プロテインや低糖質といった機能性志向に加え、サステナブル・オーガニック・ギフト需要の高まりにより、「オリジナルのナッツ商品を開発したい」という企業が急増しています。とはいえ、油脂の酸化、異物混入リスク、アレルゲン対応、焙煎バリエーションなど、ナッツには独自の難しさもあります。
そこで力を発揮するのが、専門のOEMメーカー。本記事では、ナッツOEMの基礎知識から、実務レベルの開発ノウハウ、費用感、信頼できるメーカー選びまでを網羅的に解説します。
ナッツOEMとは?
ナッツOEMとは、アーモンド・カシューナッツ・くるみなどの加工品を、他社に製造委託して“自社ブランド”として販売する仕組みです。
ナッツOEMとは、アーモンド・カシューナッツ・ピスタチオ・くるみなどを使った製品を、OEMメーカーに製造委託し、自社ブランドとして販売するビジネスモデルです。対応可能な商品ジャンルは以下の通りです:
- 無塩・有塩のローストナッツ(単品/ミックス)
- フレーバーナッツ(キャラメル・スモーク・チーズ・カレーなど)
- プロテイン配合ナッツバー/グラノーラミックス
- ドライフルーツ入りナッツミックス、贅沢系ギフト商品
- ナッツペースト(アーモンドバター・ピーナッツバター)
特に近年は、「ヘルシー」「おしゃれ」「物語がある」の三拍子が揃ったナッツ商品がSNSやサブスクモデルと相性が良く、OEMによって短期間での市場投入が可能です。
ナッツOEMのメリット・デメリット
ナッツOEMは、ブランド開発の近道ですが、落とし穴もあります。ここでは、実務的な視点からメリットと注意点を整理します。
メリット|専門性の高い製造を、スピーディにアウトソースできる
- 原料調達から加工、包装まで一貫対応が可能
- ロースト、粒サイズ、フレーバーなど自由設計できる
- 植物性/無添加/オーガニックなどの訴求にも柔軟に対応
- ギフト、カフェ販売、D2Cモデルなど幅広い販路に最適化できる
デメリット|商品力を引き出すには“設計力”がカギ
- 原料価格が変動しやすく、都度見積もりが必要
- 小ロットでは単価が高くなりやすい
- 試作工程では味の微調整や食感フィードバックが不可欠
- アレルゲンや油脂酸化など、安全面での細やかな管理が必要
依頼の流れ
OEM依頼って難しい?いえ、流れを押さえておけばスムーズです。費用の目安とともに、依頼のステップをご紹介します。
- コンセプト・ターゲット層の共有
- ナッツ種類・味付け・パッケージの選定と提案
- 試作(味/焼き加減/ミックス内容)
- 見積もり確定・製造契約
- 製造・納品
費用の目安
- 試作費用:5,000円〜30,000円程度(複数パターン可)
- 最小ロット:10〜100kg前後(または300袋~)
- 製造単価:30円〜200円/袋(内容量・包装・味付けによる)
- 納期目安:初回相談〜納品まで1~2ヶ月程度
ナッツOEMメーカーの選び方
すべてのOEMメーカーが“ナッツに強い”とは限りません。ここでは、ナッツOEMで注目すべきチェックポイントを解説します。
- 原料調達力(産地、品種、有機JAS、無添加対応)
- 味付け技術(スパイス系、甘味系、発酵系などトレンド適応力)
- 包装対応力(個包装、チャック袋、化粧箱など用途別)
- 安全管理(異物除去、酸化対策、アレルゲン対応)
- 小ロット対応の柔軟性と提案力
おすすめのナッツOEMメーカー3選
「結局どのメーカーに頼めばいい?」に答えるために、信頼性・柔軟性・実績のあるナッツOEMメーカーを厳選しました
アルファフードスタッフ株式会社(愛知県)
ナッツ・ドライフルーツなど自然素材に強みを持つ原料商社型メーカー。袋詰、ギフト、グラノーラミックス、PB開発など幅広い分野でオーガニックOEMに対応。
- 原料の社内在庫が豊富で、安定供給が可能
- オーガニック素材を使ったオリジナル商品提案が得意
- ドライフルーツ・雑穀との組み合わせ商品も相談可
- 袋詰から商品企画まで一気通貫で対応
株式会社食養の杜とやま(富山県)
大豆・福豆・きなこ豆などの豆菓子を中心に製造するOEMメーカー。ナッツ菓子も含め、10g単位の小容量パックやギフト対応などに対応。
- 10g〜の個包装が可能で、試食・ノベルティ・小売用に最適
- 小ロット対応可能(サンプル段階からの柔軟対応)
- 大豆/豆類+ナッツのコンビ商品などにも強みあり
株式会社沖縄パイオニアフーズ(沖縄県)
ナッツ菓子、おつまみ、クランチ系、米菓とのミックス製品など、バリエーションの広さが特長。PB・OEMの経験も豊富で、県外案件にも多数対応中。
- ナッツ+穀物系のクラスタイプやクランチ製品も相談可
- 小ロット〜大ロットまで柔軟に対応
- 沖縄素材との組み合わせや“地域色ある商品”にも適性あり
失敗しないポイント
ナッツOEMで“儲からない商品”を作ってしまわないために。押さえておくべき実践的なポイントを解説します。
- 初回はテスト販売前提で、小ロットから始める
- 顧客の使用シーン(朝食・ギフト・間食など)を想定して設計する
- ブランドコンセプトに合う味・包装・価格設定にする
- トレンド素材(プロテイン・発酵・乳酸菌入りなど)を検討する
- 衛生管理・賞味期限・酸化対策まで事前に詰める
ナッツOEMはブランドの“体温”を伝える商品づくりの近道
ナッツは素材の持つ力で、人の心を動かせる食品です。味や見た目、香りで“記憶に残るブランド”を作りたい方にとって、ナッツOEMは強力な選択肢です。OEMメーカーの力を借りながら、コンセプトに沿ったストーリーある商品を形にしていきましょう。