雨の梅田に44農家、前回売上を超えたブースも——にっぽん青果祭が映す『産地と直接つながる』商品開発の接点
にっぽん青果祭実行委員会(株式会社N.Create、株式会社Z-ONE、株式会社M&A、株式会社おおきに、みのり農園)は2026年10月5日、大阪・梅田で開催した「第4回 にっぽん青果祭」の実績を公開した。9月26日・27日の2日間、全国21道府県から44農家が出店し、両日とも雨天という条件のなかで来場者は33,000人に達した。10万人を動員した前回開催時の売上を更新するブースも複数あり、早期に完売するブースも続いたという。
消費者向けの青果販売イベントだが、発表の中身を読むと、出店農家とバイヤー・企業担当者が直接言葉を交わし、次の商品開発に向けた商談の種が生まれた点が記されている。産地と都市部の買い手が顔を合わせる接点は、原料をどこで仕入れ、だれと組んで商品化するかという、食品OEM工場やPB開発の川上の論点に直結する。
雨の梅田に44農家が集まり、33,000人が来場した2日間
会場はグラングリーン大阪ステッププラザと梅田スカイビル ワンダースクエア(大阪府大阪市北区)の2カ所。入場無料で、全国の青果物・加工品・飲食物の販売、自治体・企業のPR、体験企画やステージが展開された。主催は実行委員会、後援に農林水産省と大阪市が入っている。
実行委員会が公開した第4回の実績は、来場者数33,000人、出店農家44農家、参加21道府県。公式LINEの新規登録は2日間で364人、クラウドファンディングは216人から総額736,000円を集めた。前回は10万人を動員しており、今回は悪天候で来場者の規模こそ下がったが、売上で前回を上回るブースが出た点が発表の軸になっている。兵庫県のたまねぎ農家Top Fieldは用意した商品が早々に完売したと記されている。
「売る場」から「商談の場」へ——出店農家とバイヤーが直接つながった
発表によれば、会場では出店農家と来場したバイヤー・企業担当者が直接言葉を交わす場面が多く見られ、次の商品開発や地域連携に向けた商談が生まれるビジネスプラットフォームとしても働いたとしている。農産物を売り切るだけでなく、飲食店事業主・食品メーカー・バイヤーとのBtoB接点をつくる狙いが、第5回の募集案内にも引き継がれている。
生産者を起点に加工品まで広げる取り組みは、ほかの産地でも動いている。愛媛の百貨店が柑橘を加工品に仕立てて全国の棚へ届けた事例は、柑橘産地が「加工品」で全国の棚へ届けた受託加工の実需として取り上げた。
自治体連携とLINE・クラファンで続いた「イベントの先」
第4回では、2日間で完結する催事から一歩踏み込んだ取り組みが強化された。自治体連携では地域産品のPRに加え、佐賀県の「つぼざむらい」、JA佐賀の「さがみかんみちゃん」、徳島県の「すだちくん」、熊本県の「くまモン」といった各地にゆかりのあるキャラクターが登場した。協力自治体には佐賀県、JA全農長野、HOKURIKU+が名を連ねている。
当日に登録された公式LINEの364人には、イベント後も出店農家や旬の農産物、次回開催の情報を届ける接点が残る。クラウドファンディングの216人・736,000円も、資金調達だけでなく農業や地域の取り組みを応援する人との関係づくりとして実施したとしている。
第5回は2027年春、企業協賛と出店農家の募集を開始
実行委員会は2027年春の「第5回 にっぽん青果祭」に向け、企業協賛、自治体連携、出店農家・生産者、その他連携パートナーの募集を開始した。問い合わせは公式ホームページのフォームで受け付けるとしている。
このうち発表で具体的な活用方法が示されたのは3者だ。農家・生産者には消費者への直接販売に加え、飲食店事業主・食品メーカー・バイヤーとのBtoB商談の接点を用意する。自治体・地域団体には特産品の販路拡大やふるさと納税PR、移住・観光誘致の場を提供する。企業担当者には新商品のテストマーケティング、サンプリング、アンケート調査、CSR活動のPRとしての活用を挙げている。
第4回にっぽん青果祭の開催概要
第4回の開催概要と、実行委員会が公開した実績を整理する。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| イベント名 | 第4回 にっぽん青果祭 |
| 開催日時 | 2026年9月26日(土)・27日(日)11:00〜18:00(雨天決行・荒天中止) |
| 会場 | グラングリーン大阪 ステッププラザ/梅田スカイビル ワンダースクエア(大阪府大阪市北区) |
| 来場者数 | 33,000人(悪天候下での実績) |
| 出店農家・参加地域 | 44農家/21道府県 |
| 主催・後援 | 主催:にっぽん青果祭実行委員会/後援:農林水産省、大阪市 |
| 入場料 | 無料 |
| 第5回 | 2027年春開催予定(企業協賛・自治体連携・出店農家を募集中) |
受託・PB開発の現場が、この種のフェスから持ち帰れること
ここからは食品OEMの窓口編集部の見立てになる。発表が示したのは、雨天でも33,000人が足を運ぶ層と、その場で生産者とバイヤーが商談に入れる動線がそろっていたことだ。受託側から見れば、産地の作り手と都市部で直接会える場は、新しい原料や取引先を探す営業・調達の動き方そのものに関わってくる。
新しい原料や未利用素材をどう製品の出口まで運ぶかは、受託・PB開発の実務でくり返し問われる論点だ。行き場の限られた素材を加工品に変えた事例は未利用素材の出口設計として取り上げている。ただし会場で生産者と話がついても、受託側が実際に製造へ移すには、出荷できるロットと収穫・出荷の時期、サイズや品質のばらつき、一次加工の可否、産地からの物流といった条件を一つずつ確認する作業が残る。発表にあるテストマーケティングの区分は新商品の反応を見るためのもので、原料側の条件確認とは別に、商品化の手前で消費者の受け止めを確かめる使い方ができる。
まとめ
第4回にっぽん青果祭は、悪天候でも33,000人・44農家・21道府県という数字を残し、前回売上を超えるブースも出た。消費者向けの青果イベントでありながら、出店農家とバイヤーの商談、自治体連携、LINE・クラウドファンディングによる継続接点まで、産地と都市の買い手をつなぐ機能を広げている。2027年春の第5回では企業協賛・出店農家の募集が始まっており、原料調達や商品開発の川上を直接押さえたい受託・PB開発の現場にとっては、出荷ロットや規格、一次加工の可否まで会場で確認できれば、調達と商品開発の入口として使える。
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出典
- 株式会社N.Create(にっぽん青果祭実行委員会)プレスリリース(2026年10月5日):https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000033.000085116.html
- にっぽん青果祭 公式ホームページ:https://seikasai.jp/


