読み方
すぷれーどらい
英語表記
Spray Drying
意味・解説
スプレードライとは、液体やペースト状の原料を霧状に噴霧し、熱風によって瞬時に乾燥させて粉末化する加工方法です。主に飲料・調味料・乳製品・たんぱく質原料などに使われ、水に溶けやすく、流動性の高い粉末を大量かつ効率的に製造できます。
食品OEMや原料開発の分野では、液体を粉末化する手法としてもっとも汎用性が高く、コスト効率にも優れることから、さまざまな業種で活用されています。
主な用途
・インスタント飲料や粉末スープ(コーヒー、紅茶、味噌汁など)
・粉末だし・調味料・ブイヨンなどの業務用原料
・プロテインパウダーや健康食品用の成分粉末
・乳製品(脱脂粉乳、ホエイパウダーなど)
・香料・エキス・発酵液などの濃縮物の粉末化
ポイント解説
・液体の成分を失わずに乾燥・保存性を高めるのに優れている
・瞬時に乾燥させるため、熱に弱い成分でも比較的安定性が高い
・粉末化した後の再溶解性(水への溶けやすさ)が高い
・粒径や含水率の調整がしやすく、製品ごとのスペック管理が可能
・ただし、設備コストや初期ロットが大きいため、OEM時は最小量の確認が必要
関連用語
・フリーズドライ(真空凍結乾燥)
・パウダー加工
・噴霧乾燥
・液体原料
・健康食品原料
豆知識
スプレードライは、19世紀末に開発された工業的乾燥技術で、現在では食品・医薬品・化粧品・農業資材など幅広い分野に応用されています。食品分野では、液体の「持ち運びにくさ」や「保存のしにくさ」を解消する技術として不可欠であり、OEMメーカーでもスプレードライ設備の有無が差別化要因となっています。近年は植物エキスや機能性成分の微粒子化にも活用され、粉末茶・発酵原料・ベジタブルパウダーなどで応用が進んでいます。