食品展示会の選び方ガイド|主要展示会の比較と出展判断

食品業界では年間を通じて多数の展示会が開催されています。FOODEX JAPANやJFEXのような大規模な商談展から、ifia JAPANや食品開発展といった専門特化型まで、その数は国内だけでも年間70件以上にのぼります。

しかし、すべての展示会に出展・来場するのは現実的ではありません。限られた予算と時間のなかで成果を最大化するには、自社の目的に合った展示会を選ぶことが不可欠です。

本記事では、国内の主要食品展示会を比較しながら、出展・来場の目的別に最適な展示会の選び方を解説します。OEM商談や新規取引先の開拓を目指す方は、ぜひ参考にしてください。

目次

食品展示会とは?出展・来場で得られるメリット

食品展示会は、食品メーカー・飲料メーカー・流通業者・バイヤーが一堂に会するBtoB商談の場です。東京ビッグサイトやインテックス大阪などの大型会場で開催され、出展者は自社製品をアピールし、来場者は新たな仕入れ先や協業パートナーを見つけることができます。

新規取引先との商談機会を最大化できる

展示会の最大の利点は、短期間で多くのバイヤーやメーカーと直接会えることです。FOODEX JAPAN 2026では3,238社が出展し、数万人規模の来場者が商談に訪れました。通常の営業活動では数ヶ月かかる新規開拓を、わずか3〜4日間で集中的に行えます。

大手小売チェーンや外食チェーンの仕入れ担当者も来場するため、個別のアポイントでは会えない企業と接点を持つチャンスが生まれます。

業界トレンドと競合動向を一度に把握できる

展示会は最新の食品トレンドを体感できる場でもあります。プラントベース食品や機能性表示食品など、次に来る商品カテゴリの動きを出展ブースやセミナーから読み取ることが可能です。

競合他社がどのような商品を打ち出しているかを直接確認できるため、自社の商品開発やマーケティング戦略の見直しにも活かせます。

OEM商談に展示会を活用するメリット

食品OEMの委託先を探している企業にとって、展示会は製造パートナーと出会う効率的な手段です。試作品を試食しながら製造技術や対応ロットを確認でき、Webサイトだけでは判断しにくい品質や対応力を肌で感じられます。

反対にOEMメーカー側にとっては、自社の製造技術をアピールし、新規受注につなげる営業の場になります。展示会ブースの設計を工夫することで、商談数を大きく伸ばせるでしょう。

国内の主要食品展示会を比較

日本国内で開催される食品関連の展示会は多岐にわたりますが、大きく「大規模総合展」「専門特化型」「地域・テーマ型」の3つに分類できます。それぞれの特徴を押さえたうえで、自社に合った展示会を選びましょう。

展示会名開催時期会場タイプ特徴
FOODEX JAPAN毎年3月東京ビッグサイト大規模総合展アジア最大級。出展3,000社超、海外出展者も多数
JFEX(国際食品・飲料商談Week)6月・11月東京ビッグサイト大規模総合展加工食品・ワイン・プレミアム食品など5専門展で構成
ifia JAPAN(食品素材展)毎年5月東京ビッグサイト専門特化型食品素材・添加物に特化。研究開発担当者が多く来場
食品開発展(Hi Japan)毎年10月東京ビッグサイト専門特化型健康素材・分析機器・衛生資材。機能性食品開発向け
HFE JAPAN(ヘルスフード展)毎年5月東京ビッグサイト専門特化型健康食品・サプリメント素材に特化
FOOD STYLE Japan毎年秋マリンメッセ福岡地域型西日本最大級。外食・中食向けの食材展
FABEX(ファベックス)毎年4月東京ビッグサイトテーマ型中食・外食産業向け。惣菜・弁当の製造技術も
“日本の食品”輸出EXPO6月・11月東京ビッグサイト輸出特化型海外バイヤー60ヶ国が来場。輸出商談に最適

大規模総合展(FOODEX JAPAN・JFEX)

FOODEX JAPANは1976年から続く日本最大の国際食品・飲料展です。2026年の実績では出展者3,238社(国内1,112社・海外2,126社)、ブース数4,026という圧倒的な規模を誇ります。食品業界の全カテゴリを網羅しているため、幅広い商談を求める企業に適しています。

JFEXはRX Japan社が主催する食品・飲料の専門商談展で、年2回(6月・11月)開催されます。「加工食品」「ワイン・酒」「プレミアム食品」「生鮮食品」「インバウンド向け」の5つの専門展で構成されており、商材別に効率的な商談が可能です。

専門特化型展示会(ifia JAPAN・食品開発展・HFE JAPAN)

ifia JAPANは食品素材と添加物に特化した展示会で、研究開発担当者の来場比率が高いのが特徴です。OEM製造において原料選定や配合設計を相談したい場合に有効です。

食品開発展(Hi Japan)は健康素材や分析計測機器にフォーカスし、機能性表示食品やサプリメントの開発情報が集まります。HFE JAPANはヘルスフード全般をカバーし、健康食品OEMを検討する際の情報収集に役立ちます。

地域密着型・テーマ型(FOOD STYLE Japan・FABEX)

FOOD STYLE Japanは西日本最大級の食品展示会で、マリンメッセ福岡を会場に毎年秋に開催されます。地方の食品メーカーにとっては、東京まで出向かずに商談の場を確保できるメリットがあります。

FABEX(ファベックス)は中食・外食産業に特化した展示会です。惣菜・弁当・デリカの製造技術や包装機械など、食品製造の周辺領域まで幅広くカバーしています。

自社に合った食品展示会の選び方

展示会ごとに来場者層や商談の性質が異なるため、出展目的を明確にしたうえで選ぶことが重要です。ここでは3つの判断軸を紹介します。

出展目的を明確にする

出展の目的は大きく3つに分かれます。目的によって最適な展示会が変わります。

  • 新規取引先の開拓: FOODEX JAPANやJFEXのように来場者数が多い大規模展を選ぶ
  • ブランディング・認知向上: 自社の商品カテゴリに合った専門展で、関心の高い来場者に集中的にアピールする
  • 海外輸出の拡大: “日本の食品”輸出EXPOなど、海外バイヤーが集まる展示会に出展する

ターゲット来場者と展示会の特性を照らし合わせる

小売バイヤーに会いたいのか、外食チェーンの仕入れ担当なのか、研究開発者なのかによって、適切な展示会は異なります。FOODEXは小売・流通系バイヤーが多く、FABEXは外食・中食の業態が中心です。

食品OEMの受託を強化したい製造メーカーであれば、ifia JAPANや食品開発展など、原料・素材系の来場者が多い展示会のほうが相性がよい場合もあります。

予算と費用対効果から判断する

展示会の出展費用は決して安くありません。限られた予算で最大のリターンを得るには、費用対効果を事前に試算することが大切です。初めて出展する場合は、小規模な専門展から始めて感覚をつかむのも有効な戦略です。

展示会出展の費用感と予算の目安

食品展示会への出展にかかる費用は、会場の規模やブースサイズによって大きく変動します。初出展の企業が把握しておくべきコスト構造を整理しました。

出展料(小間料)の相場

一般的な展示会では、1小間(3m×3m)あたり30万〜50万円程度が相場です。FOODEX JAPANのような大規模展になると、1小間あたり40万〜70万円になるケースもあります。RX Japan主催のJFEXでは1小間が6m×3mと広めで、100万円前後の設定です。

初出展であれば1〜2小間(出展料45万〜90万円程度)から始める企業が多く見られます。

ブース装飾・配布物・人件費を含めた総コスト

出展料以外にも、以下の費用がかかります。

費用項目目安金額
出展料(1〜2小間)30万〜100万円
ブース装飾・施工30万〜80万円
配布物(カタログ・名刺・試食品)5万〜20万円
スタッフ人件費・交通宿泊費10万〜30万円
合計目安75万〜230万円

ブース装飾は出展料と同程度の予算を見込む企業が一般的です。コストを抑えたい場合は、バックパネルとテーブルだけのシンプルな構成にして、試食品や商品サンプルに予算を集中させる方法もあります。

展示会で成果を出すための準備と当日のポイント

出展を決めたら、事前準備から当日の運営、終了後のフォローまでを計画的に進めることが成果につながります。

出展前の準備チェックリスト

  • 出展する商品・サービスの絞り込み(多すぎると訴求がぼやける)
  • ブースデザインとキャッチコピーの決定
  • 試食品やサンプルの準備(来場者の記憶に残る体験を設計)
  • 商談用の資料・価格表・OEM契約の概要を用意
  • SNSや自社サイトで出展情報を事前告知

当日のブース運営と商談のコツ

来場者は限られた時間で多数のブースを回ります。最初の5秒で興味を引けるかが勝負です。通路側に試食品を並べたり、大きなパネルで一目で分かるメッセージを掲示したりする工夫が有効です。

商談時は名刺交換に加えて、相手のニーズをヒアリングするための質問を準備しておきましょう。「どのような商品を探しているか」「ロットや納期の希望は」といった具体的な質問が、後日のフォローにつながります。

展示会後のフォローアップで成約率を上げる

展示会の成果は、終了後のフォローアップで決まります。会期中に交換した名刺は、温度感が下がる前に3営業日以内にアプローチするのが目安です。

お礼メールを送る際には、ブースでの会話内容に触れたうえで、試作品の提案や工場見学の案内など次のアクションを提示します。展示会で得たリードの商談化率を計測し、次回出展の判断材料にすることも大切です。

食品OEMの窓口で展示会前に相談する

展示会に出展する前に、OEM製造の方向性や対応可能なメーカーをあらかじめ調べておくと、当日の商談がスムーズに進みます。食品OEMの窓口では、ジャンルごとにOEM対応メーカーを検索できます。

ジャンル主な商品例メーカーを探す
プロテインホエイ・ソイ・プロテインバープロテインOEMメーカー一覧
お菓子焼き菓子・グミ・チョコレートお菓子OEMメーカー一覧
調味料ソース・ドレッシング・だし調味料OEMメーカー一覧
飲料お茶・ジュース・機能性ドリンク飲料OEMメーカー一覧
健康食品サプリメント・青汁・プロテイン健康食品OEMメーカー一覧
ペットフードドッグフード・キャットフードペットフードOEMメーカー一覧

展示会で気になったメーカーと併せて、食品OEMの窓口のジャンル別メーカー一覧もチェックすることで、比較検討の幅が広がります。

知らないと失敗するOEMのポイントを解説

初めてのOEM、何から始めたらいいか迷っていませんか?

どのメーカーを選ぶかで、コストも品質も大きく変わります。

初心者の方でも失敗しない、OEMの進め方やメーカー選びのポイントを分かりやすくまとめています。

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よくある質問

食品展示会への出展は初めてでも大丈夫ですか?

初めてでも問題ありません。多くの展示会では初出展向けのガイドやサポートが用意されています。まずは1〜2小間の小規模出展から始めて、ブース運営や商談の流れに慣れるとよいでしょう。FABEX やiFia JAPANなど比較的コンパクトな専門展は初出展にも向いています。

来場者として訪問する場合、費用はかかりますか?

多くの食品展示会はBtoB向けのため、事前登録すれば入場無料です。ただし一般消費者は入場不可の場合がほとんどです。来場登録は各展示会の公式サイトから行えます。

OEM委託先を探す場合、どの展示会が適していますか?

OEM委託先を探すなら、FOODEX JAPANやJFEXのようにメーカーが多く出展する大規模展が効率的です。原料や素材から探したい場合はifia JAPANや食品開発展が適しています。いずれも展示会前に食品OEMの窓口で候補メーカーを調べておくと、当日の商談がスムーズです。

展示会の出展申し込みはいつまでにすればよいですか?

大規模展示会は開催の6〜8ヶ月前に申し込み締め切りとなるケースが多いです。FOODEX JAPANの場合、前年の秋頃には出展申し込みが開始されます。人気の展示会はブースが早期に埋まるため、余裕を持って準備を進めましょう。

地方の中小メーカーでも展示会出展のメリットはありますか?

地方メーカーにとってこそ、展示会は貴重な商談の場です。普段は接点のない都市部の大手バイヤーや海外企業と直接会える機会は限られています。FOOD STYLE Japanのように地方都市で開催される展示会もあるため、まずは近場の展示会から参加してみることをおすすめします。

海外市場への食品輸出を検討している場合は、海外食品展示会ガイドも併せてご覧ください。SIAL Paris、Anuga、Gulfood、THAIFEXなど世界各地の主要展示会情報を掲載しています。

まとめ

食品展示会は、新規取引先の開拓・業界トレンドの把握・OEM商談の加速に欠かせない機会です。国内だけでもFOODEX JAPAN、JFEX、ifia JAPAN、食品開発展、FABEXなど多数の展示会があり、それぞれ来場者層や商談の性質が異なります。

自社の出展目的・ターゲット・予算を明確にしたうえで、最適な展示会を選びましょう。出展を検討する前に、食品OEMの窓口で気になるメーカーの情報を収集しておくと、展示会当日の商談をより実りあるものにできます。

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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