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業界ニュース

セレヴェイユがホテルVIP向けクッキー缶OEMを企画段階から受託——50缶前後の小ロットで冬ギフトを組む

洋菓子工房「Patisserie Se Reveiller KONDOU(パティスリーセレヴェイユ・コンドウ、大阪市阿倍野区、代表:近藤織恵)」は2026年9月24日、ホテルのVIP顧客・スイートルーム宿泊者に向けたオリジナルのクッキー缶・焼き菓子ギフトを、50缶前後の小ロットから企画・製造する取り組みを発表した。クリスマスや年末年始のスイート宿泊者、重要取引先、特別宿泊プラン利用者など、対象を絞ったゲスト向けの冬季ギフトを想定している。

受託側から読むと、この案件は「最小ロットをどこまで下げられるか」と「どこからどこまでを引き受けるか」を明確に切ったところに読みどころがある。同社は缶本体のデザインを対象外と明記し、焼き菓子の中身と詰め合わせに範囲を絞った。小ロットの菓子ギフトを工場として受けるときに、見積もりと工程がどう変わるかを考える材料になる。

目次

受託範囲は焼き菓子の企画・構成から缶詰めまで、缶本体は対象外

同社が引き受けるのは、焼き菓子の企画・構成、缶の中の配置設計、詰め合わせ、缶詰めまでだ。味・素材・焼き菓子の構成から缶内の配置まで、依頼元のブランドや用途に合わせて提案するとしている。

一方で、缶本体そのもののデザインは対象外と切り分けている。中身の焼き菓子とパッケージ(缶)の設計を別々に扱う形で、菓子工房は自社が担える範囲に守備範囲を限定している。発注する側から見ると、缶の意匠は別の相手に任せる前提で、中身の企画と製造だけを工房に委ねる座組みになる。

最小50缶前後——大量に売るための商品ではない

クッキー缶の最小ロットは50缶前後から相談できる。同社はこれを「少量しか作れない」ではなく、限られたゲストのためだけに作れる価値として位置づけている。

想定する用途は、冬季限定のスイート宿泊者へのウェルカムギフト、日頃ホテルを利用するVIP顧客へのクリスマスギフト、法人顧客や取引先への年末ギフト、記念日や特別宿泊プランでの利用など、対象を限定した企画だ。大量に販売する商品ではなく、特別な顧客接点を一つ増やすための商品として使う想定になっている。

商品が決まっていない段階から相談を受ける

同社は「VIPのお客様50名に贈りたい」「12月のスイート宿泊者向けに作りたい」「ホテルらしいクッキー缶を考えたい」といった、商品内容が固まっていない段階からの相談に対応するとしている。何を作るかを先に決めるのではなく、誰にどんな体験を届けたいかから商品を組み立てる進め方を特徴に挙げている。

建築やインテリア、ブランドカラー、地域、季節といった依頼元の要素を、発酵バター・ショコラ・ナッツ・紅茶・柑橘・洋酒などの味や香り、素材、色・形に落とし込むという。

クッキー缶のほかガレット・ブルトンヌやフィナンシェも組める

扱うのはクッキー缶だけではない。企画内容に応じて、ガレット・ブルトンヌ、フィナンシェ、マドレーヌなどの焼き菓子も組み合わせられる。複数の味を一つの缶にまとめ、依頼元のブランドを表現する構成にできるとしている。

同社は2026年5月から、ホテル・旅館など宿泊施設向けのオリジナルクッキー缶OEMを提案してきた。今回はその中でも、VIP・スイート宿泊者という限られたゲストへの冬季ギフトに用途を絞った発表になる。既存のホテル向けOEMを、季節と対象で切り出した形だ。

取り組みの概要

項目 内容
事業者 Patisserie Se Reveiller KONDOU(大阪市阿倍野区松崎町4-2-24)
代表 近藤織恵
発表日 2026年9月24日
最小ロット クッキー缶 50缶前後から
受託範囲 焼き菓子の企画・構成、缶内の配置設計、詰め合わせ、缶詰め
対象外 缶本体のデザイン
対応できる焼き菓子 クッキー缶、ガレット・ブルトンヌ、フィナンシェ、マドレーヌなど
想定用途 ホテルのVIP顧客・スイート宿泊者向けの冬季・クリスマス・年末年始ギフト
ホテル向けOEM開始 2026年5月

小ロットの菓子ギフトを受けるときに効いてくる論点

ここからは食品OEMの窓口編集部の見立てになる。今回の発表は、贈答用の焼き菓子を小ロットで受ける工房・工場にとって、見積もりの立て方と守備範囲の切り方を見直す材料になる。

第一に、50缶前後という最小ロットをどう成立させるかだ。焼き菓子は生地の仕込みや焼成の段取りに固定の手間がかかるため、少ない数量では1缶あたりの原価が上がりやすい。それでも小ロットを受けるなら、企画料や型・製版にあたる初期費用を分けて提示し、数量が少ないほど単価が上がる構造を発注元と先に握っておく必要がある。

第二に、缶本体を対象外にした切り分けの効き方だ。中身の焼き菓子と缶(パッケージ)を別々に発注させる座組みは、工房が自社の得意領域に集中できる反面、缶の調達・意匠を誰が担うか、納期をどうそろえるかという調整が発注元に残る。受託側は「缶は別手配」を見積もりの前提条件として明記しておくと、後工程での認識のずれを防げる。

第三に、商品が決まっていない段階からの相談を受けるという点だ。仕様が固まる前から企画に伴走すると、味の試作や構成案づくりの工数が受注前に発生する。この工数を企画料として切り出すのか、受注後の代金に含めるのかで、見積もりの立て方が変わる。

贈答用の菓子を小ロットで受ける工場が、見積もり段階で先に潰しておきたい項目を並べると次のようになる。

  • 最小ロットと、数量が少ない場合の1缶あたり単価の刻み方
  • 企画・試作の工数を企画料として切り出すか、受注後の代金に含めるか
  • 缶本体の調達・意匠を誰が担うかと、中身と缶の納期のそろえ方
  • 味・構成の試作回数の上限と、超えた場合の追加費用
  • ギフト用途の日持ち(賞味期限)と冬季の配送温度帯
  • クリスマス・年末年始に向けた発注・納品のスケジュール

受託の間口を広げる動きはIP立体食品の受託開発のように造形や小ロットに踏み込む形でも進んでいる。贈答菓子の小ロット案件は、量産の規模より、企画から缶詰めまでの守備範囲をどこで区切るかで受け方が変わる仕事だ。

まとめ

Patisserie Se Reveiller KONDOUのホテルVIP向けクッキー缶OEMは、最小50缶前後という小ロットと、焼き菓子の企画・構成から缶詰めまで(缶本体は対象外)という守備範囲を明確に切ったところに特徴がある。同種の相談を受ける工房が次にやることは、自社の見積書に「小ロット時の単価の刻み」「缶は別手配という前提条件」「企画・試作工数の扱い」の3点を書き込めるかを確かめることだ。

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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