カフェOEMでオリジナル商品を作る方法|物販強化ガイド

「物販もやりたいんですが、何から始めればいいか…」というご相談、本当によくいただきます。

カフェを経営していると、ドリンクやフードだけの売上に限界を感じる瞬間がありますよね。席数は決まっている、人件費は下げられない。そんな状況で「物販」は、カフェの収益構造を変える切り札になります。

この記事では、OEMを活用してカフェオリジナル商品を作り、物販売上を伸ばす具体的な方法をまとめました。商品企画から販路戦略、原価管理まで、実務レベルで使える情報をお届けします。

目次

この記事でわかること

  • カフェOEMで作れる商品の種類と選び方
  • 世界観を活かした商品企画の3つのポイント
  • 店頭・EC・ギフト・サブスクの販路別戦略
  • 物販売上比率の目標設定と原価管理の考え方
  • OEMパートナーを選ぶときの比較ポイント

カフェに物販が必要な理由|収益構造を変えるOEMの力

飲食業だけで安定した利益を出すのは、年々難しくなっています。原材料費の高騰、光熱費の上昇、人手不足による人件費増加——こうしたコスト構造の変化に対応するには、「席を増やす」以外の戦略が必要です。

物販の最大のメリットは、空間・時間の制約を受けないこと。テイクアウトコーヒーは一杯売るたびに手が必要ですが、ドリップバッグは棚に並べておくだけで売れます。EC販売であれば、カフェが閉まっている深夜でも注文が入ります。

そこで活用できるのが「カフェOEM」です。OEMとは、自社ブランドの商品を外部メーカーに製造委託する仕組みのこと。自前で製造設備を持たなくても、オリジナルブランドの商品をつくれます。

物販売上比率の業界目安は、売上全体の10〜20%が一つの目標ラインです。この水準を超えると、収益の安定感が大きく変わります。

カフェOEMで作れる商品ラインナップ

どんな商品を作るかで、ブランドの印象と売上が変わります。カフェのコンセプトに合わせて選ぶのが基本。まずは代表的な商品カテゴリを整理しておきましょう。

カテゴリ 代表商品 最小ロット目安 単価帯
コーヒー系 ドリップバッグ、コーヒー豆 500〜1,000個 150〜400円/袋
お茶・ハーブ系 オリジナルティーバッグ、茶葉 300〜500個 200〜600円/袋
焼菓子 クッキー、フィナンシェ、スコーン 200〜500個 300〜800円/個
シリアル系 グラノーラ、オートミールミックス 300〜500袋 500〜1,200円/袋
ソース・ジャム オリジナルシロップ、フルーツジャム 100〜300本 600〜1,500円/本

ドリップバッグOEMは、ロットが小さく始めやすいため、物販初挑戦のカフェに特に人気があります。1袋あたりの原価を抑えながら、パッケージで世界観を表現しやすいのも大きな利点です。

世界観を活かした商品企画の3つのポイント

OEMで商品を作るとき、「とりあえず売れそうなものを」という発想では失敗しやすいです。カフェの物販が強いのは、「このお店のもの」という付加価値があるから。その強みを商品に乗せられるかどうかが、売れ行きを左右します。

ポイント①:カフェのストーリーを商品に落とし込む

「京都の古民家カフェ」なら、和素材を使ったほうじ茶グラノーラ。「サーフ系のビーチカフェ」なら、ハワイアンスタイルのコーヒーブレンド。商品が「そのカフェらしさ」を持っているほど、お客さんはお土産として選びやすくなります。

パッケージデザインにも投資する価値があります。SNS映えする見た目の商品は、お客さんが自発的に拡散してくれます。実際、パッケージデザインへの投資でInstagram経由の問い合わせが大きく増えたというカフェの事例もあります。

ポイント②:ギフト需要を意識した商品設計にする

カフェ物販の売上の多くは、ギフト購入が占めます。「自分用に買う」よりも「誰かへのお土産・プレゼントに買う」ケースが圧倒的に多いのが実態です。

だから、単品よりもギフトセットとして売れる設計が大切。ドリップバッグ5袋+焼菓子2種のセットを専用の箱に入れて販売する——こういった展開が、客単価を上げる鍵になります。

ショップカードや手書き風のメッセージカードを同封するだけで、ギフト感が格段に上がります。「このカフェで飲んで、気に入ったから贈りたい」という動線をつくることが重要です。

ポイント③:原価率をしっかり設計する

物販の適正原価率は30〜40%が目安です。飲食の原価率(一般的に30〜35%)と近い水準ですが、物販は人件費が少ない分、利益率を高く設定できます。

商品 販売価格 原価目安 原価率 粗利
ドリップバッグ5袋セット 800円 280円 35% 520円
オリジナルクッキー缶 1,800円 600円 33% 1,200円
グラノーラ200g 1,200円 420円 35% 780円

販路別の戦略|店頭・EC・ギフト・サブスクを使い分ける

作った商品をどこで売るか——これが物販成功のもう一つの核心です。

店頭販売(レジ横・テイクアウト動線)

最も始めやすいのが、カフェ内での店頭販売です。購入タイミングとして最も効果的なのは「帰り際のレジ横」。飲食後の満足感が、そのまま購買意欲につながります。

商品はレジから視線が届く範囲に置くこと。手が届く高さに並べ、価格を明示する。ここを丁寧に設計するだけで、購入率が2倍以上変わることもあります。

ECサイト展開

ECは物販の「最大の武器」です。地理的制約がなくなり、全国のカフェファンに商品を届けられます。自社ECの構築が難しければ、BASEやShopifyで比較的少ない初期費用から始められます。

注目したいのは、カフェのSNSフォロワーがEC購入者に転換しやすい点です。Instagramで商品を投稿し、ストーリーズでリンクを貼る——この動線を整えるだけで、月に数十件の注文が入るカフェも珍しくありません。

サブスクリプションモデル

「毎月オリジナルブレンドをお届け」「季節のクッキー缶を定期便で」——こういったサブスクモデルは、安定した固定収入を生み出します。解約率さえ管理できれば、売上予測が立てやすくなるのが大きなメリットです。

月額2,000〜4,000円の価格帯で、50人のサブスク会員がいれば毎月10万〜20万円の固定収益が見込めます。これは経営の安定性に直結します。

OEMパートナーの選び方と比較ポイント

カフェOEMで最も重要なのが、パートナーとなる製造会社の選定です。見た目が似ていても、対応力は会社によって大きく異なります。

比較項目 チェックポイント
最小ロット 少ロット対応(300個〜)かどうか
パッケージ対応 オリジナルデザイン印刷まで対応しているか
食品表示サポート 原材料表示・アレルゲン表示の作成支援があるか
納期 初回サンプルまでの期間、量産リードタイム
実績 カフェ・飲食店の物販OEM実績があるか

特に食品表示サポートは見落としがちなポイントです。ここで対応が不十分だと、リコールや行政指導につながるリスクがあります。製造委託先がどこまでサポートしてくれるか、必ず事前に確認してください。

自社で一からパートナーを探すのは手間がかかります。複数社を比較したい場合は、OEMマッチングサービスを活用すると、目的に合った会社を効率的に見つけられます。

まとめ|カフェOEMで物販を「もう一本の収益の柱」に

カフェがOEMでオリジナル商品を作り、物販を強化するためのポイントを整理します。

  • 商品選定: ドリップバッグや焼菓子など、カフェの世界観に合った商品から始める
  • 企画視点: ギフト需要を意識し、ストーリーのある商品デザインにする
  • 原価管理: 原価率30〜40%を目安に、粗利を意識した価格設定をする
  • 販路展開: 店頭販売→EC→サブスクの順で段階的に広げる
  • パートナー選定: 少ロット対応・パッケージ対応・食品表示サポートを確認する

物販売上比率10〜20%を目標に、まずは1〜2品からスタートするのが現実的です。「完璧な商品ラインナップ」を最初から揃えようとせず、売れる商品を少しずつ増やしていく——それが物販強化の王道です。

カフェOEMの具体的な費用感や進め方が気になる方は、ぜひ一度ご相談ください。

よくある質問

Q1: カフェOEMは何個から作れますか?

A1: 商品カテゴリによって異なりますが、ドリップバッグOEMであれば500〜1,000個から対応しているメーカーが多いです。焼菓子やジャム類は200〜300個から対応可能なケースもあります。小ロット対応メーカーを選ぶことが、コストを抑えながら始めるコツですよ。

Q2: カフェオリジナル商品のパッケージデザインはどこに頼めばいいですか?

A2: OEMメーカーがデザイン制作を内製またはパートナー会社と連携して対応しているケースがあります。個別に依頼する場合は、食品パッケージ専門のデザイン会社かクラウドソーシングを活用するのが効率的です。食品表示のレギュレーションを理解したデザイナーに依頼することをおすすめします。

Q3: カフェの物販売上比率はどのくらいが理想ですか?

A3: 一般的には売上全体の10〜20%が目標ラインです。この水準に達すると、飲食売上の変動をある程度カバーできる安定性が生まれます。まずは5〜10%を目指し、商品ラインナップを充実させながら引き上げていくのが現実的なステップです。

Q4: ドリップバッグOEMの費用はどのくらいかかりますか?

A4: オリジナルパッケージ込みで1袋あたり100〜250円程度が目安です。初回のデザイン版代や金型代が別途かかるケースがあるため、見積もり段階で初期費用も含めて確認しましょう。ロット数が増えるほど単価は下がります。

Q5: カフェOEMで食品表示はどう対応すればいいですか?

A5: 加工食品には食品表示法に基づく原材料名・アレルゲン・賞味期限・製造者などの記載が義務付けられています。多くのOEMメーカーは食品表示の作成サポートを行っています。自社で対応する場合は、消費者庁の食品表示ガイドラインを確認するか、専門家に相談することをおすすめします。

Q6: ECサイトはどのプラットフォームから始めるのがいいですか?

A6: 商品点数が少ない段階では、BASEやShopifyなど月額固定費が低いプラットフォームで小さく始めるのが定番です。Instagramのプロフィールにリンクを貼り、DM経由で注文を受ける方法もあります。軌道に乗ってきたら自社ECに移行するという順番が、リスクを最小限に抑えられますよ。

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

株式会社Agriture 代表取締役/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

目次