スープOEMの原材料選定ガイド|国産素材・無添加設計・表示ルールを徹底解説

「国産素材だけでスープを作りたい」「無添加のスープOEMって実際どこまでできるの?」――こうした声は、健康志向の高まりとともに年々増えています。日本政策金融公庫の2025年調査によると、食料品購入時に国産かどうかを気にかける消費者は66.0%にのぼり、特定の食品添加物を避けて購入する層も42.2%に達しました。本記事では、スープOEMにおける原材料選定のポイントを、国産素材の活用法、無添加設計の実務、最新の表示ルールまで含めて解説します。

目次

スープOEMで使われる主な原材料

スープOEMの原材料は、ベースとなるエキス・だし、味を決める調味料、食感をつくる増粘素材など多岐にわたります。まずは全体像を把握しましょう。

エキス・だし系原料

スープの味わいを根底から支える原料です。

  • 畜肉エキス:鶏ガラ、豚骨、牛骨などから煮出したエキス。コンソメやポタージュのベースに不可欠
  • 魚介エキス:かつお節、煮干し、昆布、ホタテ、エビなどから抽出。和風スープや海鮮スープの旨味の核
  • 野菜エキス:玉ねぎ、にんにく、セロリ、にんじん、トマトなどを加熱抽出。洋風スープのコクを支える
  • 天然だし:鰹節、昆布、煮干し、椎茸、焼きあご(飛魚)など。削り節や粉末の形で直接配合するケースも多い

調味料・油脂

  • 基本調味料:食塩、砂糖、醤油、味噌、みりん。スープの味の方向性を決定づける
  • 油脂類:バター、ラード、植物油脂、ごま油。コクや風味の付与に重要
  • 乳製品:生クリーム、脱脂粉乳、チーズパウダー。クリーム系ポタージュには欠かせない

増粘・安定化素材

スープのとろみや食感を調整する素材です。無添加設計では、この部分の素材選択が特に重要になります(詳しくは後述)。

  • 食品添加物に分類されるもの:キサンタンガム、グアーガム、加工でん粉、カラギーナンなど
  • 食品に分類されるもの:くず粉、片栗粉(馬鈴薯でん粉)、米粉、寒天、タピオカでん粉など

国産素材を選ぶメリットと注意点

スープOEMで国産原材料を選択することには、明確なメリットがある一方で、コストや供給面での課題もあります。

国産素材の5つのメリット

メリット内容
品質・安全性日本の農薬基準・衛生管理基準は国際的にも厳格。国産品を「安全」と感じる消費者は63.4%
トレーサビリティ産地・生産者・加工履歴の追跡が容易。万一の問題発生時も原因の遡及を迅速に行える
消費者訴求力パッケージに「〇〇県産」と表記できる差別化効果。ギフト商品や高付加価値ラインに最適
物流安定性国際情勢・為替変動・輸送コスト高騰の影響を受けにくく、安定調達しやすい
地域ブランド活用北海道産コーン、淡路島産玉ねぎ、枕崎産鰹節など、産地名そのものが商品価値になる

国産素材の注意点

  • コスト:輸入原料と比べて割高な傾向。ただし近年の円安進行で価格差が縮小している品目もある
  • 供給量の制約:国内農業の生産規模に限りがあり、大量発注時に安定調達が難しいケースがある
  • 季節変動:生鮮野菜は収穫時期が限られるため、通年でのスープ製造には乾燥野菜やパウダーの活用が不可欠
  • 規格外野菜の活用:形や大きさが不揃いの規格外野菜を原料に使うことで、コスト抑制と食品ロス削減の両立が可能

「無添加」スープの設計と表示ルール

消費者の無添加志向に応えるスープOEMでは、製品設計と食品表示の両面で正確な知識が求められます。特に2024年4月に本格運用が始まった消費者庁のガイドラインを踏まえた対応が不可欠です。

「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」とは

消費者庁は2022年3月に「食品添加物の不使用表示に関するガイドライン」を策定し、2年間の猶予期間を経て2024年4月から本格運用を開始しました。このガイドラインは「無添加」表示を一律に禁止するものではなく、消費者に誤認を与える不適切な表示を防ぐためのものです。

スープOEMに特に関係が深い注意点は以下の通りです。

注意すべき類型内容スープOEMでの具体例
単なる「無添加」表示何が無添加なのか対象が不明確な表示はNG「無添加スープ」だけでは不十分。「保存料・着色料不使用」のように具体的に記載
「化学」「合成」等の用語「化学調味料無添加」「合成保存料不使用」等の表現は不適切とされる可能性「調味料(アミノ酸等)不使用」等、添加物名での表記に変更
類似機能の代替使用保存料不使用としつつpH調整剤で日持ちさせるなど、同様の効果を持つ別の添加物を使用する場合「保存料不使用」と表示しながら酢酸Na等で保存性を確保するケース

無添加スープの原材料設計

食品添加物を使わずにスープを製造する場合、添加物が担っていた機能を「食品」に分類される素材で代替する必要があります。

うま味の確保

調味料(アミノ酸等)を使わずにうま味を出す方法として、以下の選択肢があります。

  • 酵母エキス:パンやビール酵母からアミノ酸・核酸を抽出した「食品」。グルタミン酸などのうま味成分を豊富に含む
  • たん白加水分解物:大豆や小麦のたんぱく質を酵素で分解した「食品」。アミノ酸由来の旨味を付与する
  • 天然だし素材:鰹節、昆布、煮干し、椎茸などを直接使用。コストは上がるが、最もナチュラルな訴求が可能

酵母エキスやたん白加水分解物は食品表示法上「食品」に分類されるため、添加物欄には記載されません。ただし、これらを使いながら「無添加」を強調する表示については、ガイドラインの趣旨に照らして慎重な判断が求められます。消費者の信頼を得るためには、原材料欄のすべてを正直に開示する姿勢が重要です。

とろみ・増粘の確保

ポタージュやクリームスープに不可欠な「とろみ」も、食品添加物を使わずに実現できます。

  • くず粉・片栗粉:和風スープのとろみ付けに最適。加熱で糊化し、自然なとろみを生む
  • 米粉:グルテンフリー対応もできる増粘素材。クリーム系スープのボディ感を出す
  • 寒天:海藻由来の天然ゲル化剤。「食品」として扱えるため無添加設計と相性が良い
  • 野菜ピューレ:じゃがいもやかぼちゃのピューレで自然なとろみを付与。素材の味も活かせる

保存性の確保

保存料を使わないスープでは、製造工程で保存性を確保する設計が必要です。

  • レトルト殺菌:120℃×4分相当の加圧加熱殺菌で、保存料なしでも常温長期保存が可能
  • 冷凍:-18℃以下で急速凍結。無添加スープとの相性が良く、素材の鮮度を保てる
  • 粉末化:水分活性を極限まで下げることで、微生物の繁殖を抑制。賞味期限1〜2年の設計が可能
  • ガス置換包装:窒素ガスを充填して酸素を除去し、酸化や微生物増殖を抑制する手法

国産・無添加スープOEM依頼のポイント

国産素材・無添加にこだわったスープOEMを成功させるために、メーカー選定時に確認すべきポイントをまとめます。

メーカー選定の5つのチェックポイント

  1. 国産原料の調達ネットワーク:産地と直接取引しているか、季節変動時にも安定供給できる体制があるかを確認
  2. 無添加設計の実績:食品添加物を使わないレシピ開発の経験が豊富か。代替素材の知見があるかどうか
  3. 表示対応の知識:2024年ガイドラインを踏まえた食品表示の相談ができるか。表示チェック体制の有無
  4. 小ロット対応:テスト販売やD2Cブランドの立ち上げでは、小ロットから試作・量産できるメーカーが有利
  5. 品質管理体制:HACCP対応、アレルゲン管理、残留農薬検査など、国産・無添加に見合う品質管理ができるか

コストを抑える工夫

国産・無添加のスープは原材料費が上がりやすいため、以下のような工夫でコスト最適化を図りましょう。

  • 規格外野菜の活用:味や栄養価は変わらない規格外野菜を使用し、原材料費を10〜30%程度削減
  • 旬の素材を中心に設計:旬の時期に大量調達して乾燥加工やペースト化しておくことで、通年の原価を安定化
  • 国産×輸入のハイブリッド設計:コアとなるだし素材は国産にこだわり、補助的な素材は輸入品を活用するバランス型
  • 包装のシンプル化:過剰包装を見直し、環境配慮型パッケージに切り替えることでコストとブランドイメージを両立

国産・無添加スープOEM対応メーカー一覧

国産素材や無添加設計に対応できるスープOEMメーカーを紹介します。

会社名所在地対応製品特徴
株式会社なかむら福岡県レトルトスープ、だしパック国産素材を活かしたレトルトスープのOEM実績が豊富。無添加・減添加の商品設計にも柔軟に対応
小林食品株式会社岐阜県山県市鰹節、だし、和風スープ素材鰹節・削り節の専門メーカー。国産鰹節を使った本格だしスープの原料供給・OEM製造に強み
株式会社オハラ群馬県レトルト食品、スープレトルト殺菌技術を活かした無添加スープの製造に対応。保存料不使用でも長期保存が可能な設計
宮島醤油株式会社佐賀県唐津市調味料、スープ、レトルト食品醤油製造で培った発酵技術をスープに応用。国産大豆・小麦使用の醤油ベーススープが得意
ツジコー株式会社滋賀県野洲市天然素材粉末、エキス無農薬・無化学肥料の天然素材を粉末化する専門メーカー。オーガニック志向のスープ素材に最適
株式会社マルミツサンヨー愛知県レトルト食品、スープ、カレー多品種少量生産に対応したレトルト製造設備を保有。国産素材を使ったオリジナルスープの開発実績あり

※掲載情報は2026年4月時点の内容です。最新の対応状況や詳細は各社にお問い合わせください。

よくある質問

「無添加スープ」と表示するためには何が必要ですか?

2024年4月以降のガイドラインでは、単に「無添加」とだけ表示するのは不適切とされます。「保存料・着色料不使用」のように、何を使っていないのかを具体的に明記する必要があります。また、「化学調味料無添加」のような表現も見直しが求められています。食品表示に精通したOEMメーカーと連携し、適切な表示を設計しましょう。

国産素材だけでスープを作るとコストはどのくらい上がりますか?

素材や調達方法によりますが、全原材料を国産にした場合、輸入原料使用時と比べて原材料費が20〜50%程度上がるケースが一般的です。ただし、規格外野菜の活用や旬の時期の大量調達、国産と輸入のハイブリッド設計などの工夫で、上昇幅を抑えることが可能です。

酵母エキスを使ったスープは「無添加」と言えますか?

酵母エキスは食品表示法上「食品」に分類されるため、添加物欄には記載されません。そのため法律上は「食品添加物不使用」と表示すること自体は可能です。ただし、消費者庁のガイドラインでは、消費者に誤認を与える表示を避けるよう求めています。酵母エキスが調味料(アミノ酸等)と類似の機能を持つことを踏まえ、誠実な情報開示を心がけることが信頼構築につながります。

保存料を使わないスープの賞味期限はどのくらいですか?

保存方法によって大きく異なります。レトルト殺菌したスープは常温で1〜2年、冷凍スープは-18℃以下で6ヶ月〜1年、粉末スープは常温で1〜2年の賞味期限設計が一般的です。チルドの場合は未開封で2〜4週間程度です。いずれも保存料を使わず、製造工程の殺菌方法と包装設計で保存性を確保します。

小ロットで国産・無添加スープのOEMは可能ですか?

対応メーカーによりますが、レトルトスープで500〜1,000食程度、粉末スープで3,000本程度から対応可能なケースがあります。D2Cブランドの立ち上げやテスト販売の場合は、小ロット対応を得意とするメーカーを選ぶことが重要です。試作段階では数十食単位で対応してくれるメーカーもあります。

食品OEMの窓口 ― カテゴリ一覧

食品OEMの窓口では、キムチ以外にも幅広いカテゴリの製造委託に対応しています。

カテゴリ概要
健康食品OEM機能性表示食品やスーパーフードなどの健康食品を自社ブランドで展開
サプリメントOEM錠剤・カプセル・粉末など多様な形態のサプリメントを小ロットから製造
プロテインOEMホエイ・ソイ・ピープロテインなど、ブランド展開に最適な製造委託
冷凍食品OEM急速凍結技術を活用した冷凍食品の企画・製造・販売
洋菓子OEM焼菓子・チョコレート・ケーキなどスイーツブランドの立ち上げ
離乳食OEM安全基準を満たしたベビーフードの開発・製造
アレルギー対応OEM特定原材料不使用の安心・安全な商品開発
コーヒーOEMオリジナルブレンドコーヒーのブランド開発
飲料OEMジュース・お茶・エナジードリンクなどの自社ブランド飲料
スナック菓子OEMポテトチップス・せんべいなどのオリジナルスナック製造
グミOEM機能性グミ・フルーツグミなどの企画・製造

まとめ

スープOEMにおける原材料選定は、商品の品質・訴求力・コストを決定づける最重要プロセスです。国産素材を活用することで消費者の信頼と差別化を獲得でき、無添加設計によって健康志向層への訴求力が高まります。一方で、2024年から本格運用が始まった食品添加物不使用表示のガイドラインを正しく理解し、消費者に誤解を与えない表示設計を行うことも不可欠です。

食品OEMの窓口では、国産素材・無添加に対応できるスープOEMメーカーを多数掲載しています。原材料選定の段階からお気軽にご相談ください。

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参考

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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