東南アジアの食品展示会ガイド|THAIFEX・FHAで日本食品の販路を開拓

東南アジアは日本食品の輸出先として急成長している市場です。2024年のタイ向け輸出額は628億円(前年比+22.9%)、ベトナム向けは862億円と過去最高を記録し、2016年の323億円から2.7倍に拡大しました。インドネシアの日本食レストランは約6,580店と前回調査から2,580店増の爆発的な伸びを見せています。

一方で、イスラム教人口がASEAN全人口の約41%を占めるため、ハラール対応は輸出戦略の重要課題です。本記事では、国別の市場特性・ハラール認証の実務・流通チャネル・展示会情報を解説します。

目次

東南アジアの主要食品展示会一覧

展示会名開催時期開催国特徴
Philippine Food Expo4月フィリピンフィリピン食品の国際発信
FHA Singapore4月(隔年)シンガポールアジア最大級。115ヶ国・2,750社出展
THAIFEX – Anuga Asia5月タイアジア太平洋最大。14万m2超
Food & Hospitality Indonesia7月インドネシア人口2.7億人の巨大市場
Asia Food Expo (AFEX)9月フィリピンフィリピン最大のF&B見本市
SIAL Interfood Jakarta11月インドネシアSIALブランドのインドネシア版
Vietnam Foodexpo11月ベトナムベトナム商工省主催

国別の市場詳細

タイ — 日本食レストラン5,920店、成熟市場へ

タイの日本食レストランは2025年調査で約5,920店(ASEAN域内2位)に達しましたが、直近の調査では5,781店に減少し、2007年の調査開始以来初の減少を記録しました。経済低迷と市場成熟が要因で、消費者の日本食知識が向上した結果、専門性やストーリー性を持つ食品への需要がシフトしています。

セブン-イレブンが約15,000店舗を展開し、日本食品の流通チャネルとして重要な役割を果たしています。DON DON DONKIは8店舗を展開。ホタテ貝の輸出は前年比3.4倍と急伸し、調味料・菓子・日本酒も安定した需要があります。

インドネシア — 日本食レストラン6,580店、ハラール義務化

世界最大のムスリム人口を有するインドネシアでは、日本食レストランが約6,580店と前回調査から2,580店増の爆発的成長を遂げています。即席麺市場は世界第2位(年間147億食、一人当たり約70食)で、現地大手が圧倒的なシェアを持つ中、日系メーカーも現地生産体制を構築しています。

2026年10月17日から食品・飲料の大半(1,200品目超)にハラール認証が義務化される予定で、中小企業向けにはSIHALAL(ハラール自己宣言プログラム)で無料または補助付きの認証取得が可能です。猶予期間内の準備が推奨されています。

シンガポール — 一人当たりGDP8.4万ドルの高所得市場

一人当たりGDP約84,000ドル(日本の2倍超)のシンガポールは、プレミアム日本食品の需要が強い市場です。日本食レストランは1,100店超で、食品サービス市場は2024年の223億ドルから2033年に871億ドルへ拡大が予想されています。和牛、日本酒、高級菓子への需要が安定しており、日本からの輸出は過去6年で約2倍に拡大。DON DON DONKIが17店舗を展開し、日本食品の販売チャネルとして機能しています。

ベトナム — 日本食レストラン16倍に急増

ベトナムの日本食レストランは2004年の約100店舗から1,620店舗へと16.2倍に急増しました。外食での日本料理への支出は一人当たり270,000VND(約1,260円)で全カテゴリ中最高です。2024年の輸出額は862億円で過去最高を記録し、ホタテ貝は前年比12.9倍(106億円)と急増しています。中国の輸入規制の影響でベトナムへの振替が進んだことが背景です。

フィリピン — 若年人口とアニメ経由の日本食人気

人口約1.1億人・平均年齢25歳前後のフィリピンは、消費意欲と外食頻度が高い市場です。家計支出に占める食品・飲料の割合は約4割。訪日フィリピン人の購入品目では菓子類が1位で、日本の菓子ブランドへの認知度が高い状況です。アニメ好きの増加が日本食への関心を牽引しており、日本食は「特別なもの」として価格への許容度が高い傾向があります。

マレーシア — 世界のハラール認証ハブ

マレーシアは「グローバル・イスラム経済指標ランキング」81ヶ国中1位で、政府機関JAKIMが41ヶ国67団体と相互認証を締結するハラール認証のハブです。国家計画「Halal Industry Master Plan 2030」ではハラール産業をGDPの11%、輸出2,300億リンギット(約7兆円)に拡大する目標を掲げています。DON DON DONKIが2店舗展開し、日本からの輸出は過去10年で2倍以上に拡大しています。

ハラール認証の実務

国別の認証機関と相互認証

認証機関特徴
マレーシアJAKIM世界最厳格基準の一つ。41ヶ国67団体と相互認証
インドネシアBPJPH2026年10月に義務化。SIHALAL制度あり
シンガポールMUIS比較的柔軟。ASEAN域内で認知度が高い
タイCICOT輸出向け認証取得企業が増加

日本国内での取得コストと期間

日本国内には30以上のハラール認証機関がありますが統一基準はなく、輸出先国の認証機関が認める団体を選ぶ必要があります。NPO法人日本ハラール協会はJAKIM・BPJPH・MUIS・CICOTの4機関から承認を受けており、幅広い国への輸出に対応できます。

  • 費用: 審査申請料2万円、検査費用は食品販売で4万円程度、工場認証で120〜200万円。初期審査は単純な製品で20〜50万円、目安は全体で100万円前後
  • 期間: 3〜6ヶ月が目安。書類が整備されている場合は2週間〜1ヶ月で発行される場合も
  • 認証不要な商品: 野菜、果物、魚類、水は原則ハラール。天然のまま、または最小限の加工であれば認証不要。ただし国により要件が異なる

流通チャネルとEC

実店舗

  • DON DON DONKI: 海外7ヶ国で110店舗超(2025年1月)。シンガポール17店、タイ8店、マレーシア2店。香港で桃を初日3トン販売、タイでいちご初日3,000パック、アジア全体で焼き芋年間400トン販売の実績
  • セブン-イレブン: タイで約15,000店舗。毎年700店の新規出店。日本食品の最大流通チャネル
  • イオン: マレーシア・タイ・インドネシアで日本食品コーナーを展開

ECプラットフォーム

東南アジアのEC市場は2023年にGMV 1,146億ドル(約17兆円)に達しました。

プラットフォームシェア特徴
Shopee48%最大手。法人でなくても出店可能で参入障壁が低い
Lazada16.4%アリババ傘下。LazMallで正規品のみ扱い
TikTok Shop14.2%ショート動画+ライブコマース。若年層向け

東南アジアのライブコマース市場は2022年の約44億ドルから2023年に163億ドルへ約4倍に急拡大しています。タイではTikTokライブコマースのGMVが2024年に前年比500%超の成長を遂げており、動画コマースがEC全体収益の20%を占めるようになりました。日本食品は賞味期限が長くコンパクトなもの(菓子・調味料・茶)がEC向きで売れ筋です。

展示会の全体スケジュールは食品展示会カレンダーで確認できます。OEMメーカーの事前リサーチには食品OEMの窓口をご活用ください。

情報ソース

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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