加圧加熱殺菌(かあつかねつさっきん)とは?意味・定義・使い方をわかりやすく解説

筆者紹介

目次

読み方

かあつかねつさっきん

英語表記

Retort Sterilization / Pressure Heat Sterilization

意味・解説

加圧加熱殺菌とは、食品を高温・高圧の状態で加熱することにより、微生物や病原菌を死滅させ、保存性を高める殺菌方法のことです。代表的な例が「レトルト食品」に使われるレトルト殺菌で、121℃・数分間の加熱を加圧状態で行います。
常温保存が可能な商品を作る際によく用いられ、缶詰・レトルトパウチ・瓶詰食品などの長期保存食の製造に不可欠な工程です。

主な用途

・レトルトカレーやスープなどの常温食品製造
・瓶詰めジャムやソースなどの保存性向上
・非常食・業務用パウチ食品のOEM製造
・食品OEMにおける長期保存商品の加工工程として

ポイント解説

・内容物に応じて加圧温度・時間・pHなどの最適条件を設計する必要がある
・素材の風味や食感への影響を考慮し、試作段階での調整が重要
・高圧・高温に耐えられる専用容器や包材(レトルトパウチ等)が必要
・低酸性食品では特にボツリヌス菌対策として重要な殺菌手法
・OEMメーカー選定時に「加圧加熱殺菌設備の有無」は確認すべき項目

関連用語

・レトルト殺菌
・殺菌工程(加熱殺菌/非加熱殺菌)
・ボツリヌス菌
・食品表示(殺菌方法の記載)
・HACCP管理点

豆知識

加圧加熱殺菌(レトルト殺菌)は1874年にフランスのシャンブランによって開発され、20世紀に入ってアメリカ軍の携帯食開発をきっかけに広まりました。現在では、冷蔵・冷凍を避けたい商品や、長期保管が求められる保存食分野で広く利用されています。日本ではレトルト食品の普及とともに設備導入が進み、OEM対応工場でも導入している企業は増加傾向にあります。

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