原材料費高騰でも利益を守る|2026年食品OEM調達戦略の実践ポイント

この記事の要約
円安・物流費上昇・農産物不作で食品OEMの原材料調達コストは2025〜2026年も高止まりが続き、輸入原料では1〜2年前比で10〜30%上昇しています。原材料費は総コストの60〜70%を占めるため、特定カテゴリに強い専門工場の活用、複数原料グレード比較、在庫管理最適化、定期的な相見積もりの3つのアプローチが実践的なコスト対策となります。

円安・物流コスト上昇・気候変動による農産物の不作が重なり、食品OEMにおける原材料調達コストは2025〜2026年も高止まりが続いています。輸入原料を多く使う食品カテゴリでは、1〜2年前と比較してコストが10〜30%上昇しているケースも珍しくありません。この環境下でOEM事業の利益率を維持するためには、委託先工場の選び方と調達設計の見直しが不可欠です。業界の最新動向を踏まえ、実践的なコスト削減策を解説します。

目次

コスト削減に直結する「専門工場」の活用

食品OEMの原材料費は総コストの60〜70%を占めることが多く、仕入れ力のある工場を選ぶかどうかで粗利率が数ポイント変わります。特定の食材カテゴリ(ナッツ・乾燥野菜・発酵素材・タンパク素材など)を大量に取り扱うOEM工場は、仕入れのスケールメリットを持っており、同じ品質でも割安な原料調達が期待できます。

食品OEM原材料調達の観点でいえば、工場の主力カテゴリに自社商品を合わせてプランニングすることで、調達コストを抑えながら品質安定も確保できるケースが増えています。たとえば、ナッツを大量仕入れしている工場にナッツ系スナックを依頼する、乾燥野菜の在庫を多く持つ工場にふりかけやスープを依頼するといった発想です。

原材料高騰環境で実践すべき3つのコスト対策

原材料費の高騰が長期化している現在、以下の3つのアプローチを組み合わせて取り組むことが重要です。

  • 複数原料グレードの比較検討OEM初回ロットの設計段階から複数の原料グレードをサンプルで比較し、品質と価格のバランスポイントを事前に探っておきましょう。高騰している素材については、代替素材の検討も並行して進めることで、コスト圧力に対応できる設計にしておくことが大切です
  • 在庫管理の最適化OEM在庫管理を見直し、原料高騰時の過剰在庫リスクを下げることが重要です。適正在庫の水準を設定し、発注タイミングを精緻化することで、余剰在庫による機会損失と廃棄コストの両方を削減できます
  • 定期的な相見積もりの実施:長期取引の慣習から特定工場への発注が固定化しているケースでは、定期的にOEM相見積もりを実施して市場価格との乖離を検証することが有効です。年1〜2回の見直しだけで、費用を数パーセント改善できることがあります

業界への影響と今後の展望

原材料高騰の影響は川下にも波及しており、OEM工場が一方的にコストを吸収する構造は限界を迎えつつあります。今後は「コストを誰が負担するか」ではなく、「どう設計してコスト自体を下げるか」という協調型の発想が主流になっていくでしょう。OEM事業者と工場が原料の調達情報を共有し、タイミングを合わせて仕入れる取り組みも広がっています。

OEM原価計算シートを使って粗利40%を死守するラインを把握しておくことも、値上げ交渉や商品リニューアルの判断材料になります。コスト構造を可視化することで、どこに削減余地があるかを客観的に議論できるようになります。

まとめ

原材料費の高騰は外部環境であり、すぐに変えることはできません。しかし、工場選定・調達設計・在庫管理という内部要因は改善できます。2026年の厳しいコスト環境を生き抜くために、今こそ自社のOEM調達戦略を見直すタイミングです。まず自社の原価構造を整理し、専門性の高いOEM工場との比較検討から始めてみてください。食品OEM契約書の段階でコスト変動条件を適切に取り決めておくことも、長期的なリスク管理につながります。

参照:食品OEMの費用・相場と原材料調達コスト削減策|食品開発OEM.jp

よかったらシェアしてね!

この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

目次