BERTH COFFEEの豆袋が紙製バリアに——日本製紙シールドプラス採用に見る、香りを守る受託包装と小ロット印刷
日本製紙株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:瀬邊明)は2026年9月2日、ジオパック株式会社(本社:東京都江東区、代表取締役社長:時田義明)と連携した紙製バリア素材「シールドプラス(R)」使用のコーヒー用パッケージが、東京・日本橋や横浜・みなとみらいに店舗を構えるBERTH COFFEEに採用されたと発表した。日本製紙の紙素材開発力と、ジオパックの製袋加工・印刷技術を組み合わせた「FutureBio Bag」が、オリジナルの豆袋として使われる。
食品包装ではプラスチックからの置き換えが長く議論されてきたが、コーヒー豆は酸化と香り抜けに弱く、紙への切り替えが難しい品目とされてきた。紙基材でバリア性能をどこまで担保できるか、そして小ロットのブランド案件をどう成立させるか。受託包装に関わる担当者には、素材と生産方式の両面で読みどころのある発表だ。
紙でコーヒーの酸化と香り抜けをどう抑えるか
「FutureBio Bag」は、日本製紙の紙製バリア素材「シールドプラス(R)」を外層に使った、紙を主体とするコーヒー用パッケージだ。シールドプラスは、木質素材100%の紙基材に水系塗工技術でバリア層を付与した機能紙で、酸素バリア性とフレーバーバリア性によってコーヒー豆の酸化を抑え、香りを保持するとされる。
袋の内側とジッパー部分には生分解性樹脂を使用し、堆肥化を視野に入れた素材構成としている。形状は底面が平らで自立するフラットボトムを採用し、店舗の棚での見せ方と家庭での保管の両立を狙う。
BERTH COFFEEが採用に至った理由
BERTH COFFEEは、コーヒー生産国を訪れて生産者や輸出業者と対話を重ね、エルサルバドルの生産者にはコーヒーの売上の6%を設備投資として還元するなど、生産地との関係づくりを進めてきた。店舗ではステンレスストローや紙製のカップ蓋を導入しており、その姿勢を豆のパッケージにも反映するために「FutureBio Bag」を選んだとしている。
採用理由としては、堆肥化を視野に入れた素材構成に加えて、オンラインストアでの発送に適したサイズ感も挙げている。厚さを3cm以内に抑えられるため、クリックポストを活用した発送が可能で、複数の袋を並べたときの収まりも良く、梱包作業を行う側にとって扱いやすいという。
デザインを支える水性デジタル印刷
今回のオリジナルパッケージは、BERTH COFFEEが訪れた生産地の自然を抽象化し、全4種類のデザインとして表現している。この表現を担うのが、ジオパックの水性インクジェット方式によるデジタル印刷だ。色の重なりや淡いグラデーションを紙の上に再現し、紙のマットな質感と合わせて仕上げている。
日本製紙は素材開発を、ジオパックは包装設計と製袋加工、そして水性デジタル印刷による多品種・小ロット生産を担うとしている。今回の全4種のデザインも、この水性インクジェット印刷で刷り分けられている。
使用済みの袋は焙煎所へ返して堆肥化する
堆肥化を視野に入れた素材構成である一方、家庭でのコンポストにはまだハードルがある。そこでBERTH COFFEEは、使用済みの袋を焙煎所へ返却してもらい、適切な方法で堆肥化につなげる仕組みを検討しているという。今回の取り組みは、素材の採用にとどまらず、使用後の回収や循環までを事業者とともに考える形をとっている。
発表の概要
| 発表企業 | 日本製紙株式会社/ジオパック株式会社 |
| 発表日 | 2026年9月2日 |
| 製品 | 紙製バリア素材「シールドプラス(R)」使用のコーヒー用パッケージ「FutureBio Bag」 |
| 採用ブランド | BERTH COFFEE(日本橋・横浜みなとみらい) |
| 素材の特徴 | 木質素材100%の紙基材+水系塗工バリア層。内側・ジッパー部に生分解性樹脂 |
| 形状・仕様 | 自立するフラットボトム。厚さ3cm以内でクリックポスト発送可 |
| 印刷 | ジオパックの水性インクジェットによるデジタル印刷(全4種デザイン) |
受託包装の担当者が持ち帰れる論点
ここからは食品OEMの窓口編集部の見立てになる。今回の事例で受託側が読み取れるのは、脱プラ対応が「単一素材の置き換え」から「素材・印刷・回収を通した提案」へと重心を移している点だ。紙製バリア材が酸化に弱い品目にも入り始めたことで、コーヒーや焙煎系のPB案件で紙容器を検討する余地が広がる。
もう一つは、版を持たないデジタル印刷が小ロットのブランド案件を成立させる鍵になっている点だ。デザイン違いを少量で刷り分けられれば、産地ストーリーや限定商品を打ち出したい発注側の要望に応えやすい。容器の値上げや資材不足が続くなかで、素材と印刷方式をセットで提案できる体制は、受託の引き合いを広げる材料になる。
まとめ
日本製紙とジオパックによるコーヒー用パッケージのBERTH COFFEE採用は、紙製バリア材によるコーヒー豆の保護、生分解性樹脂の内層、そして水性デジタル印刷による多品種・小ロット生産という三つの要素を組み合わせた事例だ。食品の受託製造やPB開発に関わる担当者にとって、容器の脱プラと小ロット対応を同時に検討するうえでの一つの参照点になる。関連する動きは天満紙器の竹パルプ容器など、食品容器の転換をめぐる各社の取り組みでも見られる。
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出典
- 日本製紙株式会社 PR TIMESプレスリリース(2026年9月2日)紙の風合いとバリア性能を両立したコーヒー用パッケージ


