VITASがリポソーム設計のサプリ2品を相次ぎ投入——脂溶性ビタミンのオイルイン充填と多成分配合を受託視点で読む
スポーツ・フィットネス・健康領域のサプリメントを手がける株式会社VITAS(東京都豊島区、代表取締役:高橋達也)は、リポソーム設計を採用したサプリメントを相次いで発売する。9月28日に「リポソームルテイン」を、10月1日に「リポソームビタミンD&V.K」を投入し、いずれも税込1,980円・60粒で展開する。
受託開発やPB開発に携わる立場から読むと、この2製品は「同じ設計思想を別の成分に横展開した」事例として見える。脂溶性成分をどう体になじませるか、複数の素材を1粒にどうまとめるか、続けやすい形状にどう仕上げるか——サプリの差別化を配合と剤形の両面で組み立てた例だ。
数日内に投入された2製品はどちらもリポソームを採用
VITASは、プロテインをはじめ複数の商品で国際的なアンチドーピング認証「インフォームド・チョイス」を取得し、完全国内生産を掲げるブランドだ。今回の2製品はいずれも、成分の含有量だけでなく「どう届けるか」に踏み込み、リポソーム設計を採用した点で共通する。
「リポソームビタミンD&V.K」は、屋内で過ごす時間が長い生活を想定し、ビタミンDを主役に据えた製品だ。「リポソームルテイン」は、PCやスマートフォンを見る時間が長い生活を想定し、体内で生成できないルテインを補う製品として設計されている。狙う生活シーンは異なるが、脂溶性成分を扱う設計という骨格は同じだ。
脂溶性ビタミンをオイル状態でソフトカプセルに充填する
「リポソームビタミンD&V.K」では、ビタミンDの一部にリポソーム設計を採用したほか、脂溶性ビタミンの特性を活かすため、オイル状態でソフトカプセルへ充填したと説明している。原材料の筆頭は「こめ油(国内製造)」で、油脂に成分を溶かし込んでソフトカプセルに閉じ込める剤形だ。
脂溶性のビタミンD・Kを扱う場合、粉末を固めた錠剤よりも、油脂に溶かしてカプセルに充填する形の方が成分の性質を活かしやすいとされる。リリースは、この剤形を選んだことを差別化の軸に置いている。
複数の成分を1粒にまとめる多成分配合
2製品とも、主役の成分に複数の素材を組み合わせている。「D&V.K」は、ビタミンDにビタミンKを同時配合し、さらに黒生姜・赤生姜・パインバークエキスを加えた。「ルテイン」は、ルテインに同じ色素の仲間のゼアキサンチン、ビルベリー、メグスリノキ、ローヤルゼリーを組み合わせている。
複数のサプリを別々に飲む手間を、1粒にまとめて省くという設計だ。ビタミンKを含む「D&V.K」では、抗凝固薬(ワーファリン等)を服用中の人は使用を控えるか医師に相談するよう、リリースに注意喚起が明記されている。
続けやすさを剤形で担保する
2製品はいずれも、飲み続けやすさを剤形で担保しようとしている。「D&V.K」は喉通りのよい極小サイズのカプセルを、「ルテイン」は飲み慣れていない人でも続けやすい小粒サイズを掲げた。「D&V.K」は約2ヶ月分(1,980円)で1日あたり約33円という価格設定も打ち出している。
2製品の概要
| 項目 | リポソームビタミンD&V.K | リポソームルテイン |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年10月1日 | 2026年9月28日 |
| 価格 | 1,980円(税込) | 1,980円(税込) |
| 内容量 | 20.4g(1粒340mg×60粒) | 25.8g(1粒430mg×60粒) |
| 主な配合(リリース記載) | ビタミンD 51.34μg(約2000IU)、ビタミンK 48.96μg、黒生姜・赤生姜・パインバークエキス | ルテイン 100mg(リポソームルテインとして・2粒あたり)、ゼアキサンチン 4mg、ビルベリー、メグスリノキ、ローヤルゼリー |
| 剤形の特徴 | ビタミンDの一部にリポソーム設計、オイル状態でソフトカプセルに充填、極小カプセル | リポソーム設計、小粒サイズ |
| 製造 | 完全国内生産 | 完全国内生産 |
サプリのPB・OEMを受けるときに効いてくる論点
ここからは食品OEMの窓口編集部の見立てになる。今回の2製品は、サプリのPB・受託開発を引き受ける工場や、ブランドを立ち上げるPB開発者にとって、設計の分岐点を棚卸しする材料になる。
第一に、剤形の選択だ。脂溶性成分を扱うなら、粉末を固めた錠剤か、油脂に溶かすソフトカプセルかで、必要な設備・原価・飲みやすさが変わる。リポソーム設計やオイルイン充填を売りにするなら、対応できる受託先が限られるため、設計の初期段階で剤形と委託先を握っておく必要がある。
第二に、多成分配合の設計だ。「1粒でまとめて摂れる」を打ち出すほど、原材料の相互作用、1粒に収める容量、表示の整理が重くなる。ビタミンKのように、特定の薬を服用中の人への注意喚起が要る成分を入れる場合は、パッケージや販売ページの注意書きまで含めて設計しなければならない。
第三に、粒の大きさと継続コストだ。1日あたりの価格や必要な粒数まで含めて、続けてもらえる形に落とし込めるかが問われる。
サプリのPB・受託を検討する側が、設計の入口で決めておきたい項目を並べると次のようになる。
- 錠剤かソフトカプセルかの剤形と、それに対応できる受託先の有無
- リポソーム化やオイルイン充填といった付加設計の要否と原価への跳ね返り
- 1粒にまとめる成分数と、相互作用・表示・注意喚起の整理
- 粒の大きさ・1日の粒数・継続コストのバランス
- 国内生産や第三者認証を訴求に使うかどうか
健康食品の受託加工では、素材の機能性と出口づくりを一体で設計する動きがプロテインOEMの設備投資のような形でも進んでいる。サプリは成分の新しさだけでなく、剤形と続けやすさの設計で差がつく製品だ。
まとめ
VITASが相次いで投入する2製品は、リポソーム設計という共通の骨格を、ビタミンD・Kとルテインという別の成分に横展開した例だ。脂溶性成分のオイルイン充填、多成分の1粒配合、続けやすさを狙った小粒設計と、サプリの差別化を配合と剤形の両面で組み立てている。同種の相談を受ける工場やPB開発者が次にやることは、自社の設計チェックに「剤形と対応可能な受託先」「多成分配合時の表示・注意喚起」の2行を足せるかを確かめることだ。
関連記事
- 健食原料・OEM展2026が東京国際フォーラムで閉幕、GLP-1素材とインナービューティが受託加工の主役に
- GMP義務化まで残り5カ月——健食OEM展2026で消費者庁が緊急解説セミナーを開催
- 自社LPS原料の機能性表示食品が届出受理——自然免疫応用技研に見る、原料メーカーの『出口づくり』


