食品OEMの業界ごとホワイトペーパーはこちら(掲載企業募集中)

食品OEMとは?費用・進め方・メーカーの選び方を製造会社が解説

この記事の要約
食品OEMとは、自社ブランドの食品の製造を外部メーカーに委託する仕組みです。OEM・PB・ODMの違い、ジャンル別の費用と最小ロット、相談から量産までの進め方、メーカーの選び方、営業許可や衛生管理の注意点までを製造会社の視点で整理。掲載企業8社の比較と乾燥加工のOEM事例も紹介します。

食品OEMとは、自社ブランドの食品の製造を外部メーカーに委託する仕組みです。「自社ブランドの食品を作ってみたい」と思っても、工場探しを始める前に「OEMとは何?」「小ロットでも頼める?」と迷いがちです。衛生面が気になる食品だからこそきちんとした委託先を選びたいですし、初めての製造委託で見積もりや条件に損がないか不安になりますよね。

そこで本記事では、自らも乾燥野菜の製造を手がける食品OEMの窓口が、食品OEMの基本やOEMメーカーの選び方、ジャンル別の費用・最小ロット、発注の進め方、営業許可までを製造会社の視点で整理します。読み終えれば、食品OEMの全体像と、相談前に固めておくべき点が分かります。

目次

食品OEMとは|製造を委託する仕組み

OEM(Original Equipment Manufacturer)とは、自社ブランドの商品をつくる際に、製造を外部のメーカー・工場へ委託することです。食品OEMでは、依頼側がレシピや配合・コンセプトを用意し、設備と許可を持つメーカーが製造を担います。自社で工場を持たなくても、オリジナルの食品を世に出せるのが最大の利点です。

たとえばオリジナルのドレッシングを販売したいけれど製造設備がない場合、配合を決めたうえで製造をメーカーに委託する――これが食品OEMの典型例です。委託先は食品衛生法に基づく営業許可を取得し、HACCPなどの衛生管理体制を整えているため、自社で設備を揃えるよりも初期投資を大きく抑えられます。

OEM・PB・ODMの違い

食品OEMと並んでよく出てくるのがPBとODMです。役割の違いを押さえると、自分がどの形態で商品を作りたいのかが明確になります。PB(Private Brand)は小売や事業者が自社ブランド名で販売する商品を指し、その多くはOEMメーカーが製造を担っています。ODM(Original Design Manufacturing)は、製造だけでなく企画・レシピ設計まで一括で委託する形態です。

項目 OEM PB ODM
意味 製造委託の仕組み 自社ブランド販売の戦略 企画+製造の一括委託
レシピ・仕様 依頼側が用意 依頼側が用意(OEMで製造) 製造側が開発
費用感 製造費が中心 OEMと同等 企画費が上乗せ
向いている人 仕様が固まっている方 自社ブランドで売りたい方 コンセプトだけある方

「レシピや仕様が固まっているならOEM」「コンセプトだけならODM」と覚えると判断しやすくなります。ODMは開発ノウハウが乏しくても商品化できる一方、企画費が上乗せされ、レシピの権利が製造側に残る場合があるため、契約時に知的財産の扱いを確認しておきましょう。PB・ODMそれぞれの実務はPB商品をOEMで開発するガイドODMの用語解説でも詳しく紹介しています。

食品OEMの費用とジャンル別の最小ロット

食品OEMの費用は「商品ジャンル」「ロット数」「包材仕様」で大きく変わります。まず費用の内訳を把握し、次にジャンルごとの最小ロットの目安を知っておくと、相談前に予算の見当をつけられます。

食品OEM費用の内訳

食品OEMの費用は、大きく「試作費」「製造費(製品単価×ロット)」「パッケージ・表示の制作費」「配送費」に分かれます。試作費は数万円から、量産時の製品単価は1個あたり数十円〜数百円が一般的な目安です。ロットが大きいほど単価は下がりますが、在庫リスクは高まるため、初回はテスト販売できる量に抑えるのが堅実です。費用の詳細は食品OEMの費用相場まとめで確認できます。

ジャンル別の最小ロット早見表

小ロットは在庫リスクを抑えられますが、単価や包材条件で想定より割高になることもあります。最小ロットはジャンルとメーカーで差が大きいため、下表を目安にしたうえで個別に確認するのが確実です。

商品ジャンル 最小ロット目安 備考
焼き菓子 100〜300個 クッキー・マドレーヌなど
グミ・キャンディ 80kg前後〜 約2万個相当からの設備も
ジャム・ソース 200〜500個 小ロット対応工場あり
レトルト・冷凍食品 500〜1,000食 充填・冷凍設備による
ドリンク類 1,000本前後 瓶・缶・パウチで変動
サプリ・プロテイン 小ロット〜(数十袋〜) 剤形により下限が異なる

たとえばサプリメントでは15袋程度の小ロットから受託するメーカーもあり、グミでは80kg(約2万個)からというように、同じ「小ロット」でもジャンルで桁が変わります。テスト販売なら少量から始め、反応が良ければロットを増やす流れにすると、在庫リスクを抑えられます。小ロットの考え方は小ロット食品OEMの始め方でも解説しています。

知らないと失敗する
OEMのポイントを解説

初めてのOEM、何から始めたらいいか迷っていませんか?

どのメーカーを選ぶかで、コストも品質も大きく変わります。初心者の方でも失敗しない、OEMの進め方やメーカー選びのポイントを分かりやすくまとめています。

\ 無料でダウンロード /

食品OEM発注の進め方|相談から量産まで

初めての製造委託では「何を伝えればいいのか分からない」と悩みがちです。発注は「事前準備→相談・試作→量産」の順で進みます。各段階でやるべきことを整理しておくと、手戻りが減り完成度も上がります。

相談前に決めておく3点

まずは次の3点を固めておきましょう。①商品のイメージ(ジャンル・特徴・味・形状)、②販路と数量(ECか店舗か、初回の作成量)、③譲れない条件(小ロット対応・アレルゲン対応・認証など)です。あわせてターゲット層と価格帯のイメージを伝えられると、メーカーがより的確な提案をしやすくなります。完璧な仕様書は不要で、「こんな商品を作りたい」という方向性レベルで十分です。

試作から量産までの流れ

一般的な流れは「打ち合わせ→試作・試食→契約・発注→本製造→検品・納品」です。期間の目安は初回相談から納品まで3〜6か月程度。レシピ開発から始める場合やパッケージにこだわる場合は、さらに伸びることがあります。試作は一度で決まることは少なく、味・食感・賞味期限の確認のために複数回くり返すのが通常です。

製造現場の視点で見た注意点

自らも乾燥野菜の製造を手がける立場からお伝えすると、条件は「MUST条件(絶対に譲れない点)」と「BETTER条件(できれば叶えたい点)」に分けて整理しておくと交渉が進みます。たとえば原料の機能性を残したい場合、乾燥温度の設計ひとつで成分や風味が変わるため、こうした要望は早めに共有するほど精度が上がります。メーカーから断られる理由の多くは、生産キャパの空きがない、設備が合わない、ロットが小さすぎて採算が合わない、といった点です。門前払いを避けるには、「数量・価格・納期」と「どこまで譲れるか」をセットで伝えること。メーカー側も長く一緒に育てられるパートナーを探しているため、方向性を率直に共有するほど話は前に進みます。

食品OEMメーカーの選び方|失敗しない比較軸

初めての食品OEMでは、個別に工場へ連絡するよりも「食品OEMの窓口」のような比較サイトで、加工方法や条件から絞り込むのが効率的です。そのうえで、次の比較軸で複数社を見比べると、自社に合うパートナーを見つけやすくなります。

比較項目 食品OEMで確認すべきポイント
製造実績 同ジャンルの商品を手がけた経験があるか
衛生管理・許可区分 HACCP・FSSC22000の有無、対象ジャンルの営業許可を持っているか
加工・殺菌方式 レトルト殺菌・冷凍・フリーズドライ・充填など、作りたい商品に合う設備か
対応ロット 最小ロットと、増産時の単価の下がり方
賞味期限・表示 賞味期限試験や原材料・アレルゲン表示の作成を支援できるか
包材・試作対応 包材の持ち込み可否、試作の回数・費用・柔軟性

製造実績や認証だけでなく、殺菌・乾燥方式や表示作成までカバーできるかを見ると、食品ならではのミスマッチを防げます。1社に絞らず2〜3社から提案を受け、気になるメーカーには同時に見積もりを依頼しましょう。比較サイトの使い方やメーカー一覧は食品OEMマッチングサービスの比較掲載企業の一覧から確認できます。

食品OEMメーカー9社|詳細プロフィールで選ぶ

食品OEMはジャンルごとに得意なメーカーが分かれます。ここでは「食品OEMの窓口」の掲載企業のうち、事業内容を1,000字以上の詳細プロフィールで公開しているメーカーを紹介します。情報量が多いほど得意ジャンルや対応範囲を読み取りやすく、ミスマッチを避けやすいためです。いずれも各社ページの記載に基づきます。

メーカー 得意ジャンル 拠点
株式会社Agriture(アグリチャー) 乾燥野菜・ドライフルーツ・パウダー 京都・東京
やさい薬膳 ハーブティー・薬膳茶 東京
GUMMY FACTORY(グミファクトリー) オリジナル・機能性グミ 東京
株式会社Encha ベトナム茶 神奈川・ベトナム
株式会社MAISHIN アイスキャンディー(吉野本葛100%) 京都
京丹後市食品加工支援センター 缶詰・レトルト・炭酸飲料(小ロット) 京都
京都鰹節株式会社 鰹節・削り節(出汁) 京都
日華フーズ株式会社 乾燥野菜・ドライフルーツ(熱風乾燥) 三重
株式会社いのうえ 缶詰・おつまみ(小ロット) 滋賀

乾燥野菜やパウダーはアグリチャーや日華フーズ、薬膳茶ならやさい薬膳、グミやベトナム茶のように専門特化したメーカーもあります。詳細プロフィールの情報量が多いメーカーほど、相談前に得意分野や対応範囲を把握しやすく、初回のやり取りがスムーズになります。

ジャンル別の詳細OEMガイド

ジャンルごとに、製造技術や費用まで踏み込んだ詳細ガイドを用意しています。乾燥・粉末系だけでも加工方法で記事が分かれるため、作りたい商品に近いものから読み進めてください。

ジャンル 詳細OEMガイド
野菜パウダー 野菜パウダーOEM|製造方法・費用・活用事例
ドライフルーツ ドライフルーツOEM|国産果物で差をつける製造委託
フリーズドライ食品 フリーズドライスープOEM|製造工程・費用
ふりかけ ふりかけOEM製造ガイド
青汁・健康素材 青汁の原材料5種を比較!OEM向け選び方
ハーブティー・お茶 ハーブティー原料図鑑|人気10素材の選び方
粉末スープ 粉末スープOEM完全ガイド
だし醤油・調味料 だし醤油OEM製造|ブレンド設計の全工程
麹調味料 麹調味料OEM|塩麹・醤油麹・甘麹の商品化
発酵食品(味噌・酢) 発酵食品OEM製造ガイド
キムチ キムチOEM製造ガイド
ケーキ・洋菓子 ケーキOEM完全ガイド
飴・キャンディ 飴・キャンディOEM完全ガイド
ラーメン・麺 ラーメンOEM完全ガイド
豆腐・プラントベース プラントベースOEM|大豆ミート・代替乳
介護食・離乳食 介護食OEM製造ガイド
非常食・防災食 非常食・防災食OEM完全ガイド
ナッツ ナッツOEMの基礎知識・費用
知らないと失敗する
OEMのポイントを解説

初めてのOEM、何から始めたらいいか迷っていませんか?

どのメーカーを選ぶかで、コストも品質も大きく変わります。初心者の方でも失敗しない、OEMの進め方やメーカー選びのポイントを分かりやすくまとめています。

\ 無料でダウンロード /

食品OEMの成功事例|アイデアから商品化まで

食品OEMは「売り先に困っていた素材」や「自社農園の収穫物」を、価値のある商品へ変える手段にもなります。食品OEMの窓口を運営するアグリチャーが実際に手がけた乾燥・加工のOEM事例から、アイデアが商品化に至るまでの流れを紹介します。

事例1:青パパイヤをペット向けサプリ原料に(Buddy’s Farm)

神奈川県小田原市の農業法人Buddy’s Farmは、栽培した青パパイヤの売り先確保に悩んでいました。一般流通では馴染みが薄く、価値が伝わりにくかったためです。そこで「ペット向けサプリの原料」という用途に絞り、自社設備がない加工をOEMで委託。当初はパパイン酵素を残す乾燥温度の見極めに調整を重ね、用途に合わせて粉末の細かさと風味を整えました。一般には売りにくい素材でも、用途を特化することで価値を再定義できた事例です(Buddy’s Farm × アグリチャーの事例)。

事例2:こだわりのれんこんをパウダー化(佐倉れんこん)

千葉県佐倉市の佐倉れんこんは、化学肥料に頼らない土づくりで育てた蓮根を、新しい形で活かすためパウダー化のOEMを依頼しました。風味を残す低温乾燥と、とろみが出る粒度の両立に試作を重ね、水に溶くととろみがつくパウダーが完成。スープや味噌汁、製菓に加え、とろみを活かして離乳食・介護食への展開も見込める素材になりました。原料選定から微粉末化まで一貫して設計できるのが、加工後もプレミアム価値を保てた要因です(佐倉れんこん × アグリチャーの事例)。

どちらの事例も、共通するのは「作りたい形」と「譲れない条件」を早い段階で共有したことです。素材の特性を残す加工は温度や粒度の設計が要になるため、製造現場と方向性をすり合わせるほど狙いどおりの商品に近づきます。

食品OEMの注意点|営業許可・衛生・保管

食品OEMでは、製造はメーカーが担うとはいえ、販売者側にも確認しておくべき法規制があります。企画段階で押さえておくと、後戻りを防げます。

営業許可と必要な届出

食品衛生法に基づく許可は、商品ジャンルや販売方法によって必要な種類が変わります。2021年6月の制度改正で、許可業種に当てはまらない販売でも「営業届出」が求められるケースが整理されました。自分で製造せずOEMに委託し、ECや店舗で販売する場合も届出が要ることがあるため、まずは管轄の保健所に事前相談するのが確実です。あわせて、委託先メーカーが取得している許可の範囲も確認しておきましょう。

衛生管理(HACCP)と保管・表示

現在は原則としてすべての食品事業者にHACCPに沿った衛生管理が求められます。委託先がHACCPやFSSC22000などの体制を整えているかは、選定時の重要な判断材料です。あわせて、賞味期限・消費期限を過ぎた在庫は廃棄が必要になるため、保管場所の確保とロット設計はセットで考えます。食品表示は景品表示法・食品表示法の対象となるため、原材料・アレルゲン・栄養成分などの表示ルールも確認しておきましょう。

食品OEMでよくある質問

食品OEMを始める前によく寄せられる質問をまとめました。

食品OEMとPBの違いは?

OEMは製造を外部に委託する仕組み、PBは自社ブランドとして販売する戦略です。コンビニやスーパーのPB商品の多くは、食品OEMメーカーが製造を担っています。

個人でも食品OEMは依頼できますか?

はい。個人事業主や副業の方でも依頼できます。小ロット対応の工場を選べば、100個程度のテスト販売から始められるケースもあります。

食品OEMの最小ロットは?

ジャンルと工場で異なります。焼き菓子で100〜300個、レトルトで500〜1,000食、サプリは数十袋から、グミは80kg(約2万個)前後が目安です。

相談から納品までどのくらいかかりますか?

一般に3〜6か月程度です。打ち合わせ・試作に1〜2か月、パッケージ・表示の作成に1か月、量産・検品・納品に1〜2か月が目安です。

OEMメーカーはどうやって探せばいいですか?

食品OEMに特化した比較サイトで、ジャンル・加工方法・ロット数から絞り込むのが効率的です。気になるメーカーが見つかったら複数社に同時に見積もりを依頼しましょう。

食品OEMの費用の目安は?

商品ジャンル・ロット数・包材仕様で変わります。試作費は数万円〜、量産では1個あたり数十円〜数百円が目安で、別途パッケージ・表示・配送費がかかります。

まとめ|食品OEMは小ロットから始められる

食品OEMとは、外部メーカーに製造を委託して自社ブランド商品を形にする方法です。PB・ODMとの違いを理解し、自分に合った形態を選ぶことが第一歩になります。次に商品のイメージ・販路・条件を固め、ジャンル別の最小ロットと費用の目安をつかんでおけば、相談はスムーズに進みます。

小ロットから始められるジャンルも多く、テスト販売で反応を確かめながら育てていけるのが食品OEMの強みです。「食品OEMの窓口」では条件や地域からOEMメーカーを検索でき、製造会社ならではの視点で相談にも対応しています。まずは作りたい商品のイメージを持って、お気軽にご相談ください。

知らないと失敗する
OEMのポイントを解説

初めてのOEM、何から始めたらいいか迷っていませんか?

どのメーカーを選ぶかで、コストも品質も大きく変わります。初心者の方でも失敗しない、OEMの進め方やメーカー選びのポイントを分かりやすくまとめています。

\ 無料でダウンロード /

関連するOEMガイド

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

目次