ShopeeとLazadaで食品OEMを売る5ステップ

「食品OEMを海外でも売りたい」と考えたとき、多くの担当者が最初に感じるのは「どこから手をつければいいかわからない」という感覚ではないでしょうか。

現地法人の設立、バイヤーとの商談、輸入許可の取得――ハードルを並べるとキリがない。でも、越境ECならそのハードルをぐっと下げて始められます。この記事では、ShopeeとLazadaを使った食品OEM商品の海外販売を、実務担当者が迷わないよう5つのステップで解説します。

目次

この記事でわかること

  • ShopeeとLazadaの違いと食品OEMに合った選び方
  • 出店手続きと必要書類の全体像
  • 各国の食品輸入規制への対応方法
  • 配送オプション(直送 vs 現地倉庫)の使い分け
  • ショッピングフェスティバルを活用した集客戦略

なぜ今、食品OEMに越境ECが有効なのか

数年前まで食品の越境EC出店は「大手がやるもの」でした。しかし状況は変わりました。東南アジアのEC市場は2023年時点で約1,000億ドル規模に達しており、2028年には2,000億ドルを超えると予測されています。

実店舗出店との比較

現地に実店舗を出すとなると、賃料・内装・スタッフ採用で最低でも数千万円の初期投資が必要です。一方、越境ECは初期コストをその1/10以下に抑えられるケースが多い。リスクを最小化しながらマーケットを試せるのが、越境ECの最大の強みです。

比較項目 実店舗出店 越境EC
初期投資 数千万円〜 数十万円〜
現地スタッフ 必要 不要(最小限)
市場テスト 難しい しやすい
撤退コスト 高い 低い

東南アジア6カ国の食品需要

タイ・マレーシア・シンガポール・フィリピン・インドネシア・ベトナムは、いずれも日本食品への関心が高い市場です。「健康志向」「プレミアム感」「日本ブランドへの信頼」という3つの要素が購買動機になりやすく、食品OEM商品との相性は高い。担当者としては、この追い風を活かさない手はありません。

ShopeeとLazadaの違いと選び方

まず押さえておきたいのが、この2プラットフォームの特性の違いです。どちらも東南アジア最大級のECモールですが、ターゲット層や強みが異なります。

項目 Shopee Lazada
月間アクティブユーザー 約8,700万人 約5,700万人
主要市場 タイ・台湾・フィリピン マレーシア・シンガポール
価格帯イメージ 中〜低価格 中〜高価格
日本ブランド対応 Japan Mall あり LazMall あり
出店難易度 比較的容易 審査あり・やや厳格
手数料 カテゴリにより1〜5% カテゴリにより2〜5%

食品OEMにはどちらが向いているか

価格を抑えたPBブランドならShopeeで広くリーチする戦略が取りやすい。プレミアム路線・機能性食品などブランド価値を訴求したい場合は、LazadaのLazMallが適しています。

両方に出店している企業も多く、まずShopeeでテスト販売して市場反応を確認し、Lazadaに展開するという順番が定石です。

出店手続き:アカウント開設から商品登録まで

ここからが実務の核心です。全体の流れを整理すると、次の5ステップになります。

ステップ 内容 目安期間
1. アカウント開設 セラー登録・KYC審査 1〜2週間
2. 輸入規制確認 販売国の食品規制・成分表示確認 2〜4週間
3. 商品登録 商品ページ作成・多言語対応 1〜2週間
4. 配送設定 直送 or 現地倉庫の選択・物流契約 2〜3週間
5. 決済・サポート 受け取り設定・CSフロー構築 1週間

アカウント開設で必要な書類

ShopeeもLazadaも、法人での出店には以下の書類が必要です。書類の不備があると差し戻しになるため、英語翻訳は専門家に依頼するのが無難です。

  • 法人登記証明書(英語翻訳版)
  • 代表者のパスポートまたは身分証明書
  • 銀行口座情報(日本の口座でも可)
  • 事業概要・取扱商品の説明資料

食品輸入規制への対応

ここが食品OEMで最も注意が必要なポイントです。各国の規制は次のように異なります。

主管機関 主な注意点
タイ FDA Thailand ハラル認証が購買に有利
マレーシア MOH(FSQD) ハラル認証がほぼ必須
シンガポール SFA 規制は緩いが書類は厳格
フィリピン FDA Philippines 登録に3〜6ヶ月かかることも
インドネシア BPOM イスラム法に基づく規制あり
ベトナム VFA(食品安全局) 輸入ライセンス取得が必要

最初から全6カ国を攻めようとすると、規制対応だけで疲弊します。まずシンガポール・タイの2カ国に絞るのが現実的な進め方です。

配送・決済・カスタマーサポートの実務

出店後の運営で差がつくのが、この3つの実務対応です。見落としがちですが、売上の安定に直結する部分です。

直送 vs 現地倉庫保管の選び方

比較軸 直送(日本から発送) 現地倉庫保管
初期コスト 低い 高い(倉庫費用・初期在庫)
配送日数 5〜10日 1〜3日
返品対応 難しい 対応しやすい
向いているケース 月販100個以下 月販500個以上

売上が月100個を超えてきたら、現地倉庫への切り替えを検討するタイミングです。配送スピードは購入率に直結します。

決済と通貨換算

ShopeeもLazadaも、売上金は現地通貨で精算されます。日本円に換算する際の手数料が2〜3%かかることを見込んでおきましょう。Payoneerなどの国際決済サービスを経由すると、手数料を抑えられる場合があります。

カスタマーサポートの言語対応

英語対応は最低限必要です。現地語(タイ語・ベトナム語など)で対応できると評価が大きく上がります。最初はAIチャットと定型フレーズ集で乗り切る企業が多く、ShopeeもLazadaもQ&A機能があるので、FAQを充実させておくだけで対応工数をかなり減らせます。

プロモーション戦略:ショッピングフェスティバルを攻略する

越境ECで売上を伸ばすうえで、ショッピングフェスティバルは外せません。このタイミングに合わせて仕掛けることで、通常の3〜5倍の売上になることもあります。

主要ショッピングイベントカレンダー

イベント名 時期 特徴
3.3セール 3月 年始め最大のセール
6.6ミッドイヤー 6月 中間期の大型セール
9.9スーパーショッピング 9月 年間最大級のひとつ
11.11独身の日 11月 最大イベント、競争激化
12.12クリスマス 12月 年末の締めくくり

11.11は競争が最も激しいため、初年度は9.9か6.6を狙うほうが成果を出しやすいです。

初期集客の現実的な戦略

フェスティバルだけに頼るのはリスクがあります。普段からやっておきたいのが次の3つです。

  • レビュー獲得: 最初の20〜30件が転換率を大きく左右する
  • 広告運用: Shopee Ads・Lazada Sponsoredを月3〜5万円から試す
  • フォロワー獲得: クーポン配布でショップフォロワーを増やす

まとめ:食品OEMの越境ECは「小さく始める」が正解

Shopee・Lazadaへの出店は、難しそうに見えて手順を踏めば着実に進められます。ここまでの内容を整理すると、次の4ステップになります。

  1. まずシンガポール・タイの2カ国に絞って出店を検討する
  2. Shopeeでテスト販売し、反応が出たらLazadaに展開
  3. 月販100個を超えたら現地倉庫への切り替えを検討
  4. ショッピングフェスティバルに合わせてプロモーションを仕掛ける

「最初から完璧に」ではなく「まず出店してみる」ほうが、結果的に早く成果につながります。スモールスタートで仮説を検証しながら、着実に販路を広げていきましょう。

食品OEMの海外展開について相談したい方は、食品OEM窓口までお気軽にご連絡ください。

よくある質問

Q1: 食品OEM商品をShopeeで販売するのに、現地法人は必要ですか?

A1: 基本的に不要です。日本の法人名義でセラーアカウントを開設できます。ただし、販売する国によっては輸入許可や登録番号が必要になります。特にインドネシアとフィリピンは事前確認が必須ですよ。

Q2: 食品の賞味期限管理はどうすればよいですか?

A2: 販売ページに賞味期限の目安を明記するのが基本です。現地倉庫保管を使う場合は在庫の回転速度を管理し、期限切れリスクを最小化する仕組みが必要です。直送であれば個別管理しやすいですが、配送日数を賞味期限から逆算した在庫計画が大切です。

Q3: ShopeeとLazadaに同じ商品を重複出品しても問題ないですか?

A3: 問題ありません。むしろ両プラットフォームに出品するのは一般的な戦略です。ただし、価格やプロモーション内容はプラットフォームのルールに従って設定する必要があります。価格差をつける場合も、規約違反にならないか確認しましょう。

Q4: 商品説明文は日本語でも問題ありませんか?

A4: 英語は必須です。ターゲット国の現地語(タイ語・マレー語など)があれば転換率が大幅に上がります。翻訳コストが心配なら、まず英語で出品し、売上が出始めたら現地語に対応する段階的アプローチが現実的です。

Q5: 出店から最初の売上が出るまで、どれくらいかかりますか?

A5: 早ければ出店から2〜4週間で初注文が入ることもありますが、安定した売上になるまでは3〜6ヶ月は見ておくのが現実的です。レビューが蓄積されて検索順位が上がるにつれて売上は伸びていきます。ショッピングフェスティバルに出品タイミングを合わせると、早期に実績を作りやすいですよ。

Q6: ハラル認証は取得すべきですか?

A6: マレーシアとインドネシアを主要市場とするなら、ほぼ必須です。シンガポールやタイでも持っていると信頼度が上がります。認証取得には数ヶ月かかることが多いため、出店計画の初期段階から動き始めることをおすすめします。

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この記事を書いた人

株式会社Agriture 代表取締役/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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