GMP義務化まで残り5カ月——健食OEM展2026で消費者庁が緊急解説セミナーを開催

この記事の要約
2026年9月1日から機能性表示食品のサプリメント形状製品でGMP管理が法的義務化されます。4月16-17日開催の「健食原料・OEM展2026」で消費者庁が緊急解説セミナーを実施します。GMP未取得工場との取引リスク、原料品質文書対応、小規模工場の市場撤退懸念など、OEM受託事業者が確認すべき3つの実務ポイントを解説しています。

2026年4月16日(木)・17日(金)、東京国際フォーラムで「健食原料・OEM展2026」が開催される。今回の展示会で最大の注目を集めているのが、一般社団法人日本栄養評議会(CRN JAPAN)と消費者庁が共催する緊急セミナーだ。テーマは「2026年9月に義務化される機能性表示食品のGMP(適正製造規範)管理」——OEM受託製造業者と原料サプライヤーが今すぐ動かなければならない理由がここにある。

目次

GMP義務化とは何か:推奨から法的強制へ

2024年3月、小林製薬の機能性表示食品「紅麹コレステヘルプ」で健康被害が相次ぎ、社会問題化した。この事件を契機に消費者庁は機能性表示食品制度を大幅に見直し、サプリメント形状(錠剤・カプセル剤等)の製品について、GMP管理による製造を2026年9月1日から法的に義務化することを決定した。

それまでGMPは「推奨」水準にとどまっていた。つまり取得していなくても製造・販売は可能だったが、9月以降は未取得の工場での製造は原則認められなくなる。2024年9月から2年間の移行期間が設けられたが、その期限があと5カ月に迫っているのが現状だ。

項目 内容
義務化開始日 2026年9月1日
対象 機能性表示食品のうちサプリメント形状(錠剤・カプセル等)
義務化の範囲 製造工場・一次包装工場(二次包装は対象外)
原料製造への適用 引き続き「推奨」水準(義務ではない)
移行期間 2024年9月〜2026年8月31日

健食原料・OEM展2026のセミナー:消費者庁が直接登壇

4月17日(金)、CRN JAPANが「健食原料・OEM展2026」の主催者セミナーとして特別プログラムを実施する。消費者庁食品表示課保健表示室・糸井雄一課長補佐が登壇し、以下のテーマを解説する予定だ。

  • 機能性表示食品のGMP実施状況の確認方法
  • GMP工場が受け入れる原料に求められる品質要件
  • 制度移行に向けた現場対応の実態と課題

セミナー後半にはパネルディスカッションも予定されており、OEM受託メーカーと原料サプライヤーが混在する展示会の場で、サプライチェーン全体での実務的な対応策が議論される見通しだ。

また同会期中、CRN JAPANは「2026年版 健康食品原材料標準書(第9版)」を公表。令和6年3月に発出された「3.11通知」に基づき、天然抽出物の「同等性・均一性」評価基準や微生物関連項目が新たに追加された。原料サプライヤーと製造販売事業者間の品質情報交換を標準化する実務ツールとして機能する。

OEM受託事業者への実務的影響:3つの視点

1. GMP未取得工場との取引リスク

9月以降、GMP管理体制のない工場で製造した機能性表示食品のサプリは届出が受理されなくなる可能性が高い。委託元ブランドオーナーとしては、今の段階で受託工場のGMP認証取得状況を確認し、取得予定時期と認証機関を書面で確認しておくことが不可欠だ。

2. 原料選定の厳格化

GMP工場では受け入れる原料に対しても品質文書の提出を求めるケースが増加している。原料サプライヤー側はCRN JAPANが提供する「原材料標準書」フォーマットへの対応が実質的に求められるようになる。価格競争力だけでなく、ドキュメント対応力が選定基準として浮上している。

3. 市場競争の再編

矢野経済研究所のデータによれば、機能性表示食品市場は拡大傾向にあり、健康食品OEMの商談ニーズは底堅い。一方で今回のGMP義務化により、小規模・GMP未取得の受託工場は市場から撤退を余儀なくされる可能性がある。結果として、GMP認証済みの中大規模OEMメーカーへの受注集中が進むと見られ、発注先の見直しを迫られるブランドオーナーは少なくない。

展示会概要:来場者1万4,000人規模のBtoBイベント

項目 内容
イベント名 健食原料・OEM展2026
会期 2026年4月16日(木)・17日(金)10:00〜17:00
会場 東京国際フォーラム ホールE1(千代田区丸の内3-5-1)
予想来場者 1万4,000人(業界関係者のみ)
主催 株式会社ヘルスビジネスメディア
出展カテゴリ 原料供給・受託加工・容器包装資材メーカーなど

出展申込は2025年時点で100小間超の申し込みがあり、企業プレゼンセミナー枠はキャンセル待ちが発生していた。BtoBに特化した業界向けイベントのため来場者の質が高く、商談成立率の高さが特徴とされている。

まとめ:今すぐ確認すべき3点

9月のGMP義務化に向けて、食品OEM業界では対応の速度差が今後の受注差につながりかねない。特にサプリメント系の機能性表示食品を扱う事業者は、以下を早急に確認したい。

  1. 委託工場のGMP認証取得状況・取得予定日の書面確認
  2. 使用原料の品質文書(原材料標準書フォーマット対応)の整備状況
  3. 機能性表示食品の届出ファイルへのGMP関連情報の反映

健食原料・OEM展2026への来場は無料(業界関係者限定・事前登録制)。消費者庁担当者に直接質問できる機会は貴重であり、OEM事業者・ブランドオーナー双方にとって参加価値の高いイベントだ。


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出典:消費者庁登壇「機能性表示食品等のGMP義務化」セミナー開催(健康美容EXPO) / 2026年版 健康食品原材料標準書(第9版)公表(CRN JAPAN) / 健食原料・OEM展2026公式サイト

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この記事を書いた人

小島怜のアバター 小島怜 株式会社Agriture

株式会社Agriture CEO/食品OEMコンシェルジュ 乾燥野菜やドライフルーツを中心とした受託加工・OEM事業を手がける株式会社AgritureのCEO。京都府内の農家と連携し、規格外野菜の活用や6次産業化支援を通じて、「持続可能な食の流通」を追求している。製造現場での豊富な実体験を活かし、商品企画から試作、小ロット対応、パッケージ設計、販路開拓支援まで、OEMを検討するすべての事業者に伴走するサポートを提供。

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