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15年目のパイクリームサンドを全面刷新——神戸浪漫「KOBE 口どけサンド」が公開した、折り数調整とクリームの空気量管理

昭栄株式会社(本社:兵庫県神戸市、代表取締役:塚本晋也)は、自社ブランド「神戸浪漫」から新商品「KOBE 口どけサンド」を2026年9月に発売する。発売から15年を迎える土産菓子「神戸パイクリームサンド」を全面リニューアルした商品で、パイ生地からクリームまで作り直した。

リニューアルの中身をたどると、ロングセラー菓子を作り替えるときに製菓の現場で何をいじるのかが見えてくる。同社が公表したのは、生地の折り数の調整と、クリームに含ませる空気の量の管理だ。これは自社ブランドの刷新事例だが、受託・PB開発で既存商品の作り替えを相談される工場にも、工程のどこを触るかの下敷きとして読める。

目次

15年目の全面リニューアルで作り替えたもの

「神戸パイクリームサンド」は、神戸浪漫の土産菓子として15年にわたり販売されてきた。今回これを「KOBE 口どけサンド」として全面刷新し、これまで同商品を扱ってきた各店舗で9月から販売する。目指したのは、サクサクとしたパイとなめらかなクリームが一緒にほどけていく新しい口どけで、フレーバーはカスタード、チョコ、チョコ抹茶の3種類をそろえた。

菓子市場全体は2025年に小売金額で4兆円を超え過去最高を更新したが、その中で15年選ばれ続けてきた商品を作り替えるのは、味の記憶を壊さずに刷新する難しさをともなう。昭栄は創業60年の神戸の菓子メーカーで、子会社の株式会社神戸浪漫とともに、土産菓子やギフト商品の企画・製造・販売を手がけている。

パイ生地は粉から仕込み、生地ごとに折り数を変えた

パイ生地は、自社工場で粉から仕込み、折り重ねる工程まで自社で行っている。今回のリニューアルでは、これまでの原料を生かしながら配合を改めて見直し、プレーン生地とチョコ生地でそれぞれ折り数を調整した。薄く繊細な層を重ねることで、サクサクとほどける食感に仕上げたとする。

生地の種類ごとに折り数を変えるのは、同じレシピを一律に当てるのではなく、素材の違いに合わせて層の作り方を分ける調整だ。これまでの原料を生かしながら配合と工程で味と食感を作り替えている点が、今回のリニューアルの骨格になっている。

クリームは空気の量を管理し、一つずつ均一にそろえる

クリームは、ふわっとなめらかな食感に仕上げるため、温度や比重を確認しながら、含まれる空気の量を細かく調整したという。さらに、パイとクリームが一緒にほどけるバランスを考えてクリームの量にもこだわり、一つひとつ均一に仕上げていると説明する。

比重を確認しながら空気の量を調整し、量産しても一つずつ均一に仕上げるという工程は、感覚で語られがちな「口どけ」を数字で握り直す作業にあたる。均一さをどこまで詰めるかは、リニューアルの中でも手のかかる部分だ。

商品概要

項目 内容
商品名 KOBE 口どけサンド
発売時期 2026年9月
フレーバー・価格 カスタード/チョコ/チョコ抹茶 各6個入 1,296円(税込)
アソートセット カスタード・チョコ 各5個入 2,106円(税込)
リニューアル前商品 神戸パイクリームサンド(発売15年。14年間で累計約65万箱、パイ換算で約365万個)
販売 これまでの取扱店舗で9月より販売。あわせて5店舗でPOP UPを開催。新大阪・新神戸・三ノ宮・淡路SA下りの4カ所は9月1日〜9月30日、西宮名塩SA上りは9月3日〜(終了日未定)
企画・販売 昭栄株式会社(神戸市)
製造 株式会社神戸浪漫

ロングセラーのリニューアル受託で効いてくる論点

ここからは食品OEMの窓口編集部の見立てになる。今回のリニューアルは、長く売れてきた商品の作り替えを相談される工場にとって、工程のどこを触るかの整理に使える。

第一に、全面リニューアルでも「これまでの原料を生かす」判断をとれば、素材の切り替えにともなうコストや供給面の手間を抑えやすい。作り替えの幅を配合と折り数という工程側に寄せたやり方は、受託でも下敷きにできる。

第二に、生地ごとに折り数を変える、クリームの比重で空気量を管理するといった調整は、レシピの数字を握り直す作業だ。感覚で共有されがちな食感を、折り数や比重という数字に置き換えられるかどうかが、量産で同じ品質を出せるかの分かれ目になる。

第三に、「一つひとつ均一に仕上げる」は、量産時の個体差をどこまで詰めるかという品質基準の話だ。土産菓子は見た目のばらつきがそのままブランドの印象になるため、受託側はどこまでの均一さを保証するのかを見積もりの前に握っておきたい。

まとめ

「KOBE 口どけサンド」は、15年続いた土産菓子を、原料を生かしたまま配合・折り数・クリームの空気量で作り替えたリニューアルだ。「サクサク」と「口どけ」を、折り数の調整とクリームの空気量の管理という具体的な工程に落として作り直している。同じくロングセラーの作り替えを相談される工場が次にやることは、既存レシピのどの数字を動かせばどの食感が変わるのかを、自社の工程で一度棚卸ししておくことだ。

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出典

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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