マヨネーズOEM費用ガイド|ロット・製造工程・差別化戦略

サラダにかける、パンに塗る、揚げ物に添える、炒め物の油代わりにする——マヨネーズは日本の食卓で最も出番の多い調味料のひとつです。卵のコク・酢の酸味・油脂のまろやかさが一体になった味わいは、和食にも洋食にも合い、子どもから大人まで幅広い層に愛されています。

そんなマヨネーズをOEM(受託製造)で自社ブランドとして商品化する動きが広がっています。養鶏場が自社の卵で作るこだわりマヨネーズ、地元の柚子や明太子を配合したご当地マヨネーズ、卵不使用のヴィーガンマヨ。フレーバーや原材料の組み合わせ次第で、他にない独自の一本を作れるのがマヨネーズOEMの面白さです。

この記事では、マヨネーズの種類と差別化ポイント、OEMの費用相場・最小ロット、乳化工程の品質管理、対応メーカーまでを解説します。

目次

マヨネーズの種類と商品設計の基礎知識

卵黄型と全卵型の違い

マヨネーズには卵黄のみを使う「卵黄型」と、卵白も含めた全卵を使う「全卵型」の2タイプがあります。OEMでどちらをベースにするかで、商品の味の方向性が決まります。

比較項目卵黄型全卵型
味わい濃厚でコクが強いまろやかであっさり
色味黄色っぽい白っぽい
代表商品キユーピー マヨネーズ味の素 ピュアセレクト
向く用途マヨネーズの味を活かす料理(サラダ・ディップ)ソースのベース・調理用

フレーバーバリエーション

プレーンだけでなく、フレーバーを加えることで差別化しやすいのがマヨネーズの強みです。OEMでは以下のようなフレーバー展開が可能です。

  • 辛子マヨネーズ:和がらしを配合。からしれんこんやおでんとの相性が良い
  • 柚子マヨネーズ:柚子果汁や柚子胡椒を配合。ご当地調味料として人気
  • 明太マヨネーズ:明太子を混ぜ込んだタイプ。パンやパスタにも合う
  • にんにくマヨネーズ:ガーリック風味。肉料理やバーベキュー向け
  • わさびマヨネーズ:和のスパイス。インバウンド土産にも向く

キユーピーは創業100周年に7地域限定のご当地マヨネーズ(北海道バター醤油、九州柚子こしょう、広島牡蠣油等)を発売しています。地元の特産品を配合したフレーバーマヨネーズは、道の駅やふるさと納税の返礼品として販路が明確です。

JAS規格と「マヨネーズ」を名乗る条件

JAS規格では、マヨネーズは卵黄または全卵を使用し、食用植物油脂の重量割合が65%以上の半固体状ドレッシングと定義されています。使用できる原材料も限定されており、この基準を満たさないと「マヨネーズ」と名乗ることができません。

油分を減らしたカロリーハーフタイプや、卵を使わないヴィーガン対応品は「マヨネーズ風ドレッシング」「マヨドレ」「豆乳マヨ」等の品名で販売する必要があります。OEMで商品設計する際は、JAS規格に適合するかどうかを最初に確認してください。

マヨネーズOEMの費用とロット

初期費用の内訳

費目目安
企画・相談費無料〜10万円
試作開発費5万〜30万円(メーカーにより無料の場合も)
レシピ開発費(完全オリジナル)10万〜50万円
版代(ラベル・パッケージ印刷)色数により変動
成分分析・賞味期限検査数万円
総額の目安50〜100万円

既存レシピをベースにしたセミオーダー型なら開発費を大幅に抑えられます。試作費が500〜4,500円と安価なメーカーもあり、まずは少額で味を確認してから本格発注する進め方が堅実です。

最小ロットの目安

規模感ロット目安向いている用途
極小ロット144本〜(170gガラス瓶)テスト販売、イベント、道の駅
小ロット1,000本〜(200g容器)EC販売、ご当地土産
中ロット150〜200kg量販店・業務用への展開
大ロット1,000kg〜全国流通・大手PB

容器の選び方と費用への影響

マヨネーズの容器はチューブ(ボトル)、ガラス瓶、パウチ、小袋(個包装)から選べます。ガラス瓶は高級感がありご当地土産に向いていますが、容器単価と輸送コストが高くなります。コストを抑えるならチューブかパウチが有利です。飲食店向けの業務用は大容量パウチや一斗缶で単価を最小化できます。

乳化がマヨネーズの品質を決める

マヨネーズは油と酢という本来混ざらない液体を、卵黄に含まれるレシチンの乳化作用で結合させた食品です。油の粒を直径2〜4ミクロンに微細化し、均一に分散させることで滑らかな食感が生まれます。

OEMメーカーを選ぶ際に最も重要な判断基準は、真空乳化機を保有しているかどうかです。真空状態で乳化することで酸素を排除し、酸化による品質劣化を防ぎます。乳化が不安定だと油と酢が分離し、商品として成立しません。充填時に窒素ガスで酸素を置換する設備も、賞味期限を延ばすうえで重要です。

マヨネーズOEMの差別化戦略

ご当地マヨネーズ

地元の卵・柑橘・唐辛子・魚介などを配合したご当地マヨネーズは、道の駅・空港売店・ふるさと納税の返礼品として販路が明確です。養鶏場が自社の卵を活用して6次産業化する事例も増えています。

卵不使用(ヴィーガンマヨ)

豆乳やアーモンドミルクをベースにした卵不使用タイプは、ヴィーガン・卵アレルギー・コレステロールを気にする層に需要があります。JAS規格では「マヨネーズ」と名乗れないため「豆乳マヨ」「マヨドレ」等の品名で販売します。プラントベース市場の拡大に伴い、成長が見込めるセグメントです。

無添加・オーガニック

マヨネーズはJAS規格上使える添加物が限られているため、元々添加物が少ない商品です。「無添加」を訴求するにはアミノ酸調味料も不使用にし、原材料欄を「食用植物油脂・卵・酢・食塩」のみにします。有機JAS認証の原材料を使えばオーガニック路線での差別化も可能で、価格帯は通常品の1.5〜2倍に設定できます。

マヨネーズ・ドレッシングOEM対応メーカー一覧

マヨネーズやドレッシングのOEM製造に対応しているメーカーを紹介します。具体的な費用やロットは各社に直接お問い合わせください。

会社名所在地対応製品特徴
コックソース株式会社福岡県ソース・ドレッシング・マヨネーズ液体調味料全般のOEM対応。九州の食文化に精通
朝倉調味料株式会社福岡県たれ・ドレッシング・マヨネーズ液体調味料の受託製造。小ロットから対応
株式会社共栄食糧香川県小豆島ドレッシング・ソース・たれ小豆島の醤油文化を活かした調味料OEM
宮島醤油株式会社佐賀県醤油・ドレッシング・たれ・スープ明治15年創業の老舗。液体調味料のフルライン対応
株式会社庄分酢福岡県酢・ビネガー・ドレッシング創業300年超の酢メーカー。酢を軸にした調味料OEM

上記以外にも、「食品OEMの窓口」でソース・ドレッシングのOEMメーカーを探すことができます。

よくある質問

マヨネーズOEMは何本から作れる?

最小144本(170gガラス瓶)から対応するメーカーがあります。テスト販売やイベント用なら小ロットで十分です。量販店向けに本格展開する場合は200kg〜1,000kg単位が一般的です。

マヨネーズOEMの総費用はどのくらい?

オリジナル商品を一から開発する場合、初期費用は50〜100万円程度が目安です。既存レシピベースのセミオーダーならコストを抑えられます。

卵不使用のマヨネーズもOEMで作れる?

作れます。ただしJAS規格では卵を使わないと「マヨネーズ」の名称は使えません。「豆乳マヨ」「マヨネーズ風ドレッシング」などの品名で販売する必要があります。

地元の卵を使ったマヨネーズは作れる?

原材料の持込に対応するメーカーがあります。養鶏場が自社の卵を使ったオリジナルマヨネーズを6次産業化商品として開発する事例が増えています。

OEMメーカー選びで一番大事なポイントは?

真空乳化機を保有しているかどうかです。マヨネーズの品質は乳化の安定性で決まるため、乳化設備の有無と製造実績をメーカーに確認してください。FSSC22000やHACCPなどの品質認証の取得状況もチェックポイントです。

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まとめ

マヨネーズOEMの費用は、小ロット(144本〜)なら数十万円から、本格的なオリジナル開発なら50〜100万円程度で始められます。卵黄型か全卵型かでベースの味が決まり、柚子・辛子・明太子などのフレーバーで差別化を図れます。

乳化が品質の要なので、真空乳化機を持つメーカーを選ぶことが安定した商品づくりの前提条件です。ご当地マヨネーズ、ヴィーガン対応、無添加・オーガニック路線など、差別化の方向性を明確にしてからメーカーに相談してください。

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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