タクスが25億円投じプロテインOEM新工場——生産能力1.5倍に、GMP義務化前に設備刷新を加速

2026年4月、山口県下関市に本拠を置くタクス(粉体食品メーカー)が、プロテインOEM需要の急拡大に対応するため、25億円を投じて新工場を建設することが明らかになった。新工場の稼働により、生産能力は現在の1.5倍に引き上げられる見込みだ。

目次

タクスとは——粉体食品の専門OEMメーカー

タクスは、プロテイン・サプリメント・健康食品などの粉体食品製造を得意とするOEM専業メーカーだ。近年のフィットネスブームとスポーツ栄養市場の成長を背景に、受託製造の引き合いが急増。現工場のキャパシティが需要に追いつかない状況が続いていた。

項目 詳細
投資額 25億円
所在地 山口県下関市
生産能力 現在の1.5倍に拡大
対象カテゴリ プロテイン・粉体健康食品のOEM受託

なぜ今プロテインOEM市場が拡大しているのか

国内のプロテイン市場は、コロナ禍を経てフィットネス人口が増加した2020年代前半から急成長が続いている。富士経済の調査によると、国内プロテイン市場は2025年に1,000億円規模を超え、スポーツ用途だけでなくダイエット・美容・シニア向け健康維持のニーズが市場を多角化させている。

この市場拡大を受け、食品OEM受託の需要も急増した。スタートアップブランドやDtoC事業者がプロテイン商品の開発・販売に参入するケースが増えており、自社製造設備を持たないこれらのブランドが受託製造を担うOEMメーカーの重要性が増している。

OEM新工場投資が示すトレンド:専門特化の優位性

カネ美食品(PPIHグループ)の惣菜系スマートファクトリー建設に続き、タクスのプロテイン特化型新工場建設は、食品OEM製造設備への大型投資が続いていることを示している。

注目すべきは「専門特化型」の戦略だ。プロテインや粉体食品は、製造管理(異物混入防止・配合精度・粉体の流動性管理)において高い専門性が要求される。タクスのように特定カテゴリに特化した設備投資を行うことで、汎用OEM工場との差別化を図りやすい。

また、2026年末に迫るGMP義務化を見据え、健康食品OEM全体で設備・品質管理体制の刷新が急務となっている。このタイミングでの新工場建設は、GMP認証取得を前提とした戦略的投資と見ることもできる。

食品OEM発注側が確認すべきポイント

プロテイン商品の企画・OEM発注を検討している事業者は、以下の点を確認しておくことが重要だ。

確認項目 重要性
GMP認証の有無 2026年末以降は機能性食品・サプリのOEM受託に必須
粉体製造の専門設備 プロテイン系は粉体流動性・配合精度に専用設備が必要
小ロット対応可否 D2Cスタートアップ向けに少量製造から始められるか
アレルゲン管理 乳・大豆・卵など複数の原料が混在するリスク管理体制

プロテイン市場の成長とOEM専業工場への投資拡大は、今後も継続するトレンドだ。新たな健康食品ニーズに対応するためにも、製造パートナーの設備動向を常にウォッチしておくことが食品事業者にとって重要な競争優位の源泉となる。

【情報元】
日本経済新聞「粉体食品、生産能力1.5倍 タクス、プロテインOEM需要拡大 25億円投じ新工場」(2026年4月)
https://www.nikkei.com/article/DGKKZO95554660Z00C26A4LCC000/

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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