ピープロテインのOEM製造ガイド|アレルゲンフリー・植物性・ブランド訴求に強い次世代プロテインとは

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近年、世界中で注目されている「ピープロテイン(えんどう豆たんぱく)」。ホエイやソイと比べて知名度はまだ低いものの、動物性不使用・アレルゲンフリー・環境負荷が低いといった特性から、欧米を中心に爆発的に市場が拡大しています。

日本国内でも、プロテインバーやグミ、機能性食品、植物性代替食への応用が始まっており、「次に来るたんぱく素材」として健康・環境・美容意識の高い層から支持を獲得しつつあります。本記事では、ピープロテインの特徴からメリット、用途、他素材との違い、OEM開発における注意点まで、実践的に解説します。

ピープロテインとは?──アレルゲンフリーな植物性たんぱく質

ピープロテインは、えんどう豆(主に黄色エンドウ)から抽出された植物性たんぱく質です。ソイと同じく植物性でありながら、大豆に比べてアレルギーのリスクが少ないことが最大の特長です。

また、えんどう豆は乾燥地でも栽培可能な作物であり、**水使用量・土地負荷が少ない“環境にやさしいプロテイン”**として、サステナブル志向の強い海外市場では急拡大中。アスリート・ヴィーガン・乳製品NG層など幅広いターゲットに対応可能です。

ピープロテインの種類と含有量──「コンセントレート型」が主流

ピープロテインは、ソイ同様に主に2種類のタイプが流通しています。

種類特徴タンパク質含有量主な活用シーン
ピープロテインアイソレート(PPI)炭水化物・脂質を極力取り除き、吸収効率と味を改善。精製度が高い。約80〜85%ヴィーガン向けドリンク、グルテンフリー食品
ピープロテインコンセントレート(PPC)一部の食物繊維や微量脂質を残した汎用タイプ。コストが低く、製菓・製パンにも使いやすい。約60〜70%プロテインバー、代替肉、焼菓子、栄養補助食品

※全脂粉(丸ごと粉砕した豆粉)はタンパク質含有量が低いため、プロテイン用途ではPPI/PPCが中心。

ピープロテインの主な効果

ピープロテインは「植物性」「無添加」「サステナブル」というイメージ先行で語られがちですが、実際の栄養面・機能面でも非常に優秀です。

主な機能・効果

  • 筋肉合成に有効なBCAAを豊富に含む:ロイシン含有量はホエイには及ばないが、ソイに匹敵。特に運動後サポートに。
  • 血糖値コントロール・腹持ちサポート:緩やかな吸収と繊維質により、インスリンの急上昇を抑制。
  • 腸内環境の維持:豆由来のオリゴ糖・食物繊維がプレバイオティクスとして働く。
  • アレルゲンフリー設計が可能:グルテン・乳・大豆フリーの設計がしやすく、食事制限中の方にも提案できる。

特に**ホエイやソイが使えない層への“第三の選択肢”**として、新商品の原料として使用されています。

ホエイ・ソイ・ピープロテインの比較

比較項目ホエイソイピー
タンパク含有量◎(90%超)◎(90%前後)○(80〜85%)
吸収速度非常に速い中間やや遅い
消化負担低い人によっては重い軽め
アレルゲン大豆なし(ほぼ)
味・風味飲みやすい豆感ありやや土っぽさあり(改善可)
環境負荷高め(動物性)非常に低い(低水・CO₂)
ベジ・ヴィーガン対応

OEM開発での活用ポイント

OEMでピープロテインを活用する際は、単に「植物性」という理由ではなく、“誰の、どんな悩みを解決するか”に基づく設計が重要です。

こんなブランドにおすすめ

  • ヴィーガン・サステナブルを軸にした新ブランド立ち上げ
  • 食物アレルギー対応(乳・大豆)を強調した機能性食品開発
  • アスリート向けの代替ホエイとして、新しい提案をしたいブランド
  • 海外(特に欧州・北米)市場への展開を見据えた企業

OEM設計上のポイント

  • ピープロテイン特有の風味を抑えるフレーバー開発が鍵
    → 抹茶、カフェオレ、黒糖などが相性◎
  • バインディング性の高さを活かし、グミやバーにも応用しやすい
  • アレルゲンフリー表示で差別化できる(乳・大豆・グルテン不使用)
  • 最小ロットはメーカーによって異なるが、100kg〜500kgが一般的

ピープロテインは“次世代ヘルス市場”の主役候補

ピープロテインは、ソイやホエイに比べて認知度はまだ低いものの、環境負荷・アレルゲン・栄養のバランスが取れた万能型素材として世界で評価が急上昇しています。特に日本市場においては、アレルギー対応食、ベジタリアン層、美容系プロテイン、ナチュラル系バーやおやつとしての活用に大きな伸びしろがあります。

OEM商品開発を検討している方にとって、ピープロテインは「他と被らない、自分たちらしい商品をつくる」ための強力な選択肢となるでしょう。

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