ハーブティーOEM製造ガイド|ブレンド設計と薬機法

この記事の要約
ハーブティーOEM製造のブレンド設計と薬機法対応ガイドです。最小ロット500〜1,000個、試作4〜6回、リードタイム6〜10週間という前提条件を示し、ベースハーブ50〜70%・アクセント20〜35%・フレーバー5〜15%の3層構造配合、カモミール・ジャスミン・ミント・タイム等の相性、「不眠を改善」など薬機法NG表現の具体的な言い換え例、サロン向け・卸向けなど販路別設計の考え方まで紹介します。

ハーブティーのOEM製造を検討しているけれど、何から始めればいいか分からない。そんなお客様の声をよく耳にします。紅茶や緑茶と違い、ハーブティーは素材の組み合わせが無限にあるぶん、ブレンド設計で迷いやすいのが実情です。

この記事では、初めてハーブティーOEMに取り組む会社の担当者に向けて、ブレンド設計の3層構造、薬機法で使えない表現の一覧、メーカー選びで確認すべきポイントまで網羅しています。サロンや卸向けなど、販路に合わせた設計の考え方も紹介しているので、社内検討の資料としてそのまま利用できます。

目次

ハーブティーOEMの基礎知識

初めてのOEMで押さえる3つの前提

ハーブティーのOEM製造を希望する場合、最初に確認すべき前提が3つあります。

1つ目は最小ロットです。ハーブティーOEMの最小ロットは500〜1,000個が一般的で、紅茶や緑茶のOEMと比べるとやや高めに設定されています。ブレンド工程が加わるためです。

2つ目は薬機法の制約です。ハーブは医薬品的な効能をうたえないため、パッケージやECサイトに書ける表現が限られます。これを知らずに進めると、製造後にラベルの刷り直しが発生します。詳しくはお茶OEMの選び方ガイドも参考にしてください。

3つ目は原料の安定調達です。ハーブは天候や産地の影響を受けやすく、同じ品質の原料を継続的に確保できるかがメーカー選びの判断材料になります。実績のある会社ほど、複数の仕入れルートを持っています。

紅茶・緑茶との製造上の違い

紅茶や緑茶は単一原料で製造できますが、ハーブティーは複数素材のブレンドが基本です。そのため、試作回数が多くなる傾向があります。

項目 紅茶・緑茶OEM ハーブティーOEM
原料数 1〜2種類 3〜8種類
試作回数 2〜3回 4〜6回
薬機法リスク 低い 高い(効能表現に注意)
最小ロット目安 300〜500個 500〜1,000個
リードタイム 4〜6週間 6〜10週間

ハーブティーは使用する素材の数だけ風味のバリエーションが広がります。その反面、配合比率を間違えると味がぼやけるため、ブレンド設計の段階でしっかり方向性を固める必要があります。

ブレンド設計の3層構造

ハーブティーのブレンドは、ベース・アクセント・フレーバーの3層で考えると設計がスムーズに進みます。各層の役割と配合比率の目安を解説します。

ベース・アクセント・フレーバーの配合比率

配合比率 役割 代表的な素材
ベースハーブ 50〜70% 味の土台。飲みやすさを決める カモミール、ルイボス、レモングラス
アクセントハーブ 20〜35% 個性を加える。差別化の要 ジャスミン、ミント、タイム
フレーバー素材 5〜15% 香りの仕上げ。印象を左右する ローズペタル、ドライフルーツ、シナモン

ベースハーブで安心して飲める味の土台を作り、アクセントで他社との違いを出し、フレーバーで香りの印象を仕上げる。この順番で設計すると、試作の手戻りが減ります。

ジャスミン・タイム・ミントの相性

アクセントハーブとして人気の高い3素材の相性を整理します。

組み合わせ 相性 ターゲット 販路の目安
カモミール × ジャスミン 女性向け・サロン EC・サロン卸
レモングラス × ミント 爽快感を求める層 コンビニ・スポーツジム
ルイボス × タイム 健康志向・男性にも ドラッグストア・EC
カモミール × ミント 幅広い層 スーパー・量販店
ジャスミン × タイム 上級者向け セレクトショップ

サロン向けならジャスミンを軸に、卸向けの汎用品ならミントを軸にすると設計しやすくなります。ドレッシングOEMと同様に、ターゲットを先に決めてから素材を選ぶのが失敗しないコツです。

薬機法とNG表現の注意点

ハーブティーOEMで最も気をつけるべきは薬機法です。食品であるハーブティーに医薬品的な効能効果をうたうと、薬機法違反となり行政処分の対象になります。

使えない表現と言い換え一覧

NG表現 理由 OK表現(言い換え例)
不眠を改善 医薬品的効能 おやすみ前のひとときに
アレルギーを抑える 医薬品的効能 季節の変わり目を快適に
血圧を下げる 医薬品的効能 毎日の健康習慣として
ストレス解消 医薬品的効能 ほっと一息つきたいときに
デトックス効果 医薬品的効能 すっきりした毎日をサポート
免疫力アップ 医薬品的効能 体の内側から元気に

パッケージだけでなく、ECサイトの商品説明やSNS投稿も薬機法の対象です。食品OEMラベルの作り方で表示ルールの基本を押さえたうえで、OEMメーカーの薬事チェック体制を確認してください。違反が発覚した場合、商品回収と改修費用が発生するだけでなく、ブランドの信頼を大きく損ないます。

OEMメーカーの選び方と実績

ハーブティーOEMの会社を選ぶとき、価格だけで判断すると後悔します。以下の5項目を事前に確認しておくと、安心して生産を任せられるメーカーを見極められます。

会社選びで確認すべき5項目

確認項目 チェック内容 目安
ブレンド実績 ハーブティーの製造実績が何年あるか 3年以上が安心
薬事チェック体制 パッケージ表現の薬機法チェックを社内で行えるか 専任担当者がいること
最小ロット 初回の最低発注数量 500〜1,000個
原料調達力 希望するハーブの安定仕入れが可能か 複数仕入先を持つこと
試作対応 試作の回数制限や費用 3回まで無料が理想

とくにブレンド実績と薬事チェック体制は重要です。ハーブティーの製造経験が浅い工場では、配合比率の微調整に時間がかかり、納期が延びるケースがあります。OEM工場コミュニケーション術を参考に、初回打ち合わせで対応力を見極めてください。

小ロット対応の見極め方

「小ロット対応可」と書いてあっても、実際の条件は会社によって異なります。500個と言いつつ、原料の最低購入量が1,000個分というケースもあるため、見積もり段階で「原料費込みの総額」を確認してください。

初めてのOEMなら、まず500個で試験販売し、反応を見てから増産する流れが堅実です。D2C食品ブランドの立ち上げ方でも紹介しているように、小さく始めて検証するのが成功への近道です。

製造の流れと費用の目安

試作から量産までの8ステップ

ハーブティーOEMの製造は以下の8ステップで進みます。

ステップ 内容 期間の目安
1. ヒアリング ターゲット・販路・希望する味の方向性を共有 1週間
2. 素材選定 使用するハーブと産地を決定 1〜2週間
3. ブレンド試作 配合比率を変えた複数パターンを試作 2〜3週間
4. 官能評価 味・香り・色の確認と調整 1週間
5. パッケージ設計 ティーバッグ素材・個包装・ラベルの決定 2週間
6. 薬事チェック パッケージ表現の薬機法適合確認 1週間
7. 量産 生産ラインでの本製造 2〜3週間
8. 納品・検品 最終検品後に出荷 1週間

全工程で約10〜14週間が標準的なリードタイムです。繁忙期(10〜12月)はさらに延びるため、余裕を持ったスケジュールで進めてください。

費用の内訳と生産ロット

費用項目 目安 備考
試作費 3〜10万円 3回程度の試作を含む
原料費 1個あたり30〜80円 素材の種類と産地で変動
加工費 1個あたり20〜50円 ブレンド・充填・個包装
パッケージ費 1個あたり15〜40円 ティーバッグ素材と外装
薬事チェック費 0〜5万円 メーカーにより無料の場合あり

1,000個ロットの場合、1個あたりの製造原価は65〜170円が目安です。卸向けなら200〜300円、EC直販なら500〜1,000円の販売価格帯が一般的です。食品OEMの費用相場で他ジャンルとの比較も確認できます。

ハーブティーOEMの掲載企業

食品OEMの窓口に掲載中の企業から、ハーブティー・お茶の製造に対応可能なメーカーをご紹介します。

企業名 対応商品 特徴
株式会社大和 ハーブティー・紅茶・緑茶・ブレンドティー ハーブティーのブレンド実績が豊富。薬事チェック体制あり
カネカ北川製茶株式会社 緑茶・紅茶・ブレンドティー 静岡の製茶会社。茶葉ベースのハーブブレンドに対応
株式会社牛島製茶 緑茶・紅茶・フレーバーティー 八女茶の産地。茶葉とハーブの組み合わせブレンドが得意
神戸紅茶株式会社 紅茶・ハーブティー・フレーバーティー 紅茶の老舗。ハーブブレンドティーの製造実績あり
ツジコー株式会社 粉末茶・ティーバッグ・ブレンド茶 粉末加工技術に強み。ティーバッグのOEM製造に対応
Agriture株式会社 お茶・乾燥野菜・ハーブブレンド 京都拠点。乾燥野菜とハーブを組み合わせたオリジナルブレンドに対応

掲載をご希望の企業様はこちらからお問い合わせください。

知らないと失敗するOEMのポイントを解説

初めてのOEM、何から始めたらいいか迷っていませんか?

初心者の方でも失敗しない、OEMの進め方やメーカー選びのポイントを分かりやすくまとめています。

\ 無料でダウンロード /

ハーブティーOEMで成功するために

ハーブティーOEMは、ブレンド設計の自由度が高い反面、薬機法の制約やメーカー選びで判断を誤ると手戻りが大きくなります。この記事で解説した3つのポイントを整理します。

まず、ブレンドは3層構造(ベース・アクセント・フレーバー)で設計すること。次に、パッケージやECサイトの表現は薬機法のNG表現リストと照合すること。そして、メーカー選びではブレンド実績と薬事チェック体制を重視すること。

初めてのお客様でも、この3点を押さえれば安心してハーブティーOEM製造を進められます。まずは希望する味の方向性とターゲット層を整理してから、メーカーへの相談を始めてください。

Q1. 最小ロットはどのくらいですか?

ハーブティーOEMの最小ロットは500〜1,000個が一般的です。ブレンド工程があるため、紅茶や緑茶のOEMよりやや多めに設定されています。初回は500個で試験販売し、反応を見てから増産する流れが堅実です。

Q2. 配合比率は自分で決められますか?

基本的には自由に決められます。ただし、OEMメーカーのブレンダーと相談しながら調整するのが一般的です。希望する味のイメージや参考商品を伝えると、プロが配合比率を提案してくれます。

Q3. 薬機法違反のリスクはどのくらいですか?

薬機法違反が発覚した場合、行政指導や商品回収の対象になります。ECサイトの商品ページも対象なので、パッケージだけでなくオンラインの表現もチェックが必要です。OEMメーカーに薬事チェックの体制があるかを確認してください。

Q4. ノンカフェインにするには?

カモミール、ルイボス、ペパーミントなどはカフェインを含まないため、これらをベースにすれば「ノンカフェイン」の訴求が可能です。妊婦様や授乳中のお客様にも安心して提案できます。

Q5. 賞味期限はどのくらいですか?

個包装のハーブティーで12〜18ヶ月が一般的です。窒素充填やアルミ個包装を使用することで、香りの劣化を抑えて賞味期限を延ばせます。保管条件によっても変わるため、メーカーと相談して決めてください。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

目次