惣菜OEM完全ガイド|個食パック・MAP包装・冷凍技術と対応メーカー

惣菜市場は2024年に11兆2,882億円で過去最高を3年連続更新しました。単身世帯と共働き世帯の増加、高齢化による調理離れ、タイムパフォーマンス重視の消費行動が追い風です。特に「個食パック」の需要は急拡大しており、60g〜300gの1人前パックは冷凍・チルド・常温のすべての温度帯で成長しています。本記事では、惣菜OEMの種類やMAP包装技術、個食市場のトレンドからOEM依頼のポイント、対応メーカーまで解説します。

目次

惣菜OEMの種類と温度帯

惣菜のOEM製造は、保存温度帯によって品質設計・流通設計が根本的に異なります。

3つの温度帯と商品設計

温度帯賞味期限特徴主な販路
常温(レトルト)1〜2年加圧加熱殺菌で長期保存。物流コストが低いスーパー常温棚、EC通販、防災備蓄
チルド(冷蔵)7〜30日鮮度感があり素材の味が活きる。MAP包装で日持ち延長コンビニ、スーパー惣菜、配食サービス
冷凍3〜12ヶ月急速凍結で品質保持。在庫管理が容易冷凍食品売場、業務用、EC冷凍宅配

惣菜の主なカテゴリ

カテゴリ代表的なメニューOEM開発のポイント
煮物筑前煮、肉じゃが、かぼちゃ煮、ひじき煮真空パック+チルドで家庭の味を再現。冷凍は食感変化に注意
揚げ物コロッケ、唐揚げ、天ぷら、フライ冷凍+リベイクが主流。衣のサクサク感をいかに保つかが技術的課題
焼き物焼き魚、照り焼き、グリルチキン焼成後の冷凍・チルド。魚は骨なし加工が付加価値
和え物・サラダほうれん草おひたし、ポテトサラダ、ごぼうサラダチルド流通が基本。MAP包装で変色・酸化を抑制
米飯類おにぎり、炊き込みご飯、丼もの冷凍個食パックが急成長。ワンプレート冷凍弁当も注目

惣菜OEMの包装技術

MAP包装(ガス置換包装)

MAP(Modified Atmosphere Packaging)は、容器内の空気を窒素・二酸化炭素・酸素の混合ガスに置換する技術です。1980年頃にハム・ソーセージで導入が始まり、近年はコンビニ・スーパーの惣菜にも急速に普及しています。

最大のメリットは、真空パックと異なり食品の形を潰さずに鮮度を保持できる点です。賞味期限を通常の3〜4倍に延長でき、サラダや和え物など見た目が重要な惣菜に適しています。ガス組成は食品の種類に応じて調整し、窒素は酸化防止、二酸化炭素は菌の増殖抑制に作用します。

真空パック

空気を除去して密封する包装で、酸化防止と菌の繁殖抑制に有効です。煮物や肉加工品に多用されますが、容器が収縮するため柔らかい食品には不向きです。真空パック後にチルドで流通させる「真空チルド」は、品質と日持ちのバランスが良く、配食サービスや施設給食向けの惣菜OEMで採用が広がっています。

冷凍技術

惣菜の冷凍では、二次加熱(調理済み)後にブラストフリーザーで急速冷凍するのが基本工程です。IQF(個別急速凍結)やCAS凍結などの高度技術の活用も進んでおり、解凍後の食感・風味の保持力が年々向上しています。2024年の国内冷凍食品消費額は約1兆3,017億円で過去最高を更新し、「冷凍食品トレンド大賞2025」ではワンプレート冷凍食品が上位に入りました。

個食惣菜の市場トレンド

11兆円市場の内訳

2024年の惣菜市場11兆2,882億円の業態別内訳は、コンビニが3兆5,236億円(31.2%)で最大、食料品スーパーが3兆3,855億円(30.0%)、惣菜専門店が3兆727億円(27.2%)と続きます。コンビニとスーパーだけで市場の6割以上を占め、この2チャネル向けの惣菜OEM需要は極めて大きい状況です。

成長を牽引する3つのトレンド

  • 単身世帯・個食化:少子高齢化と単身世帯の増加で「1人分だけ欲しい」ニーズが急拡大。60〜300gの個食パックが市場の成長を牽引している
  • 冷凍宅配食:冷凍弁当・冷凍惣菜を定期配送する「冷凍宅配食」サービスが注目。シルバーライフなど上場企業が高齢者向け冷凍弁当OEMを展開し、在宅介護需要の取り込みに成功
  • タイパ(タイムパフォーマンス)重視:共働き世帯を中心に「調理時間ゼロ」の惣菜が支持を拡大。パウチ惣菜(袋物惣菜)は調理不要で食べたいときにすぐ食べられる簡便性が強み

惣菜OEM依頼のポイント

  1. 温度帯の選択:常温(レトルト)・チルド・冷凍のどれが目的の販路に最適か。コンビニ向けならチルド、EC通販なら冷凍、防災備蓄なら常温
  2. 包装技術:MAP包装、真空パック、レトルトパウチなど。MAP包装に対応しているメーカーは限られるため事前確認が必須
  3. HACCP対応:惣菜製造はHACCP義務化の対象。ISO9001やFSSC22000の認証取得企業を優先
  4. 多品種少量:配食サービスや施設給食向けでは、日替わりメニューの多品種対応が求められる。1品目100〜500食からの小ロット対応力を確認
  5. アレルギー管理:個食惣菜はアレルゲン表示が必須。多品種を同一ラインで製造する場合のコンタミ防止体制を確認

惣菜OEM対応メーカー一覧

惣菜のOEM製造に対応できるメーカーを紹介します。

会社名所在地対応製品特徴
デリカ食品工業株式会社大阪府チルド惣菜、冷凍惣菜惣菜製造の専門メーカー。MAP包装を含む多様な包装形態に対応
四国医療サービス株式会社愛媛県松山市冷凍弁当、チルド惣菜、配食用惣菜病院・施設給食の受託ノウハウを活かした惣菜OEM。クックチル方式に対応
株式会社オハラ群馬県レトルト惣菜、常温保存食レトルト殺菌技術で常温惣菜の製造に強み。煮物・煮込み料理の長期保存に対応
株式会社トーヨー大阪府冷凍惣菜、業務用食品冷凍惣菜の多品種少量生産に対応。業務用から個食パックまで幅広く展開
株式会社キュリアス東京都惣菜、弁当、セントラルキッチンセントラルキッチン型の大量生産に対応。配食サービス向けの個食惣菜OEMに実績

※掲載情報は2026年4月時点の内容です。最新の対応状況や詳細は各社にお問い合わせください。

よくある質問

惣菜OEMの最小ロットは?

温度帯と包装形態によりますが、チルド惣菜で100〜500食、冷凍惣菜で300〜1,000食、レトルト惣菜で500〜2,000食が目安です。配食サービス向けの多品種少量生産に特化したメーカーでは、1品目50食単位から対応可能なケースもあります。

MAP包装に対応しているOEMメーカーの見つけ方は?

MAP包装はチルド惣菜の日持ち延長に有効な技術ですが、ガス置換包装の専用設備が必要なため対応メーカーは限られます。「ガス置換包装対応」「MAP包装対応」を事前にメーカーに確認するか、食品OEMの窓口で惣菜カテゴリのメーカーに問い合わせてください。

冷凍宅配食のOEMは可能ですか?

可能です。冷凍弁当・冷凍惣菜セットの製造から個包装、段ボール梱包まで一貫対応するメーカーがあります。高齢者向け配食サービスや健康管理食(塩分制限、たんぱく制限等)のOEM実績を持つメーカーを選ぶと、栄養設計と製造の両面でサポートを受けられます。

個食パックの惣菜で売れ筋のカテゴリは?

煮物(筑前煮、ひじき煮)、焼き物(焼き鮭、照り焼きチキン)、和え物(ほうれん草おひたし)が定番です。近年はワンプレート冷凍弁当(主菜+副菜がワントレーに入った冷凍食品)のOEM需要も急増しています。

惣菜OEMの費用感は?

原材料費+加工賃+包装資材費で構成されます。チルド惣菜で1パック(150〜200g)あたり200〜400円、冷凍惣菜で150〜350円、レトルト惣菜で100〜300円が製品原価の目安です。MAP包装はガス置換の工程分、通常包装より1パック20〜50円程度のコストアップになります。

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食品OEMの窓口 ― カテゴリ一覧

食品OEMの窓口では、惣菜以外にも幅広いカテゴリの製造委託に対応しています。

カテゴリ概要
健康食品OEM機能性表示食品やスーパーフードなどの健康食品を自社ブランドで展開
サプリメントOEM錠剤・カプセル・粉末など多様な形態のサプリメントを小ロットから製造
プロテインOEMホエイ・ソイ・ピープロテインなど、ブランド展開に最適な製造委託
冷凍食品OEM急速凍結技術を活用した冷凍食品の企画・製造・販売
洋菓子OEM焼菓子・チョコレート・ケーキなどスイーツブランドの立ち上げ
離乳食OEM安全基準を満たしたベビーフードの開発・製造
アレルギー対応OEM特定原材料不使用の安心・安全な商品開発
コーヒーOEMオリジナルブレンドコーヒーのブランド開発
飲料OEMジュース・お茶・エナジードリンクなどの自社ブランド飲料
スナック菓子OEMポテトチップス・せんべいなどのオリジナルスナック製造
グミOEM機能性グミ・フルーツグミなどの企画・製造

まとめ

惣菜OEMは、11兆円超の巨大市場を背景に、個食化・冷凍宅配食・タイパ志向という3つのトレンドが成長を牽引しています。常温・チルド・冷凍の温度帯選択とMAP包装などの包装技術が品質と日持ちを決定づけ、多品種少量生産への対応力がメーカー選定のカギとなります。

食品OEMの窓口では、惣菜・弁当のOEM製造に対応できるメーカーを掲載しています。商品企画の段階からお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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