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食品OEMに関わるコラム

PBとOEMは何が違うのか、小売がPB商品を出す前に決めること

この記事の要約
PB(プライベートブランド)は誰のブランドか、OEMは誰が作るかを指す言葉で対立しません。NBとの違いを7項目で比較し、原料で差をつける3つの型(産地指定・等級・不使用設計)、開発の7ステップ、仕様書に書く5項目(原料規格・工程規格・検査規格・ロット管理・クレーム対応)、小売がPBを持つと自社に来る食品表示と回収の責任、売価から原価の上限を逆算する手順を整理しました。西友の支持率80%基準、セイコーマートの滝上町産和ミント、京北スーパーの三ヶ月熟成本みりん、Rakuten Original、セブンプレミアムの5事例は各社公式サイトで確認しています。
食品開発の担当者

自社ブランドの商品を持ちたいのですが、PBとOEMの言葉の使い分けから分かっていません。

PB(プライベートブランド)は誰のブランドかという話、OEMは誰が作るかという話です。対立する概念ではなく、PB商品の多くはOEMで作られています。

この2つを混ぜたまま相談に行くと、話がかみ合いません。まず言葉を整理してから、開発の順番と、自社に戻ってくる責任の範囲を押さえます。

小売がPBを出すと、これまでメーカーが負っていた責任の一部が自社に移ります。ここが一番見落とされる点です。

この記事では、PBとNBの違い、PBとOEMの関係、原料から考える商品設計、開発の進め方、そして小売がPBを持ったときに自社へ来る責任までを整理します。

目次

PB商品とNB商品は何が違うのか

PB商品は小売や卸が自分のブランドで売る商品

PBはPrivate Brandの略で、本来は製造を行わない小売業者や卸売業者が、自社のブランドとして企画・販売する商品です。売り場と顧客データを持つ側が、自分で商品を決められるのが特徴です。

NBとの違いは、誰が値段と仕様を決めるか

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比べる軸PB商品NB商品(ナショナルブランド)
ブランドの持ち主小売業者・卸売業者メーカー
企画の主体売り場を持つ側メーカー
価格の決定自社で決められるメーカーの希望小売価格が基準になる
仕様の変更自社の判断で変えられるメーカーに依頼する立場
広告宣伝費かけないことが多いメーカーが負担して知名度を作る
売れ残りの在庫自社で抱える(返品先がない)自社で抱えるが、棚落ちや取引条件で調整の余地がある
品質の責任自社(回収と顧客対応の窓口になる)メーカーが負う

価格を自分で決められるのがPBの強みですが、裏返すと在庫と品質の責任も自分に来ます。この非対称が、PBを始めるときの判断の中心です。

OEMとPBはどう違うのか

「OEMとPBの違い」はよく検索されますが、この2つは並べて選ぶものではありません。指している対象が別なので、まず何と何が対になるのかを揃えます。

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PBOEM
何を指す言葉かブランドの持ち主(誰の商品か)製造の形態(誰が作るか)
主語になるのは小売業者・卸売業者製造を請ける工場・メーカー
反対にあたる言葉NB(メーカーのブランド)自社製造(自前の工場で作る)
同時に成り立つか成り立つ。PB商品をOEMで作るのが一般的成り立つ。OEMでNB商品を作ることもある

PB商品の多くはOEMで作られている

小売業者は工場を持たないことがほとんどなので、自社ブランドの商品はメーカーに製造を委託します。これがPBでありOEMでもある状態です。「PBにするかOEMにするか」という選び方にはなりません。

言葉の使い分け
  • 自分のブランドで売りたい = PBをやりたい、という話
  • 工場を持たないので作ってもらいたい = OEMで頼みたい、という話
  • メーカーに相談するときは「PB商品をOEMで作りたい」と両方伝えると早い

ODMとの違いも押さえておく

OEMは仕様や処方をこちら側が持ち、製造だけを委託する形です。企画や処方設計からメーカーに任せる場合はODM(Original Design Manufacturing)と呼ばれます。

どこまで自分で決めるかで呼び方が変わるだけで、実務では両者の境目は連続的です。既存処方を使うのか、ゼロから設計するのかを先に決めると、相談がスムーズになります。

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PB商品のメリットとデメリット

利益率と商品の中身を自社で決められる

  • 中間マージンと広告宣伝費が乗らないぶん、同じ売価でも利益率を上げやすい
  • 容量・味・パッケージを自社の客層に合わせて決められる
  • 売れ行きのデータを見て、次のロットで仕様を変えられる
  • 他店で買えない商品になるため、価格の比較対象から外れやすい

売れ残りと品質トラブルを自分で受け止める

  • 売れ残りは自社の在庫になる。食品は賞味期限があるため廃棄に直結する
  • 品質トラブルが起きたとき、回収や顧客対応の窓口は自社になる
  • 初回ロットが大きいと、売り切るまで資金が動かない
  • 製造を任せる以上、工場の稼働状況や原料相場の影響を受ける

最初のロットで利益を取りにいかず、売れ方を確かめる費用と割り切るほうが、2回目の判断が速くなります。

原料から考えるPB開発

PBの差別化は、パッケージより原料で決まることが多いです。売価を上げられる理由も、値下げ競争から抜ける理由も、たいてい原料側にあります。

産地・等級・不使用のどれで差をつけるか

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型内容向いている売り場
産地を指定する特定の地域の原料を使い、産地名を出す地域のスーパー、観光地、ふるさと納税
原料の等級を上げる同じ品目でも上位の等級を使い、味の差で説明する高価格帯の食品売り場、ギフト
使わない原料を決める特定の原材料を使わない設計にするアレルギー配慮、こだわり層向けの売り場

3つ目は表示の書き方に注意が要ります。消費者庁は2022年3月に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を公表し、対象を書かずに「無添加」とだけ表示する書き方などを、表示禁止事項に当たるおそれがある類型として整理しています。

このガイドラインは不使用表示を一律に禁止するものではなく、事業者が自分で点検するための整理という位置づけです。設計段階でメーカーと一緒に確認してください。

原料の調達はどちらが持つのか

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調達の持ち方内容注意する点
メーカーに任せる工場が使い慣れた原料で作る相場が動くと単価も動く。産地の指定はしにくい
自社で指定する産地や等級をこちらで決める使えるかどうかは工場の設備と規格次第。事前に確認が要る
自社で持ち込む原料を自分で調達してメーカーに渡す規格書・試験成績書の提出を求められる。受け入れ条件を先に聞く

PB商品の開発プロセス

価格競争に落ちるかはニーズ調査と企画で決まる

ここがずれると、あとの工程で何をしても価格競争に落ちます。自社の客層で何が不足しているかを、売り場のデータから拾うのが出発点です。

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ステップやること詰まりやすい点
①市場調査・ニーズ把握自社の客層と売り場の空きを整理する一般論の市場データだけ見て、自店の数字を見ない
②商品企画ターゲット、利用シーン、勝つ軸(価格・品質・容量・原料)を決める全部で勝とうとして、どれでも中途半端になる
③メーカー選定その品目とロットを受けられる工場を探す品目より先に会社を選んでしまう
④試作味・食感・見た目を確認し、仕様を確定する依頼内容が曖昧で往復が増える
⑤価格と数量の決定原価と販路から売価と初回ロットを決める包材の最低発注数を計算に入れていない
⑥表示・法令確認食品表示を作り、広告表現を点検する表示責任者をどちらにするか決めていない
⑦製造・納品本製造と検査を経て納品賞味期限が想定より短く出る

仕様書に何を書けば品質が揃うか

「NB同等の品質で」と伝えても工場には届きません。数字と範囲で書いた項目だけが揃います。

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書く項目埋める内容抜けたときに起きること
原料規格産地、等級、アレルゲン、許容範囲ロットごとに味が動き、原因を特定できない
工程規格温度帯、衛生基準、異物対策工場側の標準に任せることになり、変更に気づけない
検査規格微生物、理化学、官能評価の項目と頻度問題が出荷後に見つかる
ロット管理製造記録をどこまで残し、どちらが保管するか回収の範囲を絞り込めず、全数回収になる
クレーム対応原因分析と是正措置の手順、報告の期限2回目も同じ不具合が出る

メーカー選定で見るのは単価より、この5項目を一緒に詰められる相手かどうかです。HACCPに沿った衛生管理の運用状況と、同じ品目の製造実績は最初の面談で確認してください。

試作の往復を減らすには、最初の依頼内容を書き出しておくのが効きます。何を埋めればいいかは別記事にまとめています。

見積もりは同じ仕様で3社以上に出す

総額だけ並べても差の理由が分かりません。原料の等級、包材、検査、試作の回数まで内訳を出してもらって比べてください。

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小売がPBを出すと、自社に来る責任

NB商品を仕入れて売っている間は、商品の中身についての説明責任はメーカー側にありました。PBにすると、その一部が自社に移ります。ここを把握せずに始めると、問題が起きてから慌てることになります。

食品表示の責任者をどちらにするか決める

食品表示に責任を持つ者はパッケージに記載されます。製造者にすることも、販売者(PBを持つ側)にすることもできます。販売者を表示責任者にするなら、表示内容の最終責任は自社に来ます。

メーカーが表示案を作ってくれる場合でも、最終確認をどちらがするかは契約時に決める項目です。

回収が必要になったときの窓口

  • 商品に問題が見つかったとき、顧客対応の窓口はパッケージに書かれた側になる
  • 回収の判断、告知、費用の負担をどう分けるかを契約に入れておく
  • 製造記録やロット管理をメーカーがどこまで残すかを確認しておく

クレームの内容が自社の商品力の評価になる

NBなら「そのメーカーの商品」で済んだ評価が、PBでは自店の評価になります。味や量のクレームが自社ブランドへの評価として蓄積するため、初回ロットを小さくして反応を見る意味はここにもあります。

コンビニ・スーパー・ドラッグストアでPBの作り方はどう変わるか

同じPBでも、どの売り場で出すかで設計が変わります。売り場の回転と客単価が、容量と価格帯を先に決めてしまうからです。

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業態売り場から決まることPBで効きやすい軸
コンビニ棚が狭く回転が速い。1人分・その場で食べる形が基準容量を小さく、手に取りやすい価格帯。新商品の入れ替えが速い
食品スーパー家庭で使う量が基準。棚に長く置き続けられるか同じ品質でNBより安いか、NBに無い容量・産地で差を作る
ドラッグストア健康関連の売り場が強く、まとめ買いが起きる機能を打ち出す設計。ただし表示の制約が最も厳しい
百貨店・ギフト箱と見た目が先に決まる。単価が高い原料の等級と産地。包材にコストをかける前提
自社EC・D2C棚の制約がなく、送料が効く重量と形で送料が変わる。定期購入との相性

自社の売り場ですでに何が売れているかを見てから品目を決めると、企画の段階で外しにくくなります。

安さで勝てなくなったPBはどこで差をつけているか

価格の安さだけでは続かない

「NBより安い」だけを訴求したPBは、利益率が低いうえに他店のPBと比べられます。価格以外に選ばれる理由を作らないと、値下げの応酬から抜けられません。

価格以外の訴求の例
  • 共働き世帯向けに、調理の手数を減らした設計にする
  • 特定の原材料を避けたい層向けに、使う原料を絞る
  • 高齢の利用者向けに、開けやすい・飲み込みやすい形にする
  • 地域の原料を使い、その産地でしか作れない商品にする

健康・簡便・環境配慮は差別化ではなく前提になった

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軸売り場で求められていること設計で効いてくる点
健康原料が分かること、表示が読みやすいこと何を使うかより、何をどう書くかで差が出る
簡便調理の手数が少ない、保存が効く、片手で食べられる容器と形態の選択が味より先に効く
環境配慮包材の削減、リサイクル対応、廃棄を減らす設計小ロットで作ること自体がフードロス対策になる

3つ全部に投資するとコストが合わなくなります。原料・パッケージ・製造工程のどこに寄せるかを先に決めて、残りは最低限に留めるのが現実的です。

なぜその原料・その容量なのかを売り場で書く

なぜその原料なのか、なぜその容量なのかは、商品を見ただけでは伝わりません。売り場のPOP、ECの商品ページ、パッケージの裏面のどこかで説明して初めて、価格差の理由として受け取ってもらえます。

開発の段階で「何と書いて売るか」まで決めておくと、表示の制約に後から引っかかりにくくなります。

PBの売価はいくらに、初回ロットは何個にするか

PBは価格を自分で決められます。だからこそ、いくらで売るかを先に決めてから原価を作りにいく順番が取れます。NB商品を仕入れる発想のままだと、この順番が逆になります。

売価を先に置いて、原価の上限を出す

自社の売り場で、その品目がいくらなら動くかは既存の販売データで分かります。その売価から逆算して、原価の上限を決めてからメーカーに相談します。

売価から原価の上限を出す
  • 自社の売り場で動く売価を決める(既存商品の実績から)
  • その売価に置きたい粗利率をかけて、残りを原価の上限にする
  • 原価には中身だけでなく、包材・送料・保管・検査を入れる
  • その上限で作れる仕様を、メーカーと一緒に組み立てる

上限に収まらない場合は、容量を小さくするか、原料の等級を落とすか、売価を上げる理由を作るかの3択になります。「とりあえず作ってから値段を考える」と、ほぼ値下げに向かいます。

初回ロットは売り切れる数から逆算する

初回のロットは、作れる下限ではなく自分の売り場で売り切れる数から決めます。食品は賞味期限があるため、売れ残りはそのまま廃棄になります。

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どう決めるか起きること
メーカーの最小ロットに合わせる売り切るのに時間がかかり、期限が先に来る。資金も動かない
売り切れる数から逆算するその数を受けてくれる会社を探す手間はかかるが、廃棄と資金の両方を抑えられる

品目ごとの下限は、食品OEMの窓口に掲載している工場の公表値でも打錠3kg〜、グミ80kg〜、ゼリー170kg〜と50倍以上ひらきます。売り切れる数を先に出してから会社を探すほうが早く着地します。

他社のPBは何で選ばれているか

以下は各社の公式サイト・公式リリース、および出典を明記した報道で確認した内容です(2026年9月25日確認)。共通点を探すより、それぞれが何を自社で握っているかを見ると、自社に移せる点が見えます。

西友「みなさまのお墨付き」:合格ラインを数字で決めている

商品化の条件を消費者テストの支持率で定義しているPBです。公式サイトには「一般消費者が参加する消費者テストで支持率80%以上を得たものだけを商品化するブランド」と書かれています。

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公式に書かれている条件内容
支持率の合格ライン80%以上。「支持率”79.9%”でも不合格!」と明記
テストの実施主体第三者機関である調査会社に依頼
テストの規模100人以上(主に女性)
合格後の扱い定期的に再テストし、80%未満なら改良または終売
基準の変更2019年10月に支持率70%以上から80%以上へ引き上げ

学べるのは、合格ラインを先に数字で決めておくという設計です。作ってから売れるかを考えるのではなく、通す基準を決めてから作っています。

セイコーマート:地域にしかない原料を押さえる

北海道のセイコーマートは、滝上町産の和ミントを使った商品を展開しています。公式サイトによると、滝上町では今も6軒ほどの農家がハッカを栽培しており、「その量は日本のハッカ生産量の約9割」とされています。

和ハッカは「ペパーミントやスペアミントなどの洋種ハッカに比べて『メントール(ハッカ脳)』の量が多く、より強い清涼感と爽快な味わいが特徴」と説明されています。

同じページには、滝上町のハッカ栽培が明治後半から100年以上続いてきたこと、1930年代にはオホーツク地域が世界のハッカ市場の約7割を占めていたこと、その後の安価な輸入品と合成ハッカで大きく減少したことも書かれています。

国産の和ハッカで作ろうとすれば、産地はここしかありません。輸入品や合成ハッカと並べられたときに、原料で説明できる側に立てます。

なお同社のPB規模について、会長は日経ビジネスのインタビューで「プライベートブランド(PB)商品は約1000品目あり、たばこを除く売上高の5割を占めます」と述べています。公式サイト側で確認できるのは「リテールブランド商品 約900種類」という品目数で、売上構成比は見つかりませんでした。

京北スーパー:作り方の違いを説明できる商品にする

千葉県柏市を本社とする京北スーパーのPB「KEIHOKU」には、野田市山崎の窪田酒造が造る「三ヶ月熟成 本みりん 古式造り」があります。

公式サイトには「麹、アルコール、米焼酎が入った約500Lの小さな仕込みタンクの中に仕込み、1ヶ月に1度かき混ぜながら自然の力で3ヶ月間熟成させ醪(もろみ)を造ります」とあり、あわせて「一般には3t入る大きなタンクに仕込み、温めて熟成速度を上げ2ヶ月程で醪に仕上げてしまう所もあるようです」と書かれています。

作り方の違いを売り場で説明できる状態にしているのがこの事例の要点です。価格が高くても、なぜ高いのかが言語化されています。

楽天「Rakuten Original」:ECから始めるPB

楽天は2025年12月4日に「楽天市場」初のプライベートブランド「Rakuten Original」の販売を開始しました。公式リリースによると、天然水・炭酸水・強炭酸水・ウェットティッシュ・快適立体マスクといった日用品から始まり、2026年5月には紙おむつが加わっています。

実店舗の棚を持たず、直営オンライン店舗から始めている点が他と違います。棚の広さではなく購買データを起点にできるのがEC発PBの特徴です。

セブンプレミアム:安さを主語から外す

セブン&アイの公式サイトは、従来のPBを「人気のナショナルブランド(NB)商品と似た内容で、かつ価格が断然安い商品」と説明したうえで、セブンプレミアムはそれとは別のアプローチだと位置づけています。

公式の表現は「おいしさ、安全・安心などの面で独自の高いクオリティを生み出し、しかも価格競争力を持つ商品」で、見出しには「プライベートブランドを超えたクオリティブランドへ」と掲げられています。

公式サイトが使っている言葉
  • 従来のPB=「人気のナショナルブランド(NB)商品と似た内容で、かつ価格が断然安い商品」
  • セブンプレミアム=「おいしさ、安全・安心などの面で独自の高いクオリティを生み出し、しかも価格競争力を持つ商品」
  • 見出し=「プライベートブランドを超えたクオリティブランドへ」

価格競争力は残したまま、訴求の主語を品質に移しているのがこの事例です。安さを捨てたのではなく、安さで語らない位置に商品を置いています。PBを安さの手段としてだけ考えると、この置き方には進めません。

5つの事例が自社で握っているもの
  • 西友=商品化を通す基準(支持率の合格ライン)
  • セイコーマート=国産でここしかない原料
  • 京北スーパー=作り方を説明できる状態
  • セブンプレミアム=安さ以外の訴求軸
  • 楽天=棚の制約を受けずに品目を決められる購買データ

PB商品に関するよくある質問

PBとOEMの違いは何ですか?

比べる軸がちがいます。PBは「誰のブランドか」、OEMは「誰が作るか」を指す言葉です。PBの反対はNB(メーカーのブランド)、OEMの反対は自社製造です。小売がPB商品をOEMで作るのが一般的な形で、両立します。

PB商品はなぜ安くできるのですか?

広告宣伝費をかけず、中間のマージンが乗らないぶんを価格に回せるためです。ただし安さだけを狙うとNBとの比較から抜けられません。原料や容量で違いを作れば、同じ売価でも選ばれる理由を持てます。

小売業がPB商品を出すときに気をつけることは?

在庫と品質の責任が自社に来ることです。食品は賞味期限があるので売れ残りが廃棄に直結します。加えて、食品表示の責任者をどちらにするか、回収が必要になったときの窓口と費用負担をどう分けるかを、契約時に決めておく必要があります。

最初のロットはどのくらいにすべきですか?

品目によって下限が大きく変わります。自分の売り場で売り切れる数を先に出して、その数を受けてくれる会社を探してください。

原料を自社で指定できますか?

指定できる会社はあります。ただし工場の設備と規格に合うかは事前確認が必要で、自社で調達した原料を持ち込む場合は規格書や試験成績書の提出を求められることがあります。

PB開発でつまずくのはどの工程ですか?

ほぼ企画の段階です。目的が「利益を上げたい」だけで止まっている、自店の売れ筋と価格帯を調べていない、初回ロットを大きく取りすぎている、「NB同等の品質」の中身を決めていない、売り場での見せ方を決めずに発注している。この5つのどれかに当てはまると、完成後に在庫と値引きで利益が消えます。

まとめ

PB開発は、次の順で決めると迷いません。

  • 言葉を整理する:PBは誰のブランドか、OEMは誰が作るか。両立する
  • 勝つ軸を1つ決める:価格・原料・容量・利用シーンのどれで選ばれるか
  • 原料の持ち方を決める:任せるか、指定するか、持ち込むか
  • 初回ロットを売り切れる数から逆算する:品目ごとに下限がまるで違う
  • 責任の分け方を契約に入れる:表示責任者、回収時の窓口と費用負担

価格を自分で決められるのがPBの強みです。その代わり、売れ残りと品質トラブルを受け止めるのは自分側という前提で組み立てれば、値下げ競争に巻き込まれない商品を作れます。

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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