機能性表示食品市場が2026年度に8,115億円規模へ拡大|OEM受託の新チャンスを解説

この記事の要約
2026年度の機能性表示食品市場は前年比4.0%増の8,115億円規模に拡大する予測です。腸内フローラへの注目、ラクトトリペプチドなどたんぱく質機能の科学的根拠蓄積、高齢化社会と予防医療意識向上が成長要因です。OEM事業者には届出サポート対応工場の選定、機能訴求の差別化、GMP適合とトレーサビリティ対応の確認が求められます。

2026年度の機能性表示食品市場が前年比4.0%増の約8,115億円に達するとの予測が公表されました。2025年度の7,806億円から着実に成長しており、健康意識の高まりを背景に消費者の購買行動が変化しています。腸内環境の改善やたんぱく質機能を訴求した商品の開発需要がOEMメーカーにも波及しており、受託開発の引き合いが活発になっています。本稿ではこの市場拡大の背景と、食品OEMビジネスへの活用方法を整理します。

目次

機能性表示食品市場が着実に成長している背景

消費者の健康意識は「病気の予防」から「日常の体調管理」へと広がりを見せており、機能性表示食品の購買層が幅広い年代へ拡大しています。食品スーパーやドラッグストアでの取り扱いが増え、「なんとなく健康によさそうな食品」ではなく「根拠のある機能を持つ食品」を選ぶ消費者が増加しています。

2026年度も安定した成長が見込まれる要因として次の3点が挙げられます。

  • 腸内フローラへの注目:善玉菌を増やす食品素材の研究が進み、プロバイオティクス・プレバイオティクスを配合した製品の開発要望が急増しています。腸と免疫の関係が広く知られるようになったことで、「腸活」をテーマにした新商品の開発依頼が増えています
  • たんぱく質関連の機能訴求:2026年2月にアサヒグループ食品が発表した「ラクトトリペプチド」の筋肉増加効果の研究など、素材レベルでの科学的根拠が蓄積されつつあります。筋肉維持・骨強化を訴求した高齢者向け商品や、運動後のリカバリーを目的とした若年層向け商品の両面でニーズが高まっています
  • 高齢化社会と予防医療の意識向上:運動機能・認知機能の維持を目的とした商品は、シニア向けOEM開発の中でも特に受注が拡大している分野です。同時に医療費抑制の観点から予防的なアプローチへの関心が社会的に高まっており、行政・自治体が健康食品の普及を後押しする動きも出ています

OEM事業者にとっての機会と課題

この市場拡大は食品OEM企画を検討している事業者にとって明確な追い風です。機能性表示食品の届出制度(消費者庁)は年々整備が進んでおり、OEMメーカーが届出サポートまで一括対応するケースも増えています。特に小規模事業者にとっては、届出手続きの煩雑さが参入障壁になることが多いため、「届出まで対応可能なOEM工場」を選ぶことが重要になっています。

一方で、競合商品の増加により「どの機能を、誰に訴求するか」という差別化が重要になっています。OEM試作ブリーフシートの段階から機能訴求の方向性を明確にしておくことで、開発の手戻りを防ぎ、スピーディーな上市が可能になります。機能訴求の根拠となる素材選定と、ターゲットに響く商品コンセプトの設計を最初に固めることが、成功への近道です。

また、機能性表示食品は原材料の品質管理が厳格に求められます。工場選定の際にはOEM工場見学チェックポイントを活用し、GMP適合やトレーサビリティ対応状況を事前に確認することが欠かせません。届出後も継続的な品質維持が義務付けられるため、長期的なパートナーシップを築ける工場を慎重に選ぶ必要があります。

業界への影響と今後の展望

機能性表示食品の市場拡大は、単に商品の種類が増えるだけでなく、食品OEM工場に対してより高度な製造・品質管理能力が求められることを意味します。認証取得済みの工場や、特定素材の取り扱い実績が豊富な工場への依頼が集中する傾向が続く見込みです。このため、複数の工場を比較するOEM相見積もりは、市場に参入する際の必須ステップといえるでしょう。

まとめ

機能性表示食品市場の成長は、中小食品ブランドや健康関連事業者にとって新商品開発の好機です。市場ニーズに合った素材選定と届出対応力を持つOEM工場と連携し、2026年の市場拡大を取り込む戦略を今から描いておきましょう。まずは自社の商品コンセプトを整理し、機能訴求の軸を決めた上でOEM工場の選定を始めることをおすすめします。

参照:2025年度健康食品市場分析|ネットショップ担当者フォーラム

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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