スープOEM|ロングセラーもヒット商品も実現できる!開発成功のポイントとおすすめ3社

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目次

「飲むだけで満たされる」「食事の主役になる」「ギフトにもできる」
スープは、いま“第4の主食”として注目されるほど、可能性のある食品カテゴリです。とくにレトルト・冷凍・チルドといった保存形態の多様化、D2Cやギフト需要の拡大により、スープOEMで自社ブランドを展開する企業が増えています。

この記事では、スープOEMの基礎から、「実際に売れる商品にするための設計ポイント」、そして小ロット・高品質対応のおすすめメーカー3社まで、実践的にまとめました。

スープOEMとは?|“レシピだけ”で商品化できる時代

スープOEMとは、自社で製造設備を持たずに、スープの製造を外部企業(OEMメーカー)に委託する仕組みです。食材の調達、加熱・殺菌、レトルト処理、充填、パッケージング、表示設計まで一括して任せられるため、商品開発〜販売に専念できます。

現在のOEMでは、以下のようなバリエーションにも対応できます:

  • 常温:レトルト処理されたスープ(賞味期限1年〜)
  • 冷蔵:風味や食感重視の高級志向商品
  • 冷凍:大容量、具だくさん系、業務用対応向き

保存形態やターゲット市場に合わせてOEM先を選ぶことが、成功への第一歩です。

スープOEMのメリット・デメリット

メリット

  • 少人数・無設備でもブランド商品がつくれる:自社にキッチンや充填機がなくても、1から商品を展開できます。
  • 機能性・地域食材・健康訴求にも対応しやすい:「〇〇農園の野菜を使いたい」「グルテンフリーで開発したい」など、独自性のある要望に応えてくれるメーカーが増えています。
  • D2C・ギフト・海外など販路に合わせた設計が可能:瓶詰め、スタンドパウチ、化粧箱入りなど、売り方に合わせた仕様で対応できます。

デメリット

  • 最低ロットの壁(1000〜3000食):小ロットに対応するメーカーを選ばないと、初回在庫負担が大きくなりがちです。
  • 加熱処理による味の変化:試作品と本製造で「再現性が違う」と感じる原因の多くがこれです。事前確認が重要です。
  • 表示ルール・アレルゲン対応の知識が必要:食品表示法・HACCP対応・アレルゲン表示などはOEM先とすり合わせをしながら進める必要があります。

依頼の流れ|スープOEMで失敗しない5ステップ

  1. 商品コンセプトの整理:どのようなシーン・ターゲット・価格帯で販売したいかを明確に。
  2. OEMメーカーへ相談・ヒアリング:希望内容に対応できるか、最小ロット・保存方法・容器などを確認。
  3. 試作の依頼(通常2回〜3回):レシピ再現性、加熱後の味・食感、表示内容のチェック。
  4. 製造仕様の確定と見積もり・契約:容器・賞味期限・ロット・納品形態などを詰める。
  5. 本製造→納品→販売開始:在庫や賞味期限を加味して、販路戦略も並行して立てておく。

費用の目安|初期投資はどれくらい?

  • 試作費用:2〜8万円(初回は2回程度想定)
  • 製造単価:150円〜400円/パック(200g前後)
  • パッケージ資材費:10〜50円(パウチ/瓶/シュリンク包装など)
  • 最小ロット:1000〜3000食(メーカーにより変動)
  • 初期コスト総額目安:30万〜80万円(製品仕様により上下)

※瓶詰め・特殊容器・化粧箱入りなどは資材費が高くなる傾向があります。

スープOEMメーカーの選び方

  • 保存形態(レトルト/冷凍/冷蔵)に対応しているか
  • 小ロットでも対応してくれるか(1000食〜)
  • 地域素材やアレルゲン対応など、柔軟な素材対応ができるか
  • 実績ジャンル(和風・洋風・エスニックなど)と近いか
  • 試作〜納品までのスピードとサポート体制が整っているか

おすすめのOEMメーカー3選(スープ対応)

株式会社シャトラン(島根県)

1990年設立。ソース・スープ・カレーなど、加熱調理系レトルト製品を小ロットで受託可能。地方の農産加工にも対応しており、「産地発スープ」や「観光地コラボ商品」などの開発に強みあり。味の再現性と地場素材対応を両立したOEMを希望する企業におすすめ。

  • 対応ジャンル:和風・洋風スープ、シチュー、カレー、煮込み料理など
  • 特長:
    • 小ロット(1000食前後)対応可
    • 地場素材・農産品活用のレトルト化実績あり
    • パスタソースや副菜商品も並行開発可能

株式会社エムエスエフ(東京都)

1988年設立。調味料・惣菜・レトルト・冷凍・チルド・缶詰とあらゆる食品加工形態に対応するOEM総合メーカー。液体だけでなく粉末、固形も含めたスープ設計が可能で、幅広いジャンルのOEMを一括で依頼したい企業に向いています。

  • 対応ジャンル:スープ、カレー、総菜、調味料、小袋・冷凍・缶詰など
  • 特長:
    • 液体から粉末・レトルトまで総合対応
    • PB、業務用、D2C商品の開発実績多数
    • 多品種展開・複合レシピ対応にも柔軟

泉万醸造株式会社(愛知県)

1921年創業。老舗ならではの醤油・調味料づくりのノウハウを活かし、スープ・鍋つゆ・パスタソース・レトルト惣菜を高品質で製造。業務用・通販用両方に強く、味の安定性とスケーラビリティ(大量生産)を両立できる体制が整っています。

  • 対応ジャンル:スープ、シチュー、鍋スープ、パスタソース、レトルト惣菜
  • 特長:
    • 業務用・通販向け小ロット対応可
    • 味の再現力と大量生産体制のバランスが高評価
    • EC・販促用途にも使いやすいパッケージ設計相談可

失敗しないスープOEMの5つのコツ

  1. 「味を守る=加熱後も美味しい設計」に注力する:レトルト殺菌・冷凍解凍を想定したレシピ設計が最重要。
  2. 販売チャネルに合わせたパッケージを選ぶ:瓶詰は高級感、パウチは簡便性、カップはECでの視認性が高い。
  3. 最小ロットだけでなく、“次回以降の増産”にも対応できるかチェック:試験販売から拡大フェーズまで、無理のない計画を。
  4. 表示ラベルはOEM任せにせず、必ず自社でも確認:アレルゲン・原産国・添加物など、責任は自社にある。
  5. 味・価格・保存性のトレードオフを理解する:「低塩で長期保存」「無添加で常温」は難易度が高い。優先順位を明確に。

スープOEMは“ブランドの本質”を問われる勝負商品

スープは、原価・単価・味・保存・包装、あらゆるバランスが問われる商品です。OEMを活用することで、開発負担を軽減しつつ、「味・物語・形」のある商品をつくることができます。

今回ご紹介した3社は、小ロットで対応しつつ、味の設計・素材の対応・パッケージの相談まで柔軟に応じてくれる信頼できるパートナーです。
「売れるスープ」を本気で作りたいなら、まずは1社に相談してみることをおすすめします。

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