近年、カフェやホテル、ECスイーツブランドなどの多様な販売チャネルの拡大により、洋菓子のOEM製造が急成長しています。冷凍技術や配送インフラの進化により、店舗を持たずにオリジナルスイーツを展開するD2Cブランドも急増。中でも「OEMを活用して差別化されたスイーツを展開したい」というニーズが高まっており、製造から包装、ラベル対応まで一括で任せられるOEMメーカーの存在感が増しています。
本記事では、洋菓子OEMの概要からメリット・デメリット、費用の目安、メーカーの選び方まで徹底解説します。ギフト需要・催事・カフェ・EC販売に適した洋菓子OEMを検討している方は、ぜひ参考にしてください。
洋菓子OEMのメリットとデメリット
メリット
- 自社で製造設備を持たずに商品化が可能
- プロの製造ノウハウにより高品質な商品が実現
- 小ロット試作により市場テストも可能
- 包装・ラベル・冷凍保存対応など一括委託可能
デメリット
- 最小ロットが一定数以上必要なケースが多い(例:300個〜)
- 自社仕様にカスタマイズするには試作費が必要
- 人気商品の再製造に時間がかかる場合も
- レシピの共有範囲や知的財産の扱いに注意が必要
洋菓子OEMの依頼の流れ
ステップ | 内容 |
---|---|
1. ヒアリング | 商品コンセプト、希望の形状・味・数量などを共有 |
2. 試作・見積もり | サンプル作成と費用見積もり提出(修正対応含む) |
3. パッケージ相談 | 包装形態、デザイン、ラベル表示の確認 |
4. 製造契約 | ロット数・納期・価格の最終合意、契約締結 |
5. 本製造・納品 | 製造・検品後に冷凍または常温にて納品 |
洋菓子OEMにかかる費用の目安
- 試作費:2万円〜10万円(1〜2回分、送料込)
- 最小ロット製造費:30万円〜(300個〜1,000個)
- 包装資材・印刷費:3万円〜20万円(箱・ラベルなど)
- レシピ開発費:無料〜10万円(OEM方針による)
洋菓子OEMメーカーの選び方
洋菓子OEMでは、単に「製造できる」だけでなく、自社ブランドとの親和性や対応力を見極めることが重要です。 以下の観点で比較検討しましょう:
- 得意とするジャンル(冷凍ケーキ/焼き菓子/カップスイーツ等)
- 最小ロットと試作対応の柔軟性
- HACCPやISOなどの品質認証体制
- 包装・デザイン・冷凍配送の一貫対応の有無
- ECやギフト用途など販売チャネルに応じた対応力
対応力・提案力・製造力の3点でバランスの取れたメーカーを選ぶことが、失敗しない鍵です。
洋菓子OEMにおすすめのメーカー3選
株式会社石田老舗(京都府)
京和菓子の伝統技術をベースに、冷凍洋菓子にも対応するOEMメーカー。老舗の信頼感と現代的な製品開発力を兼ね備えており、京都らしい素材や抹茶・黒糖・甘酒を使ったスイーツに強み。
- 冷凍ケーキ、マドレーヌ、パウンドケーキ対応
- 和素材を活かしたオリジナル洋菓子
- ギフト用包装・個包装・冷凍出荷可能
- 小ロット応相談、OEMラベル対応
株式会社Marshmallow(大阪府)
100種類以上の洋菓子のOEMを対応しており、原材料メーカーのネットワークを駆使し、これまで多くの取引実績あり。
- 豊富な種類のOEMに対応
- 販売代行や販路の紹介も実施
- 包装・ラベルデザインの支援も可能
れんがハウス株式会社(長野県)
1988年創業の菓子製造社で、「ケーキ」「パイ」「タルト」「クッキー」といった焼き菓子を生産。創業当時よりOEM生産でさまざまな焼き菓子を積極的に開発し、レシピ開発力や製造ノウハウが強み。
- 豊富なレシピ開発の能力
- 長年のOEMによる実績
- 地域密着で、地元産の原料を使用
洋菓子OEMで失敗しないためのポイント
- 商品の“解凍後の状態”まで試作段階で必ず確認する
- 試作回数を明示し、追加試作の費用や条件を確認
- 商品の保存性・流通温度帯(常温・冷蔵・冷凍)を事前に設計
- OEMメーカーの既存設備に合う形状・包装を想定する
- 味だけでなく「ギフト向きの見た目」など、販売シーンを具体化
洋菓子OEMでブランド価値を高める
洋菓子OEMは、スイーツブランドの立ち上げやラインナップ強化をスピーディーに実現する強力な手段です。冷凍技術の進化により、品質を保ったまま全国・海外へも展開可能。OEMメーカーと連携し、商品力・企画力・パッケージの3軸で差別化を図れば、長く愛されるスイーツブランドを構築できます。