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オーツミルクをOEMで作るには|製法・バリスタ仕様・メーカー選び

この記事の要約
植物性ミルクとして定番化したオーツミルクを自社ブランドで商品化するためのOEMガイド。常温・チルド・バリスタ仕様・パウダーなど作れる形態、オーツ麦の糖化や分離対策、グルテンフリー表示の注意点、費用と最小ロットの目安、植物性飲料・穀物加工の製造に対応できる掲載メーカーまでを製造目線で整理します。

カフェのラテやスーパーの棚で当たり前に見かけるようになったオーツミルク。植物性で環境にやさしいとされ、乳アレルギーやヴィーガンにも対応できることから、「自社ブランドのオーツミルクを作りたい」という相談がEC事業者やカフェ、食品メーカーから増えています。

この記事では、オーツミルクをOEM(受託製造)で商品化するための全体像を、製造目線で整理します。どんな商品形態に展開できるか、製法や分離対策、グルテンフリー表示など開発でつまずきやすい点、費用と最小ロットの目安、メーカーの選び方までをまとめ、あわせて「食品OEMの窓口」に掲載中の、植物性飲料や穀物加工に対応できるメーカーも紹介します。

目次

オーツミルクとは|オーツ麦から作る植物性ミルク

オーツミルクは、オーツ麦(燕麦)を水とともにすりつぶし、ろ過して作る植物性の飲料です。牛乳のような乳成分は含まず、穀物由来のやさしい甘みととろみが特徴で、クセが少なく飲みやすいことから、コーヒーや料理にも合わせやすい素材として広がりました。

豆乳やアーモンドミルクと並ぶ植物性ミルクのひとつですが、オーツミルクは穀物ならではのまろやかさとコクが持ち味です。環境負荷の低さや、乳・大豆を避けたい人にも選ばれる点が支持され、カフェのミルク代替やコンビニ・スーパーの飲料として定着しつつあります。

オーツミルクをOEMで作るという選択肢

オーツミルクは、オーツ麦を酵素で糖化してとろみと甘みを引き出す工程や、なめらかな口当たりに仕上げる均質化など、専用の設備とノウハウが要ります。一定の品質で量産し、分離を抑えて賞味期限を持たせて流通させるとなると、飲料や穀物加工を扱える工場の力が欠かせません。

そこで現実的なのが、設備と許可を持つメーカーに製造を委託するOEMです。味の方向性やパッケージは依頼側が用意し、原料調達や製造、スケールはメーカーが担います。自社工場を持たなくても、紙パック飲料などの形でテスト販売から本格量産まで段階的に進められます。OEMの基本は食品OEMとは?費用・進め方・メーカーの選び方もあわせて確認してください。

OEMで作れるオーツミルク系商品のバリエーション

オーツミルクの本質は「オーツ麦から作る植物性のミルク」です。用途や販路に合わせて形態を選べ、どの形にするかで適した工場や容器、賞味期限の設計が変わります。

商品形態 特徴 向いている販路
常温・紙パック飲料 長期保存しやすく物流に強い。定番の形 量販・EC・自販機
チルド飲料 鮮度感を訴求。フレッシュな味わい スーパー日配・カフェ卸
バリスタ仕様 コーヒーで分離しにくく泡立ちやすい設計 カフェ・業務用・EC
加糖・無糖・フレーバー 甘さや香りで差別化。用途を広げられる EC・量販
パウダー・濃縮ベース 軽量・長期保存。割って使う業務用途に EC・製菓/カフェ卸

定番で売るなら常温紙パック、鮮度で差をつけるならチルド、カフェ需要を狙うならバリスタ仕様、業務用や持ち運びにはパウダー・濃縮、というように売り場から逆算して形態を決めると相談がスムーズです。常温の紙パックは数ヶ月単位で日持ちし物流に強い一方、チルドは要冷蔵で賞味期限が短くなります。どの日持ち・物流を前提にするかで形態を選ぶと、後の設計がぶれません。

オーツミルクOEMの開発で押さえる3つの難所

オーツミルクは作り方こそ知られていますが、量産して安定した品質で流通させるところに難しさが集中します。試作前に次の3点を共有しておくと、手戻りを減らせます。

難所1|製法とオーツ原料の選定

味の決め手は、オーツ麦を酵素でどこまで糖化するかです。糖化を進めると自然な甘みととろみが出ますが、進めすぎると重くなり、足りないと水っぽくなります。使うオーツ麦の種類や産地、焙煎の有無でも風味が変わります。どの原料でどんな甘さ・とろみを狙うかを早めに言語化し、試作で詰めることが完成度に直結します。

難所2|分離・口当たり・コーヒーとの相性

植物性ミルクは時間がたつと固形分が沈み、分離しやすいのが共通の悩みです。なめらかな口当たりを保つには、均質化(ホモジナイズ)や、油脂・安定剤の設計が要ります。とくにカフェ向けでは、熱いコーヒーに入れても分離しにくく、泡立ちのよい「バリスタ仕様」が求められます。狙う用途に合わせて、この分離対策をメーカーと詰めていきます。

難所3|グルテンフリー表示と衛生管理

オーツ麦そのものはグルテンを含みませんが、栽培や製造の過程で小麦など他の麦類が混ざると、グルテンが入り込む可能性があります。そのため「グルテンフリー」とうたうには、専用ラインでの製造やグルテン検査など、根拠のある管理が前提になります。安易に表示せず、対応できる体制かをメーカーと確認することが欠かせません。表示まわりの注意は後述します。

オーツミルクOEMの費用と最小ロットの目安

費用は、試作費・製造費・原材料費(オーツ麦・油脂・安定剤・容器)・充填や物流のコストなどで構成されます。紙パックなどの容器や、常温かチルドかで全体のコストが変わるのがこのジャンルの特徴です。あくまで目安として、次のような考え方で見積もると把握しやすくなります。

項目 目安・考え方
試作費 甘み・とろみ・分離対策を詰める分、数回の試作を見込む
最小ロット 飲料は容器や充填ラインの都合でまとまった量を起点とする場合が多い。小ロットほど単価は上がりやすい
単価が上がる要因 バリスタ仕様や無添加設計、グルテンフリー対応、紙パック充填などの容器仕様

飲料は容器や充填の制約でロットが大きくなりやすいため、まずは対応可能な最小ロットをメーカーに確認するところから始めます。費用全体の相場は食品OEMの費用相場まとめ、ロットの決め方はOEM初回ロットの決め方を参考にしてください。

オーツミルクOEM依頼の流れ

一般的な流れは「①相談・コンセプト共有 → ②試作・味と口当たりの作り込み → ③契約・発注 → ④量産・納品」です。オーツミルクは②の試作で、甘み・とろみ・分離のしにくさを詰める工程が肝になります。用途(そのまま飲む・コーヒー用など)を決めてから試作に入ると、手戻りが減ります。

試作で必ず確認したいこと

  • 狙った甘さ・とろみ・コクになっているか
  • 時間がたっても分離しにくいか
  • コーヒー用なら、熱い飲み物に入れて分離しないか
  • 想定単価で目標の販売価格に収まるか

表示で気をつけること

オーツミルクは「植物性」「乳不使用」「グルテンフリー」といった訴求がしやすい一方、表示にはルールがあります。商品化を進める前に、メーカーと一緒に次の点を確認しておくと安心です。

グルテンフリー・アレルゲン表示

「グルテンフリー」と表示するには、前述の製造管理に加えて、表示の根拠を示せることが前提になります。乳成分は含みませんが、製造ラインで乳や他のアレルゲンを扱う場合は、混入(コンタミ)の表示が必要になることもあります。原材料表示やアレルゲン表示を正しく整えるため、工場側と早めにすり合わせておくと安心です。

「ミルク」という表記

「オーツミルク」という呼び方は広く使われていますが、乳製品と誤解されないよう、植物性飲料であることがわかる表示にしておくと安心です。健康効果を断定する表現は景品表示法などの観点から避け、栄養や機能をうたう場合は制度に沿った表示を前提にします。

オーツミルクOEMメーカーの選び方

オーツミルクは、穀物を扱える知見と、飲料の充填・分離対策の設備がそろっているかで仕上がりが決まります。価格だけでなく、次の観点で複数社を比べると、自社の商品に合うメーカーを見つけやすくなります。

比較項目 確認ポイント
飲料の製造設備 植物性飲料の製造や、紙パック・ボトルなど作りたい容器に対応できるか
穀物加工の知見 オーツ麦など穀物の加工・糖化のノウハウがあるか
分離・口当たりの設計 均質化や安定剤の設計、バリスタ仕様などに対応できるか
グルテンフリー対応 専用ラインや検査など、表示の根拠を整えられるか
衛生管理 HACCP・ISO・FSSCなどの認証や、安定生産できる体制があるか

植物性飲料・穀物加工OEMに対応できるメーカー

「食品OEMの窓口」に掲載中の企業から、オーツミルクの土台になる植物性飲料や穀物加工の受託製造に対応できるメーカーを紹介します。オーツミルクづくりは、飲料としての製造・充填と、オーツなど穀物原料の加工とで担い手が分かれます。各社ページの記載に基づくので、工程ごとに役割を見て、作りたい形態に近いメーカーから相談してみてください。

企業名 得意分野 所在地 特徴(各社ページより)
京都グレインシステム株式会社 穀物加工・飲料 京都府 飲料事業から食品事業へ領域を広げた穀物加工企業。穀物の焙煎・加工に知見を持ち、FSSC22000認証のもとで受託製造に対応
フジスコ株式会社 清涼飲料 広島県広島市 1957年創業の清涼飲料水製造メーカー。FSSC22000認証に基づく食品安全管理体制で、飲料の受託製造に対応
ミリアグループ株式会社 ドリンク・パック充填 広島県広島市南区 健康食品・清涼飲料の受託製造。紙アルミパックなど多様な容器充填と、処方提案から小ロット試作まで対応。健食GMP・ISO9001
西田精麦株式会社 大麦・穀物加工 熊本県八代市 大麦を中心とした穀物加工の専門企業。押麦やグラノーラなどシリアル類を扱い、穀物原料の加工・OEMに対応
株式会社種商 雑穀・甘酒・ハラール 佐賀県鳥栖市 創業70年以上の穀物加工企業。雑穀・豆類の加工や甘酒などのOEMに対応し、全工場でハラール認証を取得

飲料としての製造・充填を任せたいならフジスコやミリアグループ、穀物の加工から相談したいなら京都グレインシステム、大麦など穀物原料の加工なら西田精麦、ハラール対応や雑穀の知見なら種商、というように工程ごとに役割を見て選ぶと相談が進めやすくなります。

知らないと失敗する
OEMのポイントを解説

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どのメーカーを選ぶかで、コストも品質も大きく変わります。初心者の方でも失敗しない、OEMの進め方やメーカー選びのポイントを分かりやすくまとめています。

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オーツミルクOEMで差別化するポイント

オーツミルクはすでに定番化が進んでいるため、味の完成度と「自社ならでは」の切り口で差がつきます。差がつくのは、原料と製法・用途の設計・コンセプトの3点です。

差別化の方向は大きく3つあります。1つ目は、原料と製法です。オーツ麦の産地や種類、糖化の度合いで甘さととろみを作り込み、その背景を伝えると納得感が変わります。2つ目は、用途を絞った設計です。コーヒー専用のバリスタ仕様、料理に使える無糖タイプ、子ども向けのやさしい甘さなど、シーンを決めて味と容器を合わせると個性が立ちます。3つ目は、コンセプトの打ち出しです。国産オーツや環境配慮、グルテンフリー対応など、こだわりを根拠とともに伝えると、価格競争から抜け出しやすくなります。まず小さく出し、反応を見て磨き込むサイクルが、この商材でも効いてきます。

よくある質問

オーツミルクのOEM・商品化について、よく寄せられる質問をまとめました。

オーツミルクはどのくらいのロットからOEMで作れますか?

飲料は容器や充填ラインの都合でまとまった量が起点になりやすく、カテゴリの中では初回ロットが大きくなりがちです。対応できる最小ロットを早めにメーカーへ確認すると進めやすくなります。

「グルテンフリー」と表示して販売できますか?

オーツ麦自体はグルテンを含みませんが、製造過程で他の麦類が混ざる可能性があります。専用ラインやグルテン検査など根拠のある管理ができるメーカーであることが、表示の前提になります。

コーヒーに入れても分離しないものは作れますか?

熱い飲み物でも分離しにくく泡立ちのよい「バリスタ仕様」として設計できます。均質化や油脂・安定剤の設計で対応するため、カフェ用途を狙うなら試作で確認します。

加糖・無糖やフレーバーも選べますか?

選べます。甘さの有無やバニラなどの香りで、そのまま飲む用途から料理用まで幅を持たせられます。狙う客層に合わせて味の方向を決めます。

オーツミルクを使った加工品も作れますか?

可能です。オーツミルクを使ったアイスやヨーグルト風の商品など、飲料以外への展開も相談できます。作りたい形態に対応できるメーカーを選びます。

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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