USDAとは?意味・オーガニック認証・関連機関をわかりやすく解説
食品に関わる方であれば、緑色の「USDA」マークを一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
しかし、「USDAとは何か」「有機JASとどう違うのか」まで正しく理解できている方は多くありません。
USDAオーガニックは、アメリカの公的なオーガニック認証制度であり、海外展開やオーガニック製品のOEM開発を検討している企業にとって、おさえておきたい重要な基準です。
この記事では初心者向けに、USDAオーガニックの基礎知識から、有機JASとの違い、実務でのポイントまで分かりやすく解説します。
USDAとは?意味と定義をわかりやすく解説
USDAとは、アメリカの農業・食品分野を管轄する政府機関のことです。
正式名称は「United States Department of Agriculture」で、日本語では「米国農務省」と呼ばれています。食品の安全基準や農業政策、有機認証制度の管理などを担っており、アメリカ国内だけでなく世界の食品ビジネスにも大きな影響を与えています。
USDAの基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | United States Department of Agriculture |
| 日本語名 | 米国農務省 |
| 主な役割 | 農業政策・食品安全・認証制度の管理 |
| 管轄分野 | 食品、農業、流通、栄養政策など |
USDAとUSDAオーガニックの関係
USDAオーガニックは、USDAが認証するオーガニック認証制度になります。
- USDA:政府機関そのもの
- USDAオーガニック:USDAが管理する有機認証制度
USDAオーガニックとは、アメリカ連邦政府が法律にもとづいて認証する有機規格です。違反した場合には罰金や認証取り消しなどの法的制裁が科されるため、世界的にも信頼性の高い認証とされています。
この認証制度は、USDAの傘下にあるNOP(National Organic Program:全米有機プログラム)によって運営されています。
USDAオーガニックの対象物と認証基準

USDAオーガニック認証は、農産物だけでなく、畜産物や加工食品、さらには一部の非食品分野にも適用されます。
- 農産物
- 畜産物(肉・乳製品・卵など)
- 加工食品(アルコール含む)
- テキスタイル(繊維製品)
ただし、すべての製品が対象になるわけではなく、厳格な基準を満たす必要があります。
農産物(野菜・果物・穀物など)
農産物は、USDAオーガニック認証の中心となる分野です。
主な条件は以下の通りです。
- 収穫前3年間、禁止物質(農薬・化学肥料など)を使用していない土地で栽培する
- 遺伝子組換え(GMO)種子は使用不可
- 可能な限りオーガニック種子や苗を使用する
畜産物(肉・乳製品・卵など)
畜産物は、飼育環境や飼料まで細かく規定されています。
主な条件:
- 家畜は一定期間、オーガニック管理下で飼育
- 哺乳類:妊娠後期(最後の1/3)から
- 家禽類:生後2日目から
- 飼料は100%オーガニック
- 抗生物質や成長ホルモンの使用は禁止
さらに、アニマルウェルフェア(動物福祉)の観点から以下も求められます。
- 牛やシカなどは年間120日以上の放牧
- 鶏はケージフリーで自由に動ける環境
加工食品(アルコール含む)
加工食品やアルコールも認証対象ですが、原材料や加工工程に制限があります。
主なポイント:
- 使用原料の95%以上がオーガニックであること(「Organic」表示の場合)
- 添加物や保存料の使用制限あり
- ワインなどは亜硫酸塩の使用により表示区分が変わる
例:
- 100% Organic → 完全有機
- Organic → 有機95%以上
- made with Organic → 一部のみ有機
化粧品・パーソナルケア製品
USDA認証は食品以外にも一部適用されます。
対象となる条件:
- 原料が農産物由来であること
- USDAオーガニック基準を満たしていること
例:
- スキンケア商品
- ボディケア商品
- ナチュラルコスメ
テキスタイル(繊維製品)
繊維製品も条件付きで対象となります。
- 原料(コットンなど)がオーガニックであること
- 製造工程も基準に準拠
ただし、
- 一部のみオーガニック素材 → USDA認証は不可
- GOTS認証取得 → アメリカ国内でオーガニック表示可能
USDAの主な関連機関と役割
USDAは巨大な組織で、目的ごとに複数の専門機関(エージェンシー)で構成されています。食品ビジネスで関わりが深い機関を知っておくと、認証や輸出の手続きで戸惑いにくくなります。
| 機関(略称) | 主な役割 |
|---|---|
| AMS(農業マーケティングサービス) | オーガニック認証(NOP)の運営、品質の格付け(グレーディング) |
| FSIS(食品安全検査局) | 食肉・食鳥・卵製品の安全検査と表示の監督 |
| APHIS(動植物検疫局) | 動植物の検疫、輸出入時の health certificate 発行 |
| FAS(海外農業局) | 農産物の海外市場開拓・輸出支援 |
| ERS/NASS | 農業の統計・経済分析。WASDE(世界農業需給予測)などのレポートを公表 |
たとえば「USDAオーガニック」はAMS傘下のNOP(National Organic Program)が、食肉の安全はFSISが、というように担当が分かれています。米国へ食品を輸出する場合は、商品の区分によってどの機関の基準や証明書が必要かが変わるため、早めの確認が欠かせません。
USDA認証と食品OEM・米国輸出の実務
食品OEMで自社ブランド商品を米国向けに展開したり、「オーガニック」を訴求したりする場合、USDAの基準は実務に直結します。日本の事業者が押さえておきたいポイントを整理します。
- 「USDA Organic」マークを使うには、AMS認定の認証機関による認証取得が必要
- 原料・製造工程の両方が基準を満たす必要があり、OEM工場側の認証状況も確認する
- 有機JASとUSDAオーガニックは相互認証(同等性)があるため、活かせる場合がある
- 食肉・食鳥を含む商品はFSIS、植物検疫はAPHISなど、区分で管轄が変わる
OEMメーカーがどの認証を保有しているかで、作れる商品の幅が変わります。オーガニック商品の企画では、認証を持つ工場を選ぶことが第一歩です。食品OEM全体の進め方は食品OEMとは?費用・進め方・メーカーの選び方もあわせて参考にしてください。
USDAと有機JASの関係
USDAオーガニックと日本の有機JASは、どちらも「有機(オーガニック)」を証明する公的認証制度です。
結論からいうと、両者に優劣はなく、同等レベルの基準として認められています。
ここでは有機JASの基礎知識と相互認証について解説します。
有機JASとは
有機JASは農林水産大臣が定める国家規格になります。定義は以下です。
農薬や化学肥料などの化学物質に頼らないことを基本として自然界の力で生産された食品を表しており、農産物、加工食品、飼料、畜産物及び藻類に付けられています。
引用:有機食品の検査認証制度(農林水産省HPより)
認証については、登録認証機関が検査し、認証された事業者のみが有機JASマークを貼ることができます。
有機JASとUSDAオーガニックの関係
有機JASには相互認証の仕組みがあります。相互認証とは日本と対象国が「相手のルールは日本の有機JASと同レベルである」と認め合い、表示を許可する制度です。
米国、EU、台湾、スイス、カナダ、ニュージーランド、オーストラリア
国や輸出品によって要件が異なることがありますが、基本的に輸出時に日本の有機JASマークのみで「Organic」表示可能になります。
USDAと有機JASは同等性が認められているため、日本で有機JASを取得した製品は、有機製品として輸出可能です。また、USDAオーガニック認証を取得した製品は日本でも有機食品として販売可能です。
OEMのポイントを解説

初めてのOEM、何から始めたらいいか迷っていませんか?
どのメーカーを選ぶかで、コストも品質も大きく変わります。初心者の方でも失敗しない、OEMの進め方やメーカー選びのポイントを分かりやすくまとめています。
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USDA・USDAオーガニックのよくある質問
USDAやUSDAオーガニック認証について、よく寄せられる質問をまとめました。
関連するOEMガイド
USDAオーガニック認証は日本企業でも取得できますか?
はい。AMSが認定した認証機関の審査を受ければ、日本の事業者でも取得できます。原料・製造工程の両方が基準を満たす必要があります。
USDAグレーディングとは何ですか?
AMSが行う品質の格付け制度です。牛肉のプライム・チョイスなど、品質や等級を一定の基準で評価し、流通の目安として使われます。
USDAマークを商品パッケージに表示するには?
USDAオーガニック認証を取得したうえで、原料に占める有機原料の割合に応じた表示区分(100%オーガニック/オーガニック/made with organic)のルールに従う必要があります。
USDA認証は食品OEMにどう関係しますか?
オーガニック商品をOEMで作る場合、製造を委託する工場側も有機認証を持っている必要があります。認証の有無で作れる商品の幅が変わります。
USDAと有機JASはどう違いますか?
USDAは米国、有機JASは日本のオーガニック制度です。両者は相互認証(同等性)の対象で、条件を満たせば一方の認証を他方で活かせる場合があります。
食肉を輸出する場合はどの機関が関係しますか?
食肉・食鳥・卵製品の安全検査はFSIS(食品安全検査局)が、動植物の検疫はAPHIS(動植物検疫局)が管轄します。商品区分で必要な手続きが変わります。


