成分値からの計算)のいずれかで算出します。
任意の表示項目
飽和脂肪酸、食物繊維、糖質、糖類、ビタミン、ミネラルなどは任意で表示できます。低糖質食品や高タンパク食品など、特定の栄養素を訴求したい場合は、任意表示を活用して商品の強みをアピールしましょう。
強調表示のルール
「高タンパク」「低脂肪」「カルシウムたっぷり」などの強調表示を行う場合は、食品表示基準で定められた基準値を満たす必要があります。「高い旨」「含む旨」「低い旨」「含まない旨」など、表現の種類によって基準値が異なるため、正確に確認してから表示に盛り込みましょう。
原料原産地表示の義務
2022年4月から、すべての加工食品で原料原産地表示が完全義務化されました。重量割合が最も高い原材料の原産地を表示する必要があります。
表示の方法
原則として「国名」で表示します。国産の場合は「国産」、輸入品の場合は「○○産」(国名)と記載します。複数の原産地から調達している場合は、重量割合の高い順に国名を記載するか、「○○産又は○○産」と表記します。
OEM商品での注意点
原料原産地は、原料の調達先によって変わる可能性があります。OEM製造の場合、工場が使用する原材料の原産地を正確に把握し、表示に反映させる体制を整えておくことが重要です。原材料の切り替えが発生した場合の表示変更の手順も、事前に取り決めておきましょう。
OEM商品の表示作成で失敗しないためのポイント
表示責任者を明確にする
OEM商品の食品表示に関する最終責任は、ラベルに「販売者」として名称を記載する企業が負います。工場(製造者)が表示案を作成してくれるケースもありますが、最終確認と責任は発注元にあることを忘れないでください。
専門家のチェックを受ける
食品表示は法改正が頻繁に行われる分野です。自社だけで判断せず、食品表示の専門家(食品表示検定上級資格保有者など)や、都道府県の食品衛生担当部署に相談することを強くおすすめします。
表示のダブルチェック体制を構築する
印刷前に必ず複数人でチェックを行いましょう。特にアレルゲン表示の漏れは健康被害に直結するため、チェックリストを用意して確認することが重要です。工場側と発注元側で、それぞれチェックを行うダブルチェック体制が理想的です。
パッケージ変更時のリスク管理
パッケージリニューアルの際は、デザインの変更に気を取られて表示内容に不備が生じるケースがあります。デザイン変更と表示内容の確認は別のプロセスとして管理し、必ず最新の法令に基づいた表示になっているかを確認しましょう。
まとめ:食品表示はOEM成功の基盤
食品表示は地味な作業に見えますが、OEM商品の信頼性と法令遵守を支える基盤です。表示の不備による回収やリコールは、ブランドに大きなダメージを与えます。逆に、正確で分かりやすい表示は消費者からの信頼につながります。
食品OEMを始める際は、商品企画と並行して表示の準備を進めましょう。foodoem.jpでは、表示対応に強い製造パートナーも見つけることができます。
よくある質問
Q1: OEM商品で「製造所固有記号」を使うメリットは何ですか?
A1: 製造所固有記号を使うことで、ラベル上に工場の名称・住所を直接記載する必要がなくなり、販売者名のみを表示できます。これにより、自社ブランドの商品としてのイメージを保ちやすくなります。ただし、消費者庁への届出が必要で、2つ以上の工場で製造する場合にのみ使用可能です。
Q2: 食品表示の不備が見つかった場合、どのような罰則がありますか?
A2: 食品表示法に違反した場合、指示→命令→罰則の段階的な措置が取られます。命令に従わない場合は、個人で1年以下の懲役または100万円以下の罰金、法人で1億円以下の罰金が科される可能性があります。アレルゲン表示の欠落など安全性に関わる場合は、自主回収の公表が求められることもあります。
Q3: 食品表示のチェックを外部に依頼することはできますか?
A3: はい、食品表示の専門コンサルタントや検査機関に依頼できます。費用は1商品あたり1〜5万円程度が相場です。また、各都道府県の食品衛生担当部署や消費者庁の相談窓口では、無料で表示の相談に応じてもらえる場合もあります。


