プロテインバー市場は今、スポーツ・美容・ダイエット・日常栄養補助など、あらゆるライフスタイルの中で注目を集めるカテゴリです。2020年代以降は、コンビニ・ドラッグストア・EC市場を中心に、高たんぱく・低糖質・グルテンフリー・ヴィーガン対応といったニーズが多様化し、差別化しやすい商品領域としてOEM需要も急増しています。
本記事では、初めてプロテインバーを自社ブランドで立ち上げたい方向けに、OEMの基本から成功のポイント・費用感・おすすめメーカーまでを徹底解説します。
プロテインバーOEMとは?どんな製品が作れるのか
プロテインバーOEMとは、自社で工場を持たずに、専門メーカーに製造を委託してプロテインバーを製品化することです。OEMなら企画と販売に専念しながら、製造・栄養設計・包装までを一括外注できます。
開発可能な製品タイプ(例):
- 目的別:ダイエット系(低糖質・ロカボ)、筋トレ系(高たんぱく)、美容系(コラーゲン配合)など
- たんぱく源:ホエイ、カゼイン、ソイ、大豆ミート、ピー(えんどう豆)など
- テクスチャ:しっとり系、ザクザク系、ソフトベイクタイプ、グラノーラベースなど
- その他特徴:シュガーフリー、グルテンフリー、ナッツ入り、ヴィーガン対応、チョコレートコーティングなど
「〇〇ターゲットに向けて/××の味で/△△の成分構成で」など、コンセプトを具体化すれば、ほぼ理想通りの製品を小ロットからOEM開発できます。
プロテインバーOEMのメリット・デメリット
メリット
- 設備投資ゼロで高品質製品が作れる:専門メーカーのラインを活用することで、初期費用を最小限に抑えながら、商業レベルの製品を市場に投入できます。
- 栄養設計や表示法対応まで一括相談できる:「たんぱく質何g入れる?」「カロリーは何kcal?」といった細かい設計まで相談可能。食品表示のルールにも精通しています。
- D2C・Amazon・店舗向けなど、多様な販路に応じた設計が可能:小型包装、栄養補助食品の体裁、ギフト向けパッケージなど、販売チャネルに最適化できます。
デメリット
- ロット制約がある(最低2000~3000本/味が一般的):製造効率の都合上、最低本数がある程度必要となります。小ロットで割高になりやすいのが初期のハードルです。
- 原材料や形状の自由度には制限もある:機械の仕様により、水分量やサイズ、トッピングなど制約を受ける場合があります。
- 販売戦略なしで作ると在庫が残る:OEMに向いている製品ほど“誰にどう売るか”の計画が欠かせません。OEMはあくまで手段、販売戦略が本丸です。
依頼の流れ|OEMを成功させる進め方
- ステップ1:企画相談:商品コンセプト、ターゲット、希望原料、価格帯、販路などを共有。OEMメーカーから提案を受けます。
- ステップ2:試作依頼と評価:味・食感・栄養成分・賞味期限などをチェック。数回の試作で調整しながら、量産仕様に近づけます。
- ステップ3:見積もり・契約:ロット数・製造単価・資材費・納期を確認。ラベル・パッケージの校了もここで行います。
- ステップ4:本製造・納品:量産に入り、指定の場所へ納品。初回は余裕を持った納期設定がポイントです。
費用の目安
- 試作費用:2万円~5万円/1ロット
- 製造単価:80円~200円/本(内容量・原料により大きく変動)
- 最低ロット:1味2400本前後が主流(下限2000本〜)
- パッケージ資材費:15~40円/本(印刷の有無で変動)
- 初期費用合計目安:50万〜100万円規模(最小ロット生産+資材費含む)
※OEMメーカーにより、「味数」「包装形態」「配送単位」などで変動するため、早期見積もり相談が重要です。
OEMメーカーの選び方|プロテインバー成功のカギ
- ロット規模と自社戦略が一致しているか
- 栄養成分・テクスチャ・原料提案力があるか
- スポーツ・美容・健康など用途別の開発経験が豊富か
- 試作〜製造までの進行管理がスムーズか
- 食品表示・栄養設計・OEM表示に対応できる体制があるか
初めてのOEMでは「提案力」と「サポート力」に注目するのが重要です。言われた通りに作るだけのOEMでは、失敗リスクが高まります。
おすすめのOEMメーカー3選
株式会社清田製菓(愛知県)
菓子・バータイプ商品に強みを持つ老舗メーカー。しっかり食感のプロテインバーや、スナック系高たんぱく製品に対応可能。健康食品やコンビニ向け菓子PBなどの実績が豊富で、素材選定・食感調整・パッケージデザインまでワンストップで相談できます。
- 対応ジャンル:プロテインバー、スナックバー、健康チョコレートなど
- 特長:
- 小売・量販向け製品に強い
- チョココーティングやザクザク食感など食べ応え重視の製品が得意
- パッケージ印刷・デザインにも対応可能
株式会社きのした(群馬県)
群馬県の「しっかり工場」にて製造を行う、バータイプ食品(シリアルバー、プロテインバーなど)専門のOEMメーカーです。糖類・穀粉・果汁・はちみつなどをバインダーとしたバー製品を、焼成+乾燥加工により提供しており、「しっかり焼き上げたオーブン仕上げの食感」と安心感のある原料構成が特長です。
- 対応ジャンル:プロテインバー、シリアルバー、ナッツバー、野菜バーなど
- 特長:
- 糖類や果汁、はちみつを用いた焼成+乾燥仕上げ
- 1ロット約20,000本〜40,000本(製品サイズにより変動)
- 縦ピロー包装・給袋式包装に対応
- 製造からパッケージ・箱詰めまで一貫対応
- 群馬県(製造)+東京都(開発・本社)の二拠点体制
メイザー株式会社(大阪府)
ソイプロテインを使用した30gスティックタイプのバーをOEM対応。添加物を極力使わないナチュラル志向の設計で、2400本からの小ロット製造が可能。ドライフルーツ入りなど素材を活かしたシンプル設計に定評があり、価格・品質バランスに優れる。
- 対応ジャンル:ソイプロテインバー(プレーン、ココアなど)
- 特長:
- 1味2400本から製造可能
- 添加物不使用で素材本来の味わいに
- 健康志向・自然派ブランドとの相性◎
失敗しないためのポイント
- コンセプト(味/成分/食感/価格)の優先順位を明確にする
- OEM先の過去実績や設備範囲をよく確認する(できること/できないこと)
- 小ロット=コスト高を踏まえ、販売価格・利益設計も早期に想定しておく
- 賞味期限と保存方法の条件を確認し、EC/常温流通向けか見極める
- 食品表示法・薬機法に沿った表示設計をOEMメーカーと連携して進める
売れるプロテインバーはOEM戦略から始まる
プロテインバーは、狙う市場や目的によって、商品設計の切り口が大きく異なります。
「高たんぱく・おいしい・映える」だけでは競争を勝ち抜けない時代。OEMメーカーと密に連携し、自社のコンセプトに最適な設計・製造を実現することが、成功の第一歩です。
小ロット対応の信頼できるメーカーと組めば、失敗リスクを抑えながら、確かな品質と差別化を両立した商品開発が可能です。ぜひ本記事を参考に、OEM相談から第一歩を踏み出してみてください。