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飲むクラフトコーラをそのままグミに——日々乃コーラが5周年で挑む「シロップ練り込み」とMakuake先行販売

大阪発の和漢クラフトコーラブランド「日々乃コーラ」を手がけるオルガワークス株式会社(大阪市北区、代表取締役 小川拓史)が、ブランド初のグミ『日々乃コーラ ご褒美和漢グミ』を開発した。2026年10月1日の一般発売に先駆け、9月5日13時から応援購入サービス「Makuake」で先行販売を始める(9月23日22時終了)。希望小売価格は税込690円、内容量は72g(6g×12粒)だ。

ドリンクとして飲まれてきたクラフトコーラを「食べる」形に載せ替えた一件だが、受託製造やPB開発に関わる立場から見ると、読みどころは味の話ではない。既存のシロップという資産をどう菓子へ転用したか、レモン果皮を自社でどこまで原料化したか、そして本格発売の前にMakuakeで小さく出して受容性を測る流れ——この三点が、ドリンクブランドの菓子カテゴリ拡張を考えるうえでの具体例になる。

目次

発表の中身——「飲む」を「食べる」に載せ替える

日々乃コーラは、コロナ禍の2020年に営業休止を迫られたコミュニティダイニングバーで生まれたオリジナルドリンクが原点だという。2021年9月の全国発売から5周年に合わせ、今回のグミが新カテゴリーとして加わる。

シロップは好みの濃さに割って飲む商品のため、外出先では作りにくい。開発を担当したブランドプロデューサーの細川裕之氏(専務取締役)は、鞄に入れて持ち歩き一口で味わえる形を作りたかったとコメントしている。飲用の体験を携帯できる固形物へ移す発想が起点だ。

シロップをそのまま練り込む配合設計

製法上の要点は、香料だけでコーラの味を再現するのではなく、日々乃コーラのシロップそのものを生地に練り込んでいる点だ。シロップは製法の異なる3種のキビ糖をベースに、愛媛県岩城島産の瀬戸内レモン、クローブやカルダモンなどのスパイス、奈良県産の和漢ハーブなど約20種の素材をブレンドしたもの。これをグミに移すことで、噛み進めるうちにレモンの酸味からスパイスや和漢ハーブの余韻へと風味が変化する設計をねらっている。

原材料表示を見ると、コーラシロップの内訳だけできび砂糖やレモン、甘夏果汁、コリアンダー、カルダモン、クローブ、花椒、大和当帰(葉)、杜仲(葉)など十数種が並び、これに水飴・砂糖・ゼラチン・植物油脂・レモン果皮油などが加わる。多数の素材を含む液体を固形の生地へ均一に混ぜ込む工程は、香料中心で味を付けるグミより配合と表示の管理が重くなりやすい。

レモン果皮を原料化してグミに配合する

もう一つの特徴は、香りの主役であるレモンを香料で足すのではなく、果皮そのものを原料化している点だ。使うのは愛媛県岩城島産の越冬完熟レモンで、農家「わらしべ。」の岡信太郎氏を中心とした地元生産者がブランド立ち上げ時から供給している。

リリースによれば、収穫後に冷凍保存した完熟レモンを解凍し、果皮と実を一つずつ手作業で分ける。果実はコーラシロップへ、果皮は真空固液分離機でレモンオイルとレモン水として抽出し、グミへ配合するという。産地の果実を一次加工まで手当てする作り方は、香りの再現度を高めやすい。一方で手作業の分離や抽出に人手がかかる点は、編集部の見立てでは生産量を一気に伸ばしにくい要因になる。

直径30mmという造形と食感の設計

グミ1粒は直径約30mm、500円玉より一回り大きい大粒に設計されている。もちもちとした食感で自然に噛み続けたくなることを意図したという。背景として、農林水産省「令和6年度 食育に関する意識調査」で「普段ゆっくりよく噛んで食べていない」と答えた人が51.4%に上ること、厚生労働省「健康日本21(第三次)」が「よく噛んで食べることができる人の増加」を目標に掲げていることを挙げている。

大粒でもちもちした食感を量産で揃えるには、成形や煮詰めの条件づくりが要になる。菓子の食感や造形を量産で平準化する難しさは、神戸浪漫のパイクリームサンド刷新でクリームの空気量や折り数を管理した事例とも通じる。味の設計と製造条件はセットで動く。

商品概要

先行販売はMakuake、一般発売は10月、価格は税込690円という座組みだ。数字で押さえると次のとおり。

商品名 日々乃コーラ ご褒美和漢グミ
希望小売価格 税込690円
内容量 72g(6g×12粒)
賞味期限 常温で製造日から1年
先行販売 Makuake 2026年9月5日13時〜9月23日22時
一般発売 2026年10月1日
ブランド/運営 日々乃コーラ/オルガワークス株式会社(大阪市北区)

常温で1年という賞味期限は、菓子として流通や在庫を持ちやすい条件になる。

Makuakeで小さく出して受容性を測る

今回の先行販売は、日々乃コーラにとって5年ぶりのMakuake挑戦になる。2021年6月のシロップ先行販売では524名から375万円を超える応援購入を集めたと同社は説明している。新カテゴリーを本格発売の前に応援購入で出すやり方は、初期ロットを絞りながら価格帯や味の受け止めを確かめる場として働きやすい。

グミ単品のセットからシロップやのど飴と組み合わせたセットまで9種類のリターンを用意し、数量限定の割引を段階で設定している。既存商品と抱き合わせて出すことで、新商品の反応だけでなくブランド内での買われ方も同時に見える構成になっている。

受託側が持ち帰れる論点

ここからは食品OEMの窓口編集部の見立てになる。この発表は自社ブランドの新商品で、製造体制の詳細はリリースに書かれていない。ただ、ドリンクブランドが菓子へ広がるときの型として読むと、受託・PB開発の現場に引ける論点がいくつかある。

  • 液体のフレーバー資産を固形へ移す設計。香料で近い味を作るのか、既存のシロップやエキスを実際に練り込むのかで、配合管理・表示・原価が大きく変わる。
  • 産地原料の扱い。果皮抽出まで手をかけると香りは立つが生産量の天井は下がりやすく、委託先とどこまで分担するかの相談どころになる。
  • 市場投入の順序。いきなり量産在庫を積むのではなく応援購入で小さく試す流れは、小ロット対応や短納期の引き合いとして受託側にも波及する。

飲料や調味料のブランドから「うちの味を菓子で」という相談が来たとき、この三点を最初に整理できると話が早い。

まとめ

日々乃コーラのグミは、飲むための商品を食べる形へ移し替えた事例だ。シロップの練り込み、レモン果皮の自社抽出、大粒の造形は、いずれも味の狙いと製造条件が直結している。フレーバーの移し方・原料の内製度・小ロットでの試し方をどう組むかが、菓子へ広がる相談での受託側の初動を左右する。

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出典

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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